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第20話
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雨が降りしきる中、祐貴先輩を抱きかかえる俺の体はすでにびしょ濡れで、全身が震えていた。だが、先輩が冷たくなった手で微かに俺の腕を掴んでいるのを感じるたびに、「守らなきゃ」という思いだけが俺を突き動かしていた。
「先輩、大丈夫ですからね…もう少しです。」
返事はない。それでも、俺は先輩をしっかりと支えながら、自分の家へと足を運んだ。
家に着いた頃には、俺も祐貴先輩もずぶ濡れだった。服から滴り落ちる水がフローリングに染みを作る。その姿を見て、俺はすぐに行動を起こした。
「先輩、このままじゃ風邪ひいちゃいますから…着替えさせますね。」
俺の声は震えていたが、それが雨のせいなのか、それとも目の前の先輩の無防備な姿に動揺しているのか、自分でもよく分からなかった。
祐貴先輩の濡れたシャツに手をかける。ぴったりと張り付いた布地を剥がすたびに、薄い肌があらわになり、濡れた髪が顔に張り付くその姿に、俺の喉が不自然に鳴った。
「歩夢くん…」
ぼそりと名前を呼ばれるたびに、胸の奥がぎゅっと締め付けられるようだった。
俺は乱れる呼吸を抑えようと必死になりながら、次にズボンに手を伸ばした。濡れたデニムはなかなか脱がせられなくて、何度も指先が先輩の太ももや腰に触れてしまう。
「すみません、もう少しだけ…」
声を絞り出しながら、ようやく先輩を下着姿にすることができた。だが、その瞬間、透けた布地越しに見える肌のラインに目が釘付けになってしまう。
「……歩夢くん?」
朦朧としながらも、先輩が俺を見上げてきた。その瞳が自分の顔を探すように揺れるたび、心臓が壊れそうなくらい早く鼓動を打った。
「お風呂、沸かしますね。」
逃げるように言い残し、俺は浴室に駆け込んだ。湯を張る音に紛れて深呼吸を繰り返すが、落ち着ける気配はなかった。
「俺、何考えてんだ…!」
鏡に映る自分の顔は真っ赤だった。祐貴先輩を守るために必死だったはずなのに、気づけば先輩の濡れた肌や揺れる髪にばかり目を奪われていた。
「先輩、準備できました。入れますか?」
先輩を浴室に案内し、背を向けて立ち去ろうとしたその瞬間、ふいに先輩が俺の手首を掴んだ。
「歩夢くん…ありがとう。」
それだけの言葉なのに、俺の心臓はまた爆発しそうになる。
「いいえ…俺、当然のことをしただけですから。」
俺は視線を合わせないようにしながら、そっと扉を閉じた。だが、胸の高鳴りは収まる気配を見せない。
俺は、先輩を守りたいと思っているだけなのに、どうしてこんなにも揺れてしまうんだろう。
扉の向こうから聞こえる水の音を聞きながら、俺は拳を握りしめてその感情を必死に抑え込もうとした。
「先輩、大丈夫ですからね…もう少しです。」
返事はない。それでも、俺は先輩をしっかりと支えながら、自分の家へと足を運んだ。
家に着いた頃には、俺も祐貴先輩もずぶ濡れだった。服から滴り落ちる水がフローリングに染みを作る。その姿を見て、俺はすぐに行動を起こした。
「先輩、このままじゃ風邪ひいちゃいますから…着替えさせますね。」
俺の声は震えていたが、それが雨のせいなのか、それとも目の前の先輩の無防備な姿に動揺しているのか、自分でもよく分からなかった。
祐貴先輩の濡れたシャツに手をかける。ぴったりと張り付いた布地を剥がすたびに、薄い肌があらわになり、濡れた髪が顔に張り付くその姿に、俺の喉が不自然に鳴った。
「歩夢くん…」
ぼそりと名前を呼ばれるたびに、胸の奥がぎゅっと締め付けられるようだった。
俺は乱れる呼吸を抑えようと必死になりながら、次にズボンに手を伸ばした。濡れたデニムはなかなか脱がせられなくて、何度も指先が先輩の太ももや腰に触れてしまう。
「すみません、もう少しだけ…」
声を絞り出しながら、ようやく先輩を下着姿にすることができた。だが、その瞬間、透けた布地越しに見える肌のラインに目が釘付けになってしまう。
「……歩夢くん?」
朦朧としながらも、先輩が俺を見上げてきた。その瞳が自分の顔を探すように揺れるたび、心臓が壊れそうなくらい早く鼓動を打った。
「お風呂、沸かしますね。」
逃げるように言い残し、俺は浴室に駆け込んだ。湯を張る音に紛れて深呼吸を繰り返すが、落ち着ける気配はなかった。
「俺、何考えてんだ…!」
鏡に映る自分の顔は真っ赤だった。祐貴先輩を守るために必死だったはずなのに、気づけば先輩の濡れた肌や揺れる髪にばかり目を奪われていた。
「先輩、準備できました。入れますか?」
先輩を浴室に案内し、背を向けて立ち去ろうとしたその瞬間、ふいに先輩が俺の手首を掴んだ。
「歩夢くん…ありがとう。」
それだけの言葉なのに、俺の心臓はまた爆発しそうになる。
「いいえ…俺、当然のことをしただけですから。」
俺は視線を合わせないようにしながら、そっと扉を閉じた。だが、胸の高鳴りは収まる気配を見せない。
俺は、先輩を守りたいと思っているだけなのに、どうしてこんなにも揺れてしまうんだろう。
扉の向こうから聞こえる水の音を聞きながら、俺は拳を握りしめてその感情を必死に抑え込もうとした。
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