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29. 駆け出す
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ルイスと王宮を抜け出し、王都に続く坂道を馬で駆け抜ける。前方には王都の街の灯りがほんのりと見えてきた。
その時、後方から声が聞こえた気がして、馬を走らせながら後ろの方を一瞥する。その一瞬の視界に入った姿に驚いた。
「ルイスッ! 待って!!」
慌ててルイスを呼び止め、私も馬を止めた。
「後ろ!」
二人で来た道を見れば、ユルゲンが全速力で馬を走らせて駆けつけて来ていた。
「ルイス王子殿下っ!! 酒場にはもうあの方はおりませんっ! 彼女は、王都の牢に入れられていますっ!!」
「なんだって! ユルゲン、どこの牢だ? すぐに行くぞ!!」
冷静さを失い始めたルイスに、またも王宮に続く道から馬の足音と声がしてくる。
「落ち着けルイスっ!!」
「あ……兄上まで?」
なんとアロイス、バラド国王、お兄様まで続々と坂を馬で駆け降りてきた。
アロイスは緊迫した表情でルイスに向かって状況を伝える。
「マーレーン伯爵にはお前が裏帳簿を盗んだことがバレている。伯爵の指示でお前の友人は今日牢に入れられたそうだ」
「まさか……そんな」
ルイスは口元に手をあて、顔は青ざめて行く。
「しっかりしろっ! とにかくまずはお前の友を助けに行こう。それから、我々はハイステップに向かい、あちら側の裏帳簿を奪うぞ。帳簿に記されたハイステップ側の人間の名前は憶えているか?」
「ああ……うろ覚えだけど……いや、アルタンの方がより確実だ。私には名前を見たところでどこの誰かは見当がつかなかった」
ルイスの発言にバラド国王とアロイスが反応を示した。
「「アルタン?」」
ルイスは不思議そうにバラド国王とアロイスを交互に見る。
「ああ、ええ、友人の名前がアルタンと言います」
「ルイス……お前……」
アロイスは何だか呆れた様子で、バラド国王はフッと力が抜けたように笑うと、お兄様の方を見た。
「ジルベール、すまないが、我々もこのまま牢まで行ってもいいか?」
「え? ああ、はい。私は構いません」
そして、ユルゲンの案内で私達はアルタンの捕らわれた牢まで向かう。王都の雑多な街の一角に地下へと続く階段があり、馬を近くに繋ぎ、皆でその階段を降りて行く。
春の夜だというのに、階段を降りるごとに冬のような冷気を感じ始め、カビや不衛生な香りが下の方から漂ってくる。地下まで辿り着くと薄暗いトンネルが真っ直ぐに続いていた。アロイスはそこでローブを脱ぐと、ローブの下は王太子の正装のままだった。
トンネルの入り口に掲げられた松明を持って皆で進むと、トンネルの先からカツンカツンと地下の岩壁に足音を響かせ近づいてくる人物がいる。人の気配に気がついた看守二人だった。
「この先は通せない。すぐに引き返せ」
アロイスが二人の前まで進み出た。
「命令だ。今すぐ私の指示する牢を開けろ」
看守達はアロイスの言葉に笑っていたが、アロイスをよく見ると彼がこの国で二人しか着用出来ないロイヤルブルーのサッシュをしている事に気が付く。その他にも、身なりのあちこちにその高貴な出自を表すような装飾がされている。
「おっ!! 王太子殿下!?」
「たたたたたたた大変失礼いたしましたっ!!」
慌てる看守たちなどアロイスは気にも留めず、王太子殿下の威厳を示す。
「いいから、今日牢に入れられた女の所まで連れて行け」
看守二人はバツが悪そうな顔をしてお互いを見合う。
「早くっ!!」
アロイスの低く迫力ある声が地下牢に響き渡った。
一人の看守が慌てて壁に掛けられた鍵を取り、アルタンが入れられている牢まで案内する。
「こちらです……」
看守がカギを開けて牢の中に松明で明かりを灯すと、狭く暗い牢の中で、アルタンはロープで身体を縛り上げられて横たわっていた。
「アルタンッ!」
ルイスが牢の中に入って行きアルタンに駆け寄ると、彼女を抱き起して縄を解く。薄暗くとも、彼女の身体が痣だらけになっているのは良くわかった。
全員が一斉に看守が居た方向に目をやると、看守はいつの間にか消えていた。
アルタンはルイスの肩に手を回して、彼に支えられながら牢から出てきた。
彼女は牢から出て真っ先にある人物を見て固まり、舌打ちをした。
「ちっ……バラドにだけはこんな姿見られたくなかった……」
「勇猛果敢なハイステップの女王がいい様だな」
バラド国王の言葉にルイスとユルゲンが目を見開いた。アロイスはアルタンの正体をわかっていた様子で驚いていない。
実は私も、アルタンの正体は何となく予想できていた。ルイーザ王女から渡されていた資料でハイステップの八つの部族を纏める女王の名前が、アルタンナラン・アイジャルクと記されていた。ハイステップでアルタンの名は王族しか付けられない。そして、ハイステップ連合王国は、性別関係なくアイジャルク王家の長子が統治者となる。
ルイスは驚いた顔でアルタン女王を見つめていた。
「アルタン……君はハイステップの女王なの?」
「何を今さら。ルーズにもハイステップの代表だと言っただろ」
「いや、それは密輸に関する調査の代表で、大使のようなものだとばかり……」
アロイスはルイスの発言を聞いて大きな溜息をつく。
「ルイス……もう少し勉強しろ。近隣諸国の統治者の名前は知っておくべきだ」
その言葉にルイスが恥ずかしそうに顔を赤くしていると、アルタン女王がルイスの額にきついデコピンをかます。
「いぃっっつ!」
「恥じるな。これから学べばいい。私がお前にハイステップの魅力を沢山教えてやるから」
「ああ、アルタン……」
やっぱりルイスはアルタン女王が好きなはず。見ていれば二人は同じ色に染まっているのがわかる。
バラド国王は地下牢の入口を気にしながら、皆に急ぐように促した。
「おい、とにかく早くここを出よう。アルタン、お前の仲間のところまで案内できるか?」
「バラドは私の仲間が近くにいることまでお見通しなのだな」
「当たり前だろ。女王一人で他国に行かせる国がどこにあるんだ」
「お前の国があるだろ。相変わらず一人で放浪してんだな」
「俺は特別だ」
「なかなか死なないもんな」
アルタン女王とバラド国王は随分と仲が良いみたいで、ルイスの顔は面白くなさそうだった。だけど、アウルム国とハイステップ連合王国は国交があるのだから、王族同士で交流はあるだろう。
アルタン女王は全員を見て何か考え込んでいた。
「闇夜の森を駆け抜ける。馬をかなり扱える奴じゃないと無理だ」
バラド国王も全員を見た。
「では、私の馬にジルベール、王太子の馬にシルビア嬢、ルイスの馬に女王、ユルゲンは単独で。これでいいか?」
アルタン女王は首を振った。
「いや、私がルイスを乗せる。おい、ルーズ、お前の馬を貸せ」
ルイスは慌ててアルタン女王を止めようと彼女の手を握った。
「そんな身体じゃ無理だ。私が走らせる」
アルタン女王はルイスの手を優しく振りほどき、ウィンクをして見せる。
「毎日大草原を駆け抜けている技術を甘く見るな。無傷のお前より乗馬の腕は確かなはずだ」
そう言うと、アルタン女王は痛めた身体を庇いながら歩き出す。ルイスは急いで彼女の元まで駆け寄って彼女を支えた。
地下牢を出て、先ほど割り振られた通りに馬に乗った。私はアロイスの前に座らされ、彼は私を背中から包むかの様に腕を伸ばして手綱を握る。
先頭は道案内をするアルタンとルイスの乗る馬。あちらはルイスが後ろに座り、前で手綱を握るアルタンの腰にルイスが手を回してしっかり掴まっていた。少し、微笑ましかった。
アルタン女王は皆に向かって声を掛ける。
「見失わずについて来いよ」
アルタンが馬の鬣を撫で、優しく馬に声をかける。それから脚で馬の腹を圧迫して走り出す合図を出すと、その馬はルイスの馬にも関わらずゆっくり歩き始め、徐々に速度を上げて颯爽と走り出す。馬は即座にアルタン女王を主と認めたようだ。
アルタン女王が走り始めたのを見て、皆急いで馬に合図を出して走り出し、あとを追った。
その時、後方から声が聞こえた気がして、馬を走らせながら後ろの方を一瞥する。その一瞬の視界に入った姿に驚いた。
「ルイスッ! 待って!!」
慌ててルイスを呼び止め、私も馬を止めた。
「後ろ!」
二人で来た道を見れば、ユルゲンが全速力で馬を走らせて駆けつけて来ていた。
「ルイス王子殿下っ!! 酒場にはもうあの方はおりませんっ! 彼女は、王都の牢に入れられていますっ!!」
「なんだって! ユルゲン、どこの牢だ? すぐに行くぞ!!」
冷静さを失い始めたルイスに、またも王宮に続く道から馬の足音と声がしてくる。
「落ち着けルイスっ!!」
「あ……兄上まで?」
なんとアロイス、バラド国王、お兄様まで続々と坂を馬で駆け降りてきた。
アロイスは緊迫した表情でルイスに向かって状況を伝える。
「マーレーン伯爵にはお前が裏帳簿を盗んだことがバレている。伯爵の指示でお前の友人は今日牢に入れられたそうだ」
「まさか……そんな」
ルイスは口元に手をあて、顔は青ざめて行く。
「しっかりしろっ! とにかくまずはお前の友を助けに行こう。それから、我々はハイステップに向かい、あちら側の裏帳簿を奪うぞ。帳簿に記されたハイステップ側の人間の名前は憶えているか?」
「ああ……うろ覚えだけど……いや、アルタンの方がより確実だ。私には名前を見たところでどこの誰かは見当がつかなかった」
ルイスの発言にバラド国王とアロイスが反応を示した。
「「アルタン?」」
ルイスは不思議そうにバラド国王とアロイスを交互に見る。
「ああ、ええ、友人の名前がアルタンと言います」
「ルイス……お前……」
アロイスは何だか呆れた様子で、バラド国王はフッと力が抜けたように笑うと、お兄様の方を見た。
「ジルベール、すまないが、我々もこのまま牢まで行ってもいいか?」
「え? ああ、はい。私は構いません」
そして、ユルゲンの案内で私達はアルタンの捕らわれた牢まで向かう。王都の雑多な街の一角に地下へと続く階段があり、馬を近くに繋ぎ、皆でその階段を降りて行く。
春の夜だというのに、階段を降りるごとに冬のような冷気を感じ始め、カビや不衛生な香りが下の方から漂ってくる。地下まで辿り着くと薄暗いトンネルが真っ直ぐに続いていた。アロイスはそこでローブを脱ぐと、ローブの下は王太子の正装のままだった。
トンネルの入り口に掲げられた松明を持って皆で進むと、トンネルの先からカツンカツンと地下の岩壁に足音を響かせ近づいてくる人物がいる。人の気配に気がついた看守二人だった。
「この先は通せない。すぐに引き返せ」
アロイスが二人の前まで進み出た。
「命令だ。今すぐ私の指示する牢を開けろ」
看守達はアロイスの言葉に笑っていたが、アロイスをよく見ると彼がこの国で二人しか着用出来ないロイヤルブルーのサッシュをしている事に気が付く。その他にも、身なりのあちこちにその高貴な出自を表すような装飾がされている。
「おっ!! 王太子殿下!?」
「たたたたたたた大変失礼いたしましたっ!!」
慌てる看守たちなどアロイスは気にも留めず、王太子殿下の威厳を示す。
「いいから、今日牢に入れられた女の所まで連れて行け」
看守二人はバツが悪そうな顔をしてお互いを見合う。
「早くっ!!」
アロイスの低く迫力ある声が地下牢に響き渡った。
一人の看守が慌てて壁に掛けられた鍵を取り、アルタンが入れられている牢まで案内する。
「こちらです……」
看守がカギを開けて牢の中に松明で明かりを灯すと、狭く暗い牢の中で、アルタンはロープで身体を縛り上げられて横たわっていた。
「アルタンッ!」
ルイスが牢の中に入って行きアルタンに駆け寄ると、彼女を抱き起して縄を解く。薄暗くとも、彼女の身体が痣だらけになっているのは良くわかった。
全員が一斉に看守が居た方向に目をやると、看守はいつの間にか消えていた。
アルタンはルイスの肩に手を回して、彼に支えられながら牢から出てきた。
彼女は牢から出て真っ先にある人物を見て固まり、舌打ちをした。
「ちっ……バラドにだけはこんな姿見られたくなかった……」
「勇猛果敢なハイステップの女王がいい様だな」
バラド国王の言葉にルイスとユルゲンが目を見開いた。アロイスはアルタンの正体をわかっていた様子で驚いていない。
実は私も、アルタンの正体は何となく予想できていた。ルイーザ王女から渡されていた資料でハイステップの八つの部族を纏める女王の名前が、アルタンナラン・アイジャルクと記されていた。ハイステップでアルタンの名は王族しか付けられない。そして、ハイステップ連合王国は、性別関係なくアイジャルク王家の長子が統治者となる。
ルイスは驚いた顔でアルタン女王を見つめていた。
「アルタン……君はハイステップの女王なの?」
「何を今さら。ルーズにもハイステップの代表だと言っただろ」
「いや、それは密輸に関する調査の代表で、大使のようなものだとばかり……」
アロイスはルイスの発言を聞いて大きな溜息をつく。
「ルイス……もう少し勉強しろ。近隣諸国の統治者の名前は知っておくべきだ」
その言葉にルイスが恥ずかしそうに顔を赤くしていると、アルタン女王がルイスの額にきついデコピンをかます。
「いぃっっつ!」
「恥じるな。これから学べばいい。私がお前にハイステップの魅力を沢山教えてやるから」
「ああ、アルタン……」
やっぱりルイスはアルタン女王が好きなはず。見ていれば二人は同じ色に染まっているのがわかる。
バラド国王は地下牢の入口を気にしながら、皆に急ぐように促した。
「おい、とにかく早くここを出よう。アルタン、お前の仲間のところまで案内できるか?」
「バラドは私の仲間が近くにいることまでお見通しなのだな」
「当たり前だろ。女王一人で他国に行かせる国がどこにあるんだ」
「お前の国があるだろ。相変わらず一人で放浪してんだな」
「俺は特別だ」
「なかなか死なないもんな」
アルタン女王とバラド国王は随分と仲が良いみたいで、ルイスの顔は面白くなさそうだった。だけど、アウルム国とハイステップ連合王国は国交があるのだから、王族同士で交流はあるだろう。
アルタン女王は全員を見て何か考え込んでいた。
「闇夜の森を駆け抜ける。馬をかなり扱える奴じゃないと無理だ」
バラド国王も全員を見た。
「では、私の馬にジルベール、王太子の馬にシルビア嬢、ルイスの馬に女王、ユルゲンは単独で。これでいいか?」
アルタン女王は首を振った。
「いや、私がルイスを乗せる。おい、ルーズ、お前の馬を貸せ」
ルイスは慌ててアルタン女王を止めようと彼女の手を握った。
「そんな身体じゃ無理だ。私が走らせる」
アルタン女王はルイスの手を優しく振りほどき、ウィンクをして見せる。
「毎日大草原を駆け抜けている技術を甘く見るな。無傷のお前より乗馬の腕は確かなはずだ」
そう言うと、アルタン女王は痛めた身体を庇いながら歩き出す。ルイスは急いで彼女の元まで駆け寄って彼女を支えた。
地下牢を出て、先ほど割り振られた通りに馬に乗った。私はアロイスの前に座らされ、彼は私を背中から包むかの様に腕を伸ばして手綱を握る。
先頭は道案内をするアルタンとルイスの乗る馬。あちらはルイスが後ろに座り、前で手綱を握るアルタンの腰にルイスが手を回してしっかり掴まっていた。少し、微笑ましかった。
アルタン女王は皆に向かって声を掛ける。
「見失わずについて来いよ」
アルタンが馬の鬣を撫で、優しく馬に声をかける。それから脚で馬の腹を圧迫して走り出す合図を出すと、その馬はルイスの馬にも関わらずゆっくり歩き始め、徐々に速度を上げて颯爽と走り出す。馬は即座にアルタン女王を主と認めたようだ。
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