不可抗力で聖女になった私の転生物語

凪ルナ

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第一章 目覚めとあけの森

第一話 近所の子供たち

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 今日も今日とて、家のお手伝いなどをして空いた時間、近所に住む私たちは集まって何をするか話し合っていた。

 「なあなあ!今日は騎士と泥棒にしようぜ!」

 そう言って私たちに提案するのはケイン。明るいテラコッタ色の髪を跳ねらせたハシバミ色の目のケインはやんちゃで元気で、歳は私の一個上で私たちのムードメーカーでもある。

 「えー、またぁ?ケインそればっかり~」

 ケインに対して口を尖らせて文句を言うのはララ。ララは、柔らかさを感じさせる香色こういろのショートボブの髪に、それより少し明るい伽羅色きゃらいろの目のちょっとおませな可愛らしい女の子だ。私の同じ歳のララは人形遊びとか草原でお花を摘んだりとかが好きな女の子だから、騎士と泥棒のような走り回る遊びはあまり好きではないのだ。
 ちなみに、騎士と泥棒っていうのは、ケイドロとかドロケイとか言われていた遊びとよく似ている。チーム分けをして牢屋を決めて、騎士が泥棒を捕まえて、泥棒は仲間にタッチされると脱獄出来るっていうのがルールだ。
 まあ、ララが文句を言う気持ちも分かる。ここ数日、騎士と泥棒をやっていたから。

 「そうだなあ、三日も騎士と泥棒だったし、今日は別の遊びにしない?」

 そう二人を仲裁したのはディランだった。ディランは私たちの中で一番年上のお兄ちゃんで、黒髪に柔らかな印象の紅梅色こうばいいろの目で、私より二つ年上の穏やかな印象を受ける男の子だ。

 「そうね、今日は他の遊びにしましょう」

 ディランに同意したのはマリ。オーキッド色の長い髪にヘリオトロープ色の目を持つ女の子で、ディランと同じ歳で優しげなお姉さんの雰囲気を持っている。

 「それなら、僕はボール遊びがいいなあ」

 そう言ったのは、ヘンリーだった。ヘンリーは小麦色の髪に飴色の目の私の一個下の男の子。ちょっと大人しめだけど、笑うと可愛い、弟みたいな子だ。

 「うーん、ボール遊びは……」
 「そうね、ちょっと……」

 ディランとマリがヘンリーの提案に言葉を濁した。
 二人が渋るのには理由があった。

 「ロゼは何かしたい遊びはある?」

 そう、声をかけられたのは私、ロゼリアである。
 そして、声をかけてきたのは、ラスという男の子。私と同じ歳の男の子で、歳の割には落ち着いた雰囲気を持っていて、抹茶色の髪に青緑色の目の物腰の柔らかな優しい男の子である。ラスには弟がいて、珊瑚色の髪にラスより少し薄い青緑色の目を持つ、私の一個下でテオという。人懐っこくて可愛い子で、よくラスに引っ付いて遊びに来ていて、今も私の様子を伺っていた。

 そうそう、ディランとマリがボール遊びに渋る理由は私にあった。つい最近のことだ。ボール遊びをしていた時、ケインの投げたボールが私の頭にあたってその衝撃で私が気絶したからだ。

 その時に私は前世の記憶を思い出していた。




 
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