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14. ラミの行動
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***
ラミは笑顔で転移装置に駆け込む二人を見送っていた。二人の姿が見えなくなると、その表情は波が引くようにスッと真顔に戻る。
ステーションに併設されている売店でお土産用の菓子折りを買うと、転移装置には向かわずにそのままステーションを出て行く。
ラミは唇を指でなぞり、その指を耳元まで持っていくとパチンッと指を鳴らして「シェニア姉さん」と呟く。転移魔法を簡易的にした、音声通話のみ可能な低度魔法である。一般的には杖で唇と耳に魔法をかけ、会話の際は杖の先に向かって話さないといけないが、ラミの魔法能力では杖は不要だった。
「姉さん、ごめん、ちょっと寄りたいところが出来たから、待ち合わせ時間変更して」
そしてラミは街中の人目につかないところまで歩くと、指をパチンっと鳴らして消えた。
ラミが転移魔法で姿を現した場所は、地方局庁舎所在地のパラベリ市とは違って、山や畑が広がり、背の高い大きな建物は病院くらいしか見当たらないようなのどかな場所だった。
ラミは辺りを見回し、病院の近くに施設があるのを見つけた。その施設は運営母体から十分に予算が回っていないのか、魔法で簡易的な修繕はされているが、建物全体は古い木材のままで、大きな自然災害でも起こればすぐにでも崩れそうだった。
だが、近くまでくると、建物の見た目とは違い、中から子供たちの楽しそうな声が聴こえてくる。
ラミは、その建物のチャイムを鳴らすと、中から高齢の女性が出て来た。
「はい、どちら様でしょうか?」
「こんにちは。ここはラムセーレ養護施設で間違いないでしょうか?」
「ええ、そうですが、何かご用件が?」
「突然の訪問失礼いたします。こちらの施設長にお話しを伺いたいのですが」
ラミはそう言いながら、手にいつの間にか名刺を出していて、それを女性に差し出した。女性はラミの名刺を見て目を開いた。
「私が施設長のユグレです。どうぞ中へお入りください」
「ありがとうございます」
施設長のユグレに案内され、ラミは養護施設の中の一室に案内された。棚も机も椅子も、ここに在るものすべてが年季を感じさせる。大切に使っているともいうべきではあるが、代わりが手に入らないので多少の不具合は気にせずずっと使っているといった感じだ。
向かい合って座るユグレは改めてラミの名刺に目を通して釘付けになっていたので、ラミから話を切り出した。
「ここで育ったプルム・サンシャインさんについてお話を伺いたいのですが」
ユグレはラミの声で我に返り、慌ててテーブルの上に名刺を置く。
「プルムですか?」
ユグレはテーブルの上のラミの名刺をチラッと一瞬見てから、視線をラミ本人に向けた。その目は戸惑っている。
「ユグレさん、お話頂いて大丈夫です。私との会話は守秘義務違反には問われません」
ラミが指をパチンっと鳴らすと、ユグレの手元に書類が現れた。ユグレは自分の杖をその書類にあてると、それは本物の書類だとわかる。
「そうですか。では、わかる範囲でよろしければお話します」
「ありがとうございます。彼女が周期性発熱症候群を発症したのはいつですか?」
「彼女は生まれて間もなくここに預けられました。周期的な発熱は預けられた時から始まっており、すぐにその診断はおりました」
「そうですか……そうすると、やはり謎の病の流行とは時期がズレますね。あれは十年ほど前から発生した。関係ないのか……」
「……十年? あの、プルムの発熱には続きがありまして、十年程前から熱の出方が激しくなり、何回か意識を失った事があるんです」
「意識を失った?」
「はい。周期性発熱症候群よりも、高熱で意識を失う状態を何回か繰り返した為、プルムの脳は疲弊しているそうです。次に高熱で意識を失えば、目覚める保証はないと医師から説明を受けました」
ラミは愕然とした。プルムはほぼ毎月のように訪れる発熱を慣れていると言って軽く話していが、ユグレの話から察するに、熱が上がる体温計を見て本当は怖いはずである。意識を失えばもう目覚めないと言われている。高熱で、一人部屋で眠るのはどれだけの恐怖との戦いで、覚悟を持っているのだろうか……それが、一時の山を越えても、また周期が訪れればやってくる。終わらない恐怖である。
「プルムさんは……強い女性ですね」
ユグレはふうーと息を吐き、話しを続ける。
「お恥ずかしながら、都会と違ってここら辺はまだ王族貴族が支配していた時代を引きずっており、孤児という立場の者への偏見がまだ根強く残っています。
そしてプルムはお世辞にも美人ではありません。古い時代は容姿も重要でしたから、その価値観が強く残ったこの地域での魔法学校中等部時代には、彼女は酷いいじめを受けていました」
「いじめ?」
「ええ。最初は持ち物がなくなることから。でも一般家庭の子と違って、施設の子供たちは無くなったからといって、すぐに新しい物を与えてはあげられませんし、プルムの場合は新しいものを与えても、すぐになくなっていたので、次第に彼女は、限られた施設の予算を自分だけに何度も使わせる事を申し訳なく思うようになり、無くなったことを隠して、ゴミ箱からもう使えない程小さくなって捨てた鉛筆や消しゴムを集めて使っていました。
私達がそれに気づくと、プルムは笑顔を見せて、これが使いやすいから気に入ってるんだと言ったんです。たぶん、物を隠すクラスメートの事すら庇ったのでしょう」
「なぜそんなクラスメートを庇ったり……それじゃあ解決にならない」
「結局犯人の子はわかったのですが、その子も周りに逆らえず、自分がターゲットになるのを恐れてやっていたようです。だからプルムは、自分がターゲットのうちはその子を守れると思ったのでしょう」
「どこまでお人よしなんだ……」
「自分が亡くなった後、世間に彼女は恵まれない不幸な人だったと思われたら、ここで過ごした日々も、孤児の人生というものも、全てを不幸と決めつけられてしまうと言ってました。
自分が不幸にされてしまうと、育てた私が報われないと言いました。そして、施設の子供達は私を見て将来に不安を抱くと。
だから、彼女は幸せである姿を見せようと、笑顔を絶やさないようにしているんですよ」
ラミはプルムの笑顔を思い出すと、胸が熱くなっていくのがわかる。今目の前に彼女がいたらきっと抱きしめて離さないだろう。
そして、ラミはぼんやりとしていた気持ちが固まる。
彼女を幸せにしたい……。
ユグレは名刺に手を伸ばし、チラチラと窺いながらラミに聞く。
「ところで、ラミさんのお名前だけど……」
「名前?」
「ラミ・シャロンド……ヘイデンスタイムさんって書いてあるけど、もしかしてあのヘイデンスタイム商社と関係が?」
「ヘイデンスタイム商社は実家ですが、僕は跡継ぎではないのでそこまで関係ないです」
「はあ、ご実家ですか……やだ、私、先ほど王族貴族の時代を少し悪いように言ってしまいましたが、華やかで良い時代でもあったと思っています」
「ああ、いえ、お気になさらず。私は歴史で習った程度ですが、あの時代はおっしゃる通り身分社会で差別が酷かった時代だと私も思います。今は身分関係なく実力で仕事を選べる良い時代になったと思います。結婚だって、自由な時代になっていて良かったと、今心から思いました」
ラミはにっこりと意味深な笑顔を見せるが、ユグレにはよくわからず、とりあえず同じように微笑み返した。
「ヘイデンスタイム商社はお兄様か誰かが跡を継がれたのですか?」
「兄はいませんが、姉が二人いて、長姉が家を継ぐ予定なので、今は後継教育も兼ねて科学界で支店長をしています」
「ああ、そうですか。それなら、安心してラミさんもこのお仕事が出来ますね」
ユグレはラミの名刺に視線を向けながら言った。ラミはその様子を見て少し焦り、ユグレに念を押す。
「あ、でも、今日僕がここに来たことは内緒にしてください。特にプルムさんには」
「ええ、大丈夫です」
「ちなみに、プルムさんの両親の事は、やはりわからないのでしょうか?」
何でも真摯に答えてくれていたユグレは、この質問だけには口を固くした。
「存じません。それと、孤児の両親については守秘義務うんぬんもありますが、答えてしまったら、勇気を出してここに子供を預けに来る親がいなくなってしまいます。そうしたら子供はどうなるでしょう? 救える命も救えなくなるのは困ります」
「そうですか……それであれば、これ以上は聞きません。今日はお話をお聞かせくださりありがとうございました」
ラミは穏やかな品の良い視線をユグレに向けながら、軽く会釈した。その間もユグレと交わす視線は外さない。
(……知ってるということか)
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ラミは笑顔で転移装置に駆け込む二人を見送っていた。二人の姿が見えなくなると、その表情は波が引くようにスッと真顔に戻る。
ステーションに併設されている売店でお土産用の菓子折りを買うと、転移装置には向かわずにそのままステーションを出て行く。
ラミは唇を指でなぞり、その指を耳元まで持っていくとパチンッと指を鳴らして「シェニア姉さん」と呟く。転移魔法を簡易的にした、音声通話のみ可能な低度魔法である。一般的には杖で唇と耳に魔法をかけ、会話の際は杖の先に向かって話さないといけないが、ラミの魔法能力では杖は不要だった。
「姉さん、ごめん、ちょっと寄りたいところが出来たから、待ち合わせ時間変更して」
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ラミが転移魔法で姿を現した場所は、地方局庁舎所在地のパラベリ市とは違って、山や畑が広がり、背の高い大きな建物は病院くらいしか見当たらないようなのどかな場所だった。
ラミは辺りを見回し、病院の近くに施設があるのを見つけた。その施設は運営母体から十分に予算が回っていないのか、魔法で簡易的な修繕はされているが、建物全体は古い木材のままで、大きな自然災害でも起こればすぐにでも崩れそうだった。
だが、近くまでくると、建物の見た目とは違い、中から子供たちの楽しそうな声が聴こえてくる。
ラミは、その建物のチャイムを鳴らすと、中から高齢の女性が出て来た。
「はい、どちら様でしょうか?」
「こんにちは。ここはラムセーレ養護施設で間違いないでしょうか?」
「ええ、そうですが、何かご用件が?」
「突然の訪問失礼いたします。こちらの施設長にお話しを伺いたいのですが」
ラミはそう言いながら、手にいつの間にか名刺を出していて、それを女性に差し出した。女性はラミの名刺を見て目を開いた。
「私が施設長のユグレです。どうぞ中へお入りください」
「ありがとうございます」
施設長のユグレに案内され、ラミは養護施設の中の一室に案内された。棚も机も椅子も、ここに在るものすべてが年季を感じさせる。大切に使っているともいうべきではあるが、代わりが手に入らないので多少の不具合は気にせずずっと使っているといった感じだ。
向かい合って座るユグレは改めてラミの名刺に目を通して釘付けになっていたので、ラミから話を切り出した。
「ここで育ったプルム・サンシャインさんについてお話を伺いたいのですが」
ユグレはラミの声で我に返り、慌ててテーブルの上に名刺を置く。
「プルムですか?」
ユグレはテーブルの上のラミの名刺をチラッと一瞬見てから、視線をラミ本人に向けた。その目は戸惑っている。
「ユグレさん、お話頂いて大丈夫です。私との会話は守秘義務違反には問われません」
ラミが指をパチンっと鳴らすと、ユグレの手元に書類が現れた。ユグレは自分の杖をその書類にあてると、それは本物の書類だとわかる。
「そうですか。では、わかる範囲でよろしければお話します」
「ありがとうございます。彼女が周期性発熱症候群を発症したのはいつですか?」
「彼女は生まれて間もなくここに預けられました。周期的な発熱は預けられた時から始まっており、すぐにその診断はおりました」
「そうですか……そうすると、やはり謎の病の流行とは時期がズレますね。あれは十年ほど前から発生した。関係ないのか……」
「……十年? あの、プルムの発熱には続きがありまして、十年程前から熱の出方が激しくなり、何回か意識を失った事があるんです」
「意識を失った?」
「はい。周期性発熱症候群よりも、高熱で意識を失う状態を何回か繰り返した為、プルムの脳は疲弊しているそうです。次に高熱で意識を失えば、目覚める保証はないと医師から説明を受けました」
ラミは愕然とした。プルムはほぼ毎月のように訪れる発熱を慣れていると言って軽く話していが、ユグレの話から察するに、熱が上がる体温計を見て本当は怖いはずである。意識を失えばもう目覚めないと言われている。高熱で、一人部屋で眠るのはどれだけの恐怖との戦いで、覚悟を持っているのだろうか……それが、一時の山を越えても、また周期が訪れればやってくる。終わらない恐怖である。
「プルムさんは……強い女性ですね」
ユグレはふうーと息を吐き、話しを続ける。
「お恥ずかしながら、都会と違ってここら辺はまだ王族貴族が支配していた時代を引きずっており、孤児という立場の者への偏見がまだ根強く残っています。
そしてプルムはお世辞にも美人ではありません。古い時代は容姿も重要でしたから、その価値観が強く残ったこの地域での魔法学校中等部時代には、彼女は酷いいじめを受けていました」
「いじめ?」
「ええ。最初は持ち物がなくなることから。でも一般家庭の子と違って、施設の子供たちは無くなったからといって、すぐに新しい物を与えてはあげられませんし、プルムの場合は新しいものを与えても、すぐになくなっていたので、次第に彼女は、限られた施設の予算を自分だけに何度も使わせる事を申し訳なく思うようになり、無くなったことを隠して、ゴミ箱からもう使えない程小さくなって捨てた鉛筆や消しゴムを集めて使っていました。
私達がそれに気づくと、プルムは笑顔を見せて、これが使いやすいから気に入ってるんだと言ったんです。たぶん、物を隠すクラスメートの事すら庇ったのでしょう」
「なぜそんなクラスメートを庇ったり……それじゃあ解決にならない」
「結局犯人の子はわかったのですが、その子も周りに逆らえず、自分がターゲットになるのを恐れてやっていたようです。だからプルムは、自分がターゲットのうちはその子を守れると思ったのでしょう」
「どこまでお人よしなんだ……」
「自分が亡くなった後、世間に彼女は恵まれない不幸な人だったと思われたら、ここで過ごした日々も、孤児の人生というものも、全てを不幸と決めつけられてしまうと言ってました。
自分が不幸にされてしまうと、育てた私が報われないと言いました。そして、施設の子供達は私を見て将来に不安を抱くと。
だから、彼女は幸せである姿を見せようと、笑顔を絶やさないようにしているんですよ」
ラミはプルムの笑顔を思い出すと、胸が熱くなっていくのがわかる。今目の前に彼女がいたらきっと抱きしめて離さないだろう。
そして、ラミはぼんやりとしていた気持ちが固まる。
彼女を幸せにしたい……。
ユグレは名刺に手を伸ばし、チラチラと窺いながらラミに聞く。
「ところで、ラミさんのお名前だけど……」
「名前?」
「ラミ・シャロンド……ヘイデンスタイムさんって書いてあるけど、もしかしてあのヘイデンスタイム商社と関係が?」
「ヘイデンスタイム商社は実家ですが、僕は跡継ぎではないのでそこまで関係ないです」
「はあ、ご実家ですか……やだ、私、先ほど王族貴族の時代を少し悪いように言ってしまいましたが、華やかで良い時代でもあったと思っています」
「ああ、いえ、お気になさらず。私は歴史で習った程度ですが、あの時代はおっしゃる通り身分社会で差別が酷かった時代だと私も思います。今は身分関係なく実力で仕事を選べる良い時代になったと思います。結婚だって、自由な時代になっていて良かったと、今心から思いました」
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「ああ、そうですか。それなら、安心してラミさんもこのお仕事が出来ますね」
ユグレはラミの名刺に視線を向けながら言った。ラミはその様子を見て少し焦り、ユグレに念を押す。
「あ、でも、今日僕がここに来たことは内緒にしてください。特にプルムさんには」
「ええ、大丈夫です」
「ちなみに、プルムさんの両親の事は、やはりわからないのでしょうか?」
何でも真摯に答えてくれていたユグレは、この質問だけには口を固くした。
「存じません。それと、孤児の両親については守秘義務うんぬんもありますが、答えてしまったら、勇気を出してここに子供を預けに来る親がいなくなってしまいます。そうしたら子供はどうなるでしょう? 救える命も救えなくなるのは困ります」
「そうですか……それであれば、これ以上は聞きません。今日はお話をお聞かせくださりありがとうございました」
ラミは穏やかな品の良い視線をユグレに向けながら、軽く会釈した。その間もユグレと交わす視線は外さない。
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