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第二章 転機
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「君の希望する条件だと、この契約は難しい」
東京支社のオフィスで、一ノ瀬流通グループの顧問弁護士が言った。
「この契約だと、事務所の取ってきた仕事に許否は出来ない。
大学を休みたくないっていう希望も、無理だろう」
「じゃあ、辞めます」
「提案だが、一ノ瀬流通グループが新しく作る事務所と契約しないか?」
「どういうことです?」
「うちの事務所と契約して、プロジェクト毎にシュガーに業務を委託する。
これなら、君の希望に沿わない仕事は許否出来る」
「向こうのメリットは?」
「一切の経費はうち持ちだから、儲かった分のギャラを一定の割合で受け取れる」
「こっちが損なんじゃないですか?」
「うちは芸能界に詳しくない、そこはシュガーに任せる。
新会社は、君の経費管理を受け持つ」
「俺が売れないと大損ですね」
「一ノ瀬社長は、聖苑さんが自分でプロデュースするなら資金を出すと言っている。
彼女が新会社の社長になって、ビジネスを経験するいい機会だと喜ばれているんだ。
サポートに、社長室の社員がつく」
「怖いです」
「一ノ瀬流通グループは上場してないから知名度はないけど、責任ある企業だ。
食品卸会社を中心に、ホテル、ショッピングモール、外食産業などグループ全体で1千人の社員がいる。
契約社員やパートタイマーを含めれば、3千人を雇用しているんだ。
新会社は100%出資の子会社になるから、君一人くらい余裕で面倒見るよ」
田中マネージャーが、聖苑に本物のお嬢様だと言った意味が解った。
我が家は、それほど裕福ではない。
そのうえ俺の下に、高校生の弟と妹がいる。
二人が進学するとなれば、家計が苦しくなるのは確実だ。
俺がいくらかでも稼いで、親の負担を減らしたい。
「お願いします」
「それでは本社に戻って、作業を進めて行きます」
……
シュガー・エンターテインメントと一ノ瀬流通グループの話し合いは、企業同士の利害を調整して完了した。
グループの子会社は聖苑の名前からガーデンズオフィスと名付けられて、品川にある東京支社に所在地が置かれた。
支社ビルの一角にオフィスが用意されて、俺は契約モデルになる。
社長は一ノ瀬聖苑、社員は以前に同行してくれた中園陽菜が指名されて、スタートすることになった。
東京支社のオフィスで、一ノ瀬流通グループの顧問弁護士が言った。
「この契約だと、事務所の取ってきた仕事に許否は出来ない。
大学を休みたくないっていう希望も、無理だろう」
「じゃあ、辞めます」
「提案だが、一ノ瀬流通グループが新しく作る事務所と契約しないか?」
「どういうことです?」
「うちの事務所と契約して、プロジェクト毎にシュガーに業務を委託する。
これなら、君の希望に沿わない仕事は許否出来る」
「向こうのメリットは?」
「一切の経費はうち持ちだから、儲かった分のギャラを一定の割合で受け取れる」
「こっちが損なんじゃないですか?」
「うちは芸能界に詳しくない、そこはシュガーに任せる。
新会社は、君の経費管理を受け持つ」
「俺が売れないと大損ですね」
「一ノ瀬社長は、聖苑さんが自分でプロデュースするなら資金を出すと言っている。
彼女が新会社の社長になって、ビジネスを経験するいい機会だと喜ばれているんだ。
サポートに、社長室の社員がつく」
「怖いです」
「一ノ瀬流通グループは上場してないから知名度はないけど、責任ある企業だ。
食品卸会社を中心に、ホテル、ショッピングモール、外食産業などグループ全体で1千人の社員がいる。
契約社員やパートタイマーを含めれば、3千人を雇用しているんだ。
新会社は100%出資の子会社になるから、君一人くらい余裕で面倒見るよ」
田中マネージャーが、聖苑に本物のお嬢様だと言った意味が解った。
我が家は、それほど裕福ではない。
そのうえ俺の下に、高校生の弟と妹がいる。
二人が進学するとなれば、家計が苦しくなるのは確実だ。
俺がいくらかでも稼いで、親の負担を減らしたい。
「お願いします」
「それでは本社に戻って、作業を進めて行きます」
……
シュガー・エンターテインメントと一ノ瀬流通グループの話し合いは、企業同士の利害を調整して完了した。
グループの子会社は聖苑の名前からガーデンズオフィスと名付けられて、品川にある東京支社に所在地が置かれた。
支社ビルの一角にオフィスが用意されて、俺は契約モデルになる。
社長は一ノ瀬聖苑、社員は以前に同行してくれた中園陽菜が指名されて、スタートすることになった。
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