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第十六章 転身
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年末の仕事納めの後、一ノ瀬の家に聖苑と帰った。
12月30日、お忍びでフィーデスが出店する予定のショッピングモールを見に行く。
年末だけに、モール内は混雑していた。
眼鏡をかけて男性なので、聖苑と一緒に歩いていても誰にも気づかれない。
一緒に買い物デートとか、真凛の時代には考えられなかった。
出店する場所は、一階の入り口右側の一等地だった。
現在は書店が入っているが、テナントの入れ替えでフィーデスになる。
年明けから工事が始まり、2月中にオープンする予定だ。
「本当に一等地だね」
「俺が寄こせって言ったから、ここになった」
「おお、開き直ってる」
「開き直らないと、やってられないよ」
現地を見届けた俺たちは、モール内の焼き菓子工房でアップルパイを買った。
送迎の車に乗って、一ノ瀬の家に帰宅する。
ゴルフから帰って来た一ノ瀬社長と、家族みんなで鍋料理を囲む。
お酒を飲みながら、社長が話し始めた。
「今日、うちの契約プロの出利葉花蓮がvivacitasの服を褒めていた。
ゴルフウエアを出して欲しいようだ」
「プロモデルは難しいですね、ノウハウの塊ですから。
うちがデザインをして、スポーツメーカーに作って貰えば可能ですが」
「ジョイントなら可能ってことか」
「リスクは小さくなる分、利益は薄くなります」
「簡単には、いかないな」
「検討する価値は有りそうです」
「お二人、食事中に仕事の話をするのは禁止です」
奥様から、注意された。
「ああ、悪かった。
蒼海君が男性に戻ってから、味方が増えた気になっていたよ」
「あら、今までは敵ばかりだったのかしら?」
流石の社長も、奥様にはかなわない。
「プロデューサーになってから、社長とお話をすると参考になることが多いんです。
食事中は控えますけど」
助け舟を出しておく。
「蒼海さん。この家では社長は止めて、義父様の方がよろしくてよ」
藪蛇だった。
「お母様、許してあげて。蒼海さんも、少しずつ家族になって行くから」
聖苑が一言で、この場を収めてくれた。
12月30日、お忍びでフィーデスが出店する予定のショッピングモールを見に行く。
年末だけに、モール内は混雑していた。
眼鏡をかけて男性なので、聖苑と一緒に歩いていても誰にも気づかれない。
一緒に買い物デートとか、真凛の時代には考えられなかった。
出店する場所は、一階の入り口右側の一等地だった。
現在は書店が入っているが、テナントの入れ替えでフィーデスになる。
年明けから工事が始まり、2月中にオープンする予定だ。
「本当に一等地だね」
「俺が寄こせって言ったから、ここになった」
「おお、開き直ってる」
「開き直らないと、やってられないよ」
現地を見届けた俺たちは、モール内の焼き菓子工房でアップルパイを買った。
送迎の車に乗って、一ノ瀬の家に帰宅する。
ゴルフから帰って来た一ノ瀬社長と、家族みんなで鍋料理を囲む。
お酒を飲みながら、社長が話し始めた。
「今日、うちの契約プロの出利葉花蓮がvivacitasの服を褒めていた。
ゴルフウエアを出して欲しいようだ」
「プロモデルは難しいですね、ノウハウの塊ですから。
うちがデザインをして、スポーツメーカーに作って貰えば可能ですが」
「ジョイントなら可能ってことか」
「リスクは小さくなる分、利益は薄くなります」
「簡単には、いかないな」
「検討する価値は有りそうです」
「お二人、食事中に仕事の話をするのは禁止です」
奥様から、注意された。
「ああ、悪かった。
蒼海君が男性に戻ってから、味方が増えた気になっていたよ」
「あら、今までは敵ばかりだったのかしら?」
流石の社長も、奥様にはかなわない。
「プロデューサーになってから、社長とお話をすると参考になることが多いんです。
食事中は控えますけど」
助け舟を出しておく。
「蒼海さん。この家では社長は止めて、義父様の方がよろしくてよ」
藪蛇だった。
「お母様、許してあげて。蒼海さんも、少しずつ家族になって行くから」
聖苑が一言で、この場を収めてくれた。
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