【完結】 悪女は今日もパンを焼く 【R18】

灰色 猫

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「国に帰って着方が分からなくなったら、この動画を観てください」

タンクトップにショートパンツ姿の私に、母が浴衣を着せていく。
それをみんなが、スマホで動画を撮っていた。

レッスンは、浴衣についての説明から始まった。
温泉などにある寝巻き、湯上がり着としての浴衣と、夏の衣装としての浴衣の違い。
浴衣がドレスコードのレベルで、ホームパーティーや街歩きくらいが適当だと説明した。

ここから、実際に着てみる。
先ずは、母が全員に着せてみた。

「こんな立派な浴衣って、有ったんだ」
私が大学生の頃着ていた浴衣を、母が柳田亜紀に着せた。
彼女が持って来た浴衣とは、明らかに違う。
二人のアメリカ人も、嬉しそうに、姿見を見ていた。

せっかくなので、ご主人たちに見てもらう。
みんな一斉に、撮影会になる。
高代氏はスマホを受け取って、カップルを撮影するカメラマンになっていた。

「さあ、これから自分で着られるように、頑張りましょう」

ここから、女性だけで2時間ほど練習した。
習うより慣れろ、昔から言われていることだ。
やっているうちに、覚える。
帯の結び方は、実践あるのみだ。
何度も繰り返すうちに、覚えていく。

「明日は、一から自分で着てもらいます。
今日のうちに、分からない事は聞いてください」

着ては脱ぎ、着ては脱ぎを繰り返す。
亜紀は、自分の浴衣をほぼ一人で着る事が出来ていた。

エヴァリンは、帯の結び方が後一歩まできている。
後は慣れる事が、必要だな。

1日めのレッスンが終った。
みんな脱ぐのが、残念そうだ。

私は、浴衣から紬の着物に着替えた。
彼が買ってくれた大島紬に、母がくれた博多帯を締める。
シックな紬に、派手な帯が映える。
母も用意してきた大島紬を着ていた。

「お揃いのお着物が素晴らしいです、って言ってますよ」
亜紀が、みんなの通訳をしてくれた。
 
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