蒼い海 ~女装男子の冒険~

灰色 猫

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第十七章 決断

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「蒼海君が娘壻だからと差別されたり、奇異な目で見られる事はない。
婿入りした俺が言うんだ、信用して欲しい」

最後に特大の爆弾発言だ。
俺の両親も余りの驚きに押し黙った。

「先代社長が大した経営者ではないと謙遜されたが、それは違う。
社長が蒔いた種が、俺の時代に花が咲いたんだ。
一から俺が作り上げた訳じゃない」

「判ります。私がsolemnityでやったことも、元々はみんながやりたがってた事でした。
私は、まだ何も成し遂げていません」
一ノ瀬社長の話に同調して、自分の気持ちを話した。

「君には、洋々とした未来がある。
目の前の事を一生懸命にやっていれば、結果は後からついてくるだろう。
蒼海君のご両親には、納得頂けただろうか?」

「私たちは、少し先走り過ぎていたようです。
二人の結婚と蒼海の婿入りには、何も異議はありません。
将来の事は、二人に任せることにします」
一ノ瀬社長の質問に答える形で、父が俺の結婚を認めてくれた。

「蒼海、ごめんね。
父の事を前もって話すと、プレッシャーになる気がして言えなかった。
蒼海が決断してくれた後、いつ言おうか迷ってたんだ」
聖苑は、やっと話せてホッとしたようだ。

「謝らなくていいよ。
話を聞いてなかったから、何の影響も受けずに決断で来たんだ」
俺は、聖苑をかばった。

「さあ皆さんが納得頂くまで話し合ったところで、二人の為に婚約のお祝い料理を用意しております。
座敷に席を設けておりますので、そちらに移動ください」

奥様の案内によって、座敷に案内される。
部屋に入ると、テーブルに懐石料理のお重が並んでいた。
話し合いに参加していた全員と沙織、陽彩、沙綾が席につく。
奥様とお手伝いさんがビールやソフトドリンクを配って、みんながグラスに注いだ。

「蒼海君、聖苑ちゃん、おめでとう。
二人と両家の益々の幸せを願って、乾杯!」
一ノ瀬社長の頼みに応えて、聖苑の祖父が乾杯の発声をした。

「「乾杯」」
皆が答えて、グラスを掲げる。
俺の父親と聖苑の父親が静かにグラスを合わせてから、ビールを飲んでいる。

「やっと、第一関門突破だね」「ああ、何とかな」
俺と聖苑は顔を見合わせて、呟いた。


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