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第1章:夏休み
第1話 すべての始まり。
蝉の鳴き声がこうもうるさくては、おちおち寝てもいられない。ましてや兄貴の娘と二人っきり。鼓動の高鳴りと相まって、すっかり眠気は覚めてしまっていた。どうしてこうなったのか。目の前には、夏休みの宿題に勤しむ、小学五年生の女の子がいる。
集中しすぎてか、留守になった股座は開き、めくれ上がったスカートから中の様子が窺えそうだった。寝たふりを続行しつつ、畳敷きに置かれた今どき珍しい卓袱台の向かい側から、光を遮っているスカートの奥へ目を凝らし、じっくりと観察する。
ずっと見ていると、闇に突き落とされそうな錯覚に陥った。ふと我に返る。天気のいい昼下がり。仕事にいかず、俺はいったい、なにをしているのだろう。日光の届かない深海へと落ちていくような気分に苛まれ、俺は勢いをつけて被さっている布団を剥ぐ。
柔らかそうな白い肌の脚が、卓袱台の脚の向こう側に見え隠れする、その映像が脳裏にこびりついて離れない。
「あ。起きた」
興味なさそうに姪が言った。こっちを一瞥しただけで、再び卓袱台の上に目を落とす。どうやったら兄貴からこんな真面目な子が生まれるのか甚だ疑問だが、俺の自慢の姪っ子は宿題をする手を止めなかった。
「今年で何歳になるんだっけ」
「十一歳です」
「へー。もうそんなに経つのか。時間が過ぎるのは早いものだな」
「おじいさんみたいなこと言ってる」
質問に答えるときも宿題から目を逸らさなかったが、最後の憂いた発言には、鉛筆を持つ手を僅かに震えさせていた。二十歳も超えたら、あとは老化していくだけなんだよ、人間ってのは。あーあ。小学生時代に戻りてぇ。
「芽衣」俺は姪っ子の名前を呼んだ。スマホで時刻を確認する。正午を過ぎたばかりだった。「そろそろ休憩にしよう。なんかデリバリーするから」
「わっ。やった! 宅配、初めてです」
「初めて? 普段はなに食ってんの?」
「ママの作ったものしかなくて……」
「あ。そうなんだ……ごめん」
俺と芽衣との間に、気まずい空気が流れる。そもそも今回、俺の自室が学童保育みたいになっているのは、兄貴と義姉さんが別居してしまったことに端を発している。
現在は離婚調停中。学校が休みの間、たまに俺が娘を預かることになったのだ。普通、子供の親権は母親のほうが有利と聞くから、よほど母親は酷い人物だったのでは、とあらぬ妄想を働かせてしまう。
本日は顔合わせが目的で、そのあと朝早くに、兄貴は会社へ行ってしまった。俺がフリーターで時間的に余裕があり、しかも兄貴の家に近いという理由で預かっている。夕方頃には迎えにくる手筈になっていた。
そこそこ名門の大学に通っていたわけだし、ついでに勉強も教えるよう仕っているが、このぶんじゃあ俺の出番はなさそうだな。下手に口を出してフラッシュバックしても可哀想だし。
会ったのも久しぶりで、覚えているかどうかはわからなかったが、元々人見知りする性格ではないのか、ものの数秒で懐いてくれたようだった。大変だったろうに、いまのところは、俺に対して明るく振る舞ってくれる。
俺は欠伸を押し殺し、とっとと注文を済ませた。午後から、またひと眠りでもしよう。
チャイムが鳴ると、俺より先に芽衣は玄関まですっ飛んでいった。相当、腹が減っていたのだろう。いそいそとラッピングを剥がし「いただきます」と快活に告げた。
美味しそうに、満面の笑みを浮かべながら、芽衣はピザを頬張る。義姉がいたときは、健康上・栄養上の理由で、こういうのも食べさせてもらったことがないんだろうな。
それだけではないが、そういうところに、兄貴が窮屈感を覚えていたのは、小耳に挟んでいた。芽衣はピザを食べ終えると、再び宿題へと戻っていく。
必要以上に怒られた記憶が「宿題をしていると落ち着く」という心理状態に変わっていったのかもしれない、と俺は邪推した。話を聞いただけだが、どうやら教育虐待もしているらしかった。
俺はロリコンだが、そんな環境下で育った芽衣を、犯す気になどなれなかった。たった二人の兄弟の、しかもたった一人の愛娘だ。いくら飢餓えていようと、食べてはならないものはある。
快眠するためにも、ここは一回、抜いておくべきだろう。そう思ってトイレに行こうとしたが、こっちのほうが早く済むと思い直し、俺は芽衣の真向かいに少しだけ布団を動かした。そして布団の中へ潜り込むと、利き手でズボンのチャックを下ろす。
卓袱台の上に置いてあったボックスティッシュを、さも花粉症かのように鼻を啜りながら、枕元へと移動させた。ティッシュを予め亀頭へ被せるようにして持ち、俺は横向きに寝っ転がった状態のまま上下運動を開始する。
もちろん、芽衣の太腿から垣間見える素肌を、余すことなく堪能しながら。
集中しすぎてか、留守になった股座は開き、めくれ上がったスカートから中の様子が窺えそうだった。寝たふりを続行しつつ、畳敷きに置かれた今どき珍しい卓袱台の向かい側から、光を遮っているスカートの奥へ目を凝らし、じっくりと観察する。
ずっと見ていると、闇に突き落とされそうな錯覚に陥った。ふと我に返る。天気のいい昼下がり。仕事にいかず、俺はいったい、なにをしているのだろう。日光の届かない深海へと落ちていくような気分に苛まれ、俺は勢いをつけて被さっている布団を剥ぐ。
柔らかそうな白い肌の脚が、卓袱台の脚の向こう側に見え隠れする、その映像が脳裏にこびりついて離れない。
「あ。起きた」
興味なさそうに姪が言った。こっちを一瞥しただけで、再び卓袱台の上に目を落とす。どうやったら兄貴からこんな真面目な子が生まれるのか甚だ疑問だが、俺の自慢の姪っ子は宿題をする手を止めなかった。
「今年で何歳になるんだっけ」
「十一歳です」
「へー。もうそんなに経つのか。時間が過ぎるのは早いものだな」
「おじいさんみたいなこと言ってる」
質問に答えるときも宿題から目を逸らさなかったが、最後の憂いた発言には、鉛筆を持つ手を僅かに震えさせていた。二十歳も超えたら、あとは老化していくだけなんだよ、人間ってのは。あーあ。小学生時代に戻りてぇ。
「芽衣」俺は姪っ子の名前を呼んだ。スマホで時刻を確認する。正午を過ぎたばかりだった。「そろそろ休憩にしよう。なんかデリバリーするから」
「わっ。やった! 宅配、初めてです」
「初めて? 普段はなに食ってんの?」
「ママの作ったものしかなくて……」
「あ。そうなんだ……ごめん」
俺と芽衣との間に、気まずい空気が流れる。そもそも今回、俺の自室が学童保育みたいになっているのは、兄貴と義姉さんが別居してしまったことに端を発している。
現在は離婚調停中。学校が休みの間、たまに俺が娘を預かることになったのだ。普通、子供の親権は母親のほうが有利と聞くから、よほど母親は酷い人物だったのでは、とあらぬ妄想を働かせてしまう。
本日は顔合わせが目的で、そのあと朝早くに、兄貴は会社へ行ってしまった。俺がフリーターで時間的に余裕があり、しかも兄貴の家に近いという理由で預かっている。夕方頃には迎えにくる手筈になっていた。
そこそこ名門の大学に通っていたわけだし、ついでに勉強も教えるよう仕っているが、このぶんじゃあ俺の出番はなさそうだな。下手に口を出してフラッシュバックしても可哀想だし。
会ったのも久しぶりで、覚えているかどうかはわからなかったが、元々人見知りする性格ではないのか、ものの数秒で懐いてくれたようだった。大変だったろうに、いまのところは、俺に対して明るく振る舞ってくれる。
俺は欠伸を押し殺し、とっとと注文を済ませた。午後から、またひと眠りでもしよう。
チャイムが鳴ると、俺より先に芽衣は玄関まですっ飛んでいった。相当、腹が減っていたのだろう。いそいそとラッピングを剥がし「いただきます」と快活に告げた。
美味しそうに、満面の笑みを浮かべながら、芽衣はピザを頬張る。義姉がいたときは、健康上・栄養上の理由で、こういうのも食べさせてもらったことがないんだろうな。
それだけではないが、そういうところに、兄貴が窮屈感を覚えていたのは、小耳に挟んでいた。芽衣はピザを食べ終えると、再び宿題へと戻っていく。
必要以上に怒られた記憶が「宿題をしていると落ち着く」という心理状態に変わっていったのかもしれない、と俺は邪推した。話を聞いただけだが、どうやら教育虐待もしているらしかった。
俺はロリコンだが、そんな環境下で育った芽衣を、犯す気になどなれなかった。たった二人の兄弟の、しかもたった一人の愛娘だ。いくら飢餓えていようと、食べてはならないものはある。
快眠するためにも、ここは一回、抜いておくべきだろう。そう思ってトイレに行こうとしたが、こっちのほうが早く済むと思い直し、俺は芽衣の真向かいに少しだけ布団を動かした。そして布団の中へ潜り込むと、利き手でズボンのチャックを下ろす。
卓袱台の上に置いてあったボックスティッシュを、さも花粉症かのように鼻を啜りながら、枕元へと移動させた。ティッシュを予め亀頭へ被せるようにして持ち、俺は横向きに寝っ転がった状態のまま上下運動を開始する。
もちろん、芽衣の太腿から垣間見える素肌を、余すことなく堪能しながら。
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