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第十三章 変革
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1月第3週の日曜日、 net biz todayの新春特番が放送された。
「お嬢様、既成概念と戦う」
なかなか勇ましいタイトルだった。
一ノ瀬流通グループの社長が、娘から出されたレポートを読んでいる。
「なかなか、良く出来ている」
「でしょ。今までが古くて、固すぎなの」
「文句言うのは簡単だ、だが実現するのは難しい。
適任者がいるな、お前がやってみろ」
「いいわ。その代わり、お父様と同等の権限を下さい。
当然、予算もね」
「よかろう。社長直属のプロジェクトリーダーでいいか?」
「いいわ。メンバーはこっちで選んでいい?」
「各部署、1名ならOKだ。通達しておく」
こうして、前代未聞のプロジェクトは始まった。
「まず、去年の名刺交換会に出席したか、聞くけど」
静かに、会議は始まった。
「何で名刺交換会って、名前なの?」
「誰も名刺交換とかしてないよね」
「名刺とか持ってないパートさん達は来るなって意味かしら?」
「参加者増やしたいって言ってて、ハードル上げる意図って何?」
矢継ぎ早の質問に、あやふやな答えしか出てこない。
「まず名前を変えよう、各自今すぐ提案して。
今思いついたのを出して。全員が出すまで、続けるから」
「出さないなら、指名するわよ。総務部の原さん」
「新年顔合わせ会です」
「次、経理部の山本さん」
「新春懇談会」
全員が答えるまで、続いた。
「去年、出席したメンバーは撮影会寄りの答えが多いね」
「今日は顔合せだからここまでにするけど、今から言う10項目に全て自分の意見を考えてきて。
さっきのように、必ず全員に聞くから。
黙ってやり過ごそうとか、考えないで。
ついていけないなら言ってきて。
降りるなら、早いほうがいい」
初日の会議は、終った。
「会議はどうだった?」社長が聖苑に聞いている。
「減点を怖がって、叩き台すら出なかった。
仕方が無いので、全員に宿題出しておいた」
「部門の責任者が、厳し過ぎると文句を言ってきてる」
「文句は受けつける。ただし自分が責任者になって、会議に出るよう言っておいて」
こうして、お嬢様の挑戦が始まった。
まず名刺交換会は、ツーショット撮影会に変更することが決まった。
「お嬢様、既成概念と戦う」
なかなか勇ましいタイトルだった。
一ノ瀬流通グループの社長が、娘から出されたレポートを読んでいる。
「なかなか、良く出来ている」
「でしょ。今までが古くて、固すぎなの」
「文句言うのは簡単だ、だが実現するのは難しい。
適任者がいるな、お前がやってみろ」
「いいわ。その代わり、お父様と同等の権限を下さい。
当然、予算もね」
「よかろう。社長直属のプロジェクトリーダーでいいか?」
「いいわ。メンバーはこっちで選んでいい?」
「各部署、1名ならOKだ。通達しておく」
こうして、前代未聞のプロジェクトは始まった。
「まず、去年の名刺交換会に出席したか、聞くけど」
静かに、会議は始まった。
「何で名刺交換会って、名前なの?」
「誰も名刺交換とかしてないよね」
「名刺とか持ってないパートさん達は来るなって意味かしら?」
「参加者増やしたいって言ってて、ハードル上げる意図って何?」
矢継ぎ早の質問に、あやふやな答えしか出てこない。
「まず名前を変えよう、各自今すぐ提案して。
今思いついたのを出して。全員が出すまで、続けるから」
「出さないなら、指名するわよ。総務部の原さん」
「新年顔合わせ会です」
「次、経理部の山本さん」
「新春懇談会」
全員が答えるまで、続いた。
「去年、出席したメンバーは撮影会寄りの答えが多いね」
「今日は顔合せだからここまでにするけど、今から言う10項目に全て自分の意見を考えてきて。
さっきのように、必ず全員に聞くから。
黙ってやり過ごそうとか、考えないで。
ついていけないなら言ってきて。
降りるなら、早いほうがいい」
初日の会議は、終った。
「会議はどうだった?」社長が聖苑に聞いている。
「減点を怖がって、叩き台すら出なかった。
仕方が無いので、全員に宿題出しておいた」
「部門の責任者が、厳し過ぎると文句を言ってきてる」
「文句は受けつける。ただし自分が責任者になって、会議に出るよう言っておいて」
こうして、お嬢様の挑戦が始まった。
まず名刺交換会は、ツーショット撮影会に変更することが決まった。
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