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第十六章 転身
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「社長室に呼ばれて、直々に感謝の言葉を頂いたよ」
家に帰って、聖苑に話した。
嬉しそうな顔をして、聞いている。
「わざわざ呼んで褒めてくれたって事は、プロデューサーとして認められたのね」
「そうなの?」
「父は褒める時は褒める、怒る時は怒る。変な駆け引きは、しないの。
素直に受け取れば良いよ」
「まだ店が出来た訳でもなく、成功するとも限らないけどね」
「成功するかどうかは、皆んなの問題だよ。
父はトップダウンじゃなくて、下から上がって来た話がプロジェクトになったのが嬉しかったんじゃないかな」
とすれば、娘の彼氏ではなく、プロデューサーとして認められた。
これは嬉しいことだった。
「俺は、個人として認められたのかな?」
「蒼海は真凛の時から、個人の実力で認められてるよ」
「それなら、俺が君にプロポーズしても許してくれるかな?」
「本気で言ってるの?」
「俺も駆け引きは苦手だ。大学を卒業したら、聖苑と結婚したい」
「……」
聖苑が口ごもった。
俺は彼女が座っているソファーの隣に座った。
手を取り、眼を見て話す。
「聖苑とずっと一緒にいたいんだ。
結婚して下さい」
聖苑は眼を潤ませて、真っすぐに俺を見ていた。
「私も蒼海と結婚したい。
入学式で隣に座った時から、今も変わらず好きなのよ」
瞳から溢れるほど溜まった涙を流しながら、声を詰まらせて答えた。
答えを聞いた俺は、彼女を抱きしめた。
「ありがとう、聖苑がいなかったら俺は何も出来なかった」
「蒼海がいなかったら、私だって何も出来なかった。
彼方のお陰で、父と渡り合えるようになったのよ」
正面を向き直してから、キスをした。
離れて聖苑の顔を見ると、また泣いていた。
俺が覗き込むと、笑ってから俯く。
決まったとなれば、お互いに両親に報告をする。
俺は母に電話をしたが、両親共に納得して喜んでくれた。
聖苑も両親は、賛成してくれたようだ。
4年も一緒に暮らしてるから、両家とも驚きは無い。
お正月が終わったら、両家で顔合わせがあるだろう。
俺と彼女の間の話はついた。
問題は家同士の問題だ。
一ノ瀬家は三姉妹、そのうえ聖苑は長女で父親の仕事を手伝っている。
俺も長男だ、今の時代だから大きな騒動にならないことを祈るしかない。
「ここからが戦争だよ」
聖苑が怖いことを言った。
家に帰って、聖苑に話した。
嬉しそうな顔をして、聞いている。
「わざわざ呼んで褒めてくれたって事は、プロデューサーとして認められたのね」
「そうなの?」
「父は褒める時は褒める、怒る時は怒る。変な駆け引きは、しないの。
素直に受け取れば良いよ」
「まだ店が出来た訳でもなく、成功するとも限らないけどね」
「成功するかどうかは、皆んなの問題だよ。
父はトップダウンじゃなくて、下から上がって来た話がプロジェクトになったのが嬉しかったんじゃないかな」
とすれば、娘の彼氏ではなく、プロデューサーとして認められた。
これは嬉しいことだった。
「俺は、個人として認められたのかな?」
「蒼海は真凛の時から、個人の実力で認められてるよ」
「それなら、俺が君にプロポーズしても許してくれるかな?」
「本気で言ってるの?」
「俺も駆け引きは苦手だ。大学を卒業したら、聖苑と結婚したい」
「……」
聖苑が口ごもった。
俺は彼女が座っているソファーの隣に座った。
手を取り、眼を見て話す。
「聖苑とずっと一緒にいたいんだ。
結婚して下さい」
聖苑は眼を潤ませて、真っすぐに俺を見ていた。
「私も蒼海と結婚したい。
入学式で隣に座った時から、今も変わらず好きなのよ」
瞳から溢れるほど溜まった涙を流しながら、声を詰まらせて答えた。
答えを聞いた俺は、彼女を抱きしめた。
「ありがとう、聖苑がいなかったら俺は何も出来なかった」
「蒼海がいなかったら、私だって何も出来なかった。
彼方のお陰で、父と渡り合えるようになったのよ」
正面を向き直してから、キスをした。
離れて聖苑の顔を見ると、また泣いていた。
俺が覗き込むと、笑ってから俯く。
決まったとなれば、お互いに両親に報告をする。
俺は母に電話をしたが、両親共に納得して喜んでくれた。
聖苑も両親は、賛成してくれたようだ。
4年も一緒に暮らしてるから、両家とも驚きは無い。
お正月が終わったら、両家で顔合わせがあるだろう。
俺と彼女の間の話はついた。
問題は家同士の問題だ。
一ノ瀬家は三姉妹、そのうえ聖苑は長女で父親の仕事を手伝っている。
俺も長男だ、今の時代だから大きな騒動にならないことを祈るしかない。
「ここからが戦争だよ」
聖苑が怖いことを言った。
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