蒼い海 ~女装男子の冒険~

灰色 猫

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第十五章 引退

12

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Japan Ladys Fashion Week autumn/winter Collectionが始まった。

TOPモデル20人に選ばれて、先行してランウェイを歩く。
これが最後のJLWだと思うと、ちょっと感傷的になった。
ステージから戻って、みんなと集合した。

みんな月奈率いるメイクチームに、仕上げられていた。
緊張と気合いが入り過ぎて、皆んなは青ざめている。
ミーティングで、奥の手を使った。

「ten strikeを使いたいって私が言い出した時、fortunaの出雲沙織や月城美雪がいいって声が有ったの。
でも、敢えて私はみんなを選んだ。
だから、みんなも覚悟を決めて」

「「はい!」」

返事は良かったが、みんな泣いている。
大至急、月奈たちがメイク直しに入った。

「真凛さん、どうせならメイク前にやってください」
月奈には怒られたけど、みんなは覚悟が出来たのか、いい顔になっている。

これは春木プロデューサーが使った手だ、あの時はfortuna研究生公演で沙保里がダシに使われた。
今度は、俺がfortunaをダシに使った訳だ。

vivacitasの出番が来て、musicが鳴り響く。
先頭で三島悠花を送り出す、続いて俺もランウェイに飛び出した。
歓声と悲鳴の中、手を振りながら歩くと脳が痺れてくる。
もっと団扇を振ってくれ。名前を呼んでくれ!

悠花とすれ違う時、彼女は満面の笑みだ。
多分、アドレナリン出まくりだろう。
ポーズを決めて、ステージを戻る。

帰りのランウェイで、飛田菜々とすれ違うが笑みは無い。
ただ真っ直ぐな視線には、力がみなぎっている。
いいね、彼女は笑わない方が魅力的だ。

私と入れ違いで、鮎川萌香が出て行く。
不敵な笑い顔が、怖い。
整った顔に浮かべた笑みが、女の怖さを表している。

控えに立っている、佐藤仁美と菅野莉々衣の素直な笑顔に癒やされる。
長畑咲桜里の飛び跳ねる仕草が、緊張を表していた。
奈々が戻って来て、俺に飛びついた。

「自分の名前を呼んでくれる人がいた。わたしの団扇も有ったの」
話を聞いた莉々衣と咲桜里が、明るい顔になった。

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