射れ変わりの法則

金棒ぬめぬめ

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第1章:夏休み

第14話 悶々とした初夜。

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  さあて。芽衣めいの部屋は二階か?


 俺は階段を上って、突き当たりのドアを開けた。カーテンが閉め切られた、薄暗い部屋の中には、ダブルベッドが一つ。兄貴と義姉さんの、元・愛の巣のようだった。よくよく見れば、その隣りに、ネームプレートが掲げられている。


 いそいそと、ドアノブを回す。その部屋の中は、俺が想像していた女の子の部屋とは違い、意外と簡素なものだった。しかし、勉強机にランドセルが置かれているから、ここが芽衣の部屋で間違いないようだ。本棚には教科書のみが、窮屈そうに並べられている。


 えーっと……着替えはどこだ? とりあえず、片っ端からクローゼットを開けていく。ハンガーにかけられた洋服は、ほんの数着しかなかった。女の子のことはわからないが、これって少ないほうではないか? そして見る限り、パジャマはリュックに入っている一着だけのようだ。


 下着は……引き出しを俺は開ける。芽衣はこのキャラクターが本当に好きなようで、似たようなパンツが数列にわたって綺麗きれいに並べられていた。俺が見たのも……いや。いままさに穿いているのも、このキャラクターのようだ。


 しかし……女の子と一緒に寝るという非日常を味わって、多少興奮気味だった俺は、単に可愛かわいいパンツだとしか思っていなかったが。よく考えてみると、可愛いには可愛いが、小学五年生が穿くには少し幼いような気もしないでもないな。


 現時点で初潮を迎えているかどうかはわからないが、いまは大丈夫でも、そのうち生理だってくるだろうに。女の子の身体については詳しくないが、その準備は間に合っているのだろうね?


 芽衣はしっかりしているが、いまの中身が俺じゃあなあ……おまけに、親が兄貴一人じゃあなあ……自分で言うのもなんだが、心配の種が尽きることはなさそうだ。


 でもやっぱり。せっかく入れ替わったのだから、わずかな期間の少女にだけ許された、この美しい身体を余すことなく、十二分に楽しまなければ「損」というものだ。その手始めに、じっくり観察すべく、俺は手近の下着を一枚つかみ取り、鼻息荒く風呂場へと向かう。


 服を脱ぎ散らかし、乱雑に床へ放り投げた。洗面所の前で、俺は棒立ちになる。こんなにマジマジと凝視したのは初めてだ。セミロングのつややかな黒髪に縁取ふちどられた端正な顔立ち。兄貴似の通った鼻筋に、義姉さん似のぷっくらとした唇。パッチリお目々めめと、鏡越しで視線を交わす。


 ほんと、両親のいいとこ取りだけをしたような美少女の顔が、そこにはあった。そこから徐々に、俺は目線を下げていく。白くあでやかな盛り上がりに、ぽつんと浮かぶ黒い島が、妙に俺の男の部分を刺激する。へえー、芽衣って左胸に黒子ほくろあるんだー。


 思わず腹の下へ手が伸ばす。無意識なので、それは男のさがとして許してほしいが、そこで俺の右手はむなしく空を切った。直接、下へ目を落とすと、谷間の向こうにあったのは一筋の川。そうだった、いまの俺に、ち○こはついていないんだ。


 これから先、どうやって女性の身体で過ごしていけばいいのか、改めて実感すると不安感が募っていく。こんな綺麗な裸体を見せられて。いますぐ勃起したいのに。いますぐシコりたいのに。オナニーすることも、もう真面まともにできないではないか。


 イチモツが存在しないなんて。じゃあ、どうやって、この気持ちを発散させればいいんだろう。俺は悶々もんもんとしたままシャワーを浴び、身体に泡立てた石鹸を押し当てていく。女性のシンボルを避けるようにして、自分の身体を洗っていった。これ以上、芽衣に触れていたら、どうにかなってしまいそうだった。


 風呂場を出てからも十分に気をつけながら、タオルで身体の水分をさっさとぬぐっていく。シャツを着た瞬間、予想だにせず「んんっ」と声が漏れてしまう。一瞬、俺の身になにが起こったのかわからず、その場でつんいになる。勃起した乳首がシャツにこすれて、それが思ったよりも強い刺激だったことに気づいた。


 女の子の身体でも、性的な反応はするのか。じゃあ、クリトリスも……そう思って、もう一度だけ下へ手を伸ばした瞬間、兄貴の「芽衣ー? まだ上がらないのか?」という声が聞こえ、俺は我に返った。「もうすぐ」と返答し、このときばかりはわずらわしいと思うような長い髪の毛を乾かしている間、俺の興奮もだんだんと治まっていく。


 シャツやパンツをなにごともなく着て、俺は床へ散らばった洋服を頭からすっぽりとかぶった。リビングへ顔を出すと、テーブルの上にはいくつもの料理が、もうすでに並べられている。兄貴って、こんなの作れたんだ。俺は感心しつつ、着席する。


 すると兄貴は「今日きょうはそっちに座るのか」と不思議そうに呟いた。……え。いつも決まった場所があるのか。それを先に言えよ。まあもっとも、俺のことは芽衣だと思っているだろうから、本人に対して言わないだろうけど。


 テレビの音がない、静かな夕食をる。食べ始めて間もなく、兄貴のほうから切り出した。


「親権は俺が持つことになった。親権、わかるよな? さっきも言ったけど、俺に親が務まるかわかんないし、女の子のことはわかんないから、もしなにかあったら教えてくれ。頑張って、いい父親になれるよう努力するから」


 これで離婚調停も終わりか。このこと、あとで芽衣にLINEでもするかな。


「芽衣も寂しくなるかもしれない。パパだって新しい家族が欲しくなるかも……」どうした? もう再婚発言か?「でも……パパはママみたいに、いきなり別の人を連れてきたりはしない。絶対に。それは約束する」


 ん? なんだか、雲行きが……。兄貴は、さらに続ける。


「だから。なにがあっても、芽衣のことが一番なんだってこと、わかっててほしい」


 待て待て。別の人 ・ ・ ・ 、とは? 離婚の原因って、教育虐待じゃないのか?
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