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知らなかった君へ、救われた僕は
プロローグ
しおりを挟む街外れにあるログハウスには男が2人。
部屋の奥、パチパチと薪が爆ぜる音がする。
その音が聞こえる傍、暖炉の横のテーブルで、黒髪黒目に堅苦しい顔をした男を眺める、茶髪にグレーの瞳をした柔和な男がいた。外に吹雪く突き刺すような寒さが和らぐ室内、目の前でパンをちぎる手元を見ていた男――ルーシアは自分が作った手料理を食べすすめるクロンウェルに声をかけた。
「ねぇ、クロ。いつもよりちょっと豪華なご飯美味しい?」
「ん」
「よかった。これも君が僕らの貯金に沢山お金入れてくれたからだよ。ありがとう」
「ん」
「ほら、見てよこのパン、全然硬くなってないんだよ。このベーコンもいつもよりちょっとだけ厚くしてみたんだ。君も今日くらいはこの特別な夜ご飯、良いと思うよね?」
「ああ」
「そっか。よかった。安心したよ」
「……ご馳走様。今日も美味かった」
「うん。ありがとう」
食事を手早く終えたクロンウェルはルーシアからの問いかけへ言葉少なに返し、手にしていたホットワインのカップを置いた。そして、直ぐに立ち上がり早々に部屋に戻ろうと足を動かす。ここ数日は何かに追われるように自室に籠りきりだったのに更にまだ籠るつもりのようだ。走るように逃げ出す彼が吐き出すため息は、彼の体に疲労が溜まっていることを指している。
そんな彼の仕草を見ても、今彼がここに居ないような気もそぞろな言葉を聞いても、ルーシアはクロンウェルを引き止めることはない。
血色の悪い顔をしたクロンウェルに伸ばそうとした手は握り拳のまま机の下に隠されていた。
「ルー、分かりきっているだろうが今日も俺の部屋覗くなよ」
彼の部屋の扉が閉じられる。ここからは彼も僕も1人の時間になるのだ。
「うん。分かってるよ」
ルーシアは下を向いてクロンウェルに応えた。
ルーシアはクロンウェルの部屋に疲れるような隠し事を持っているのだと知っている。同居人としてその隠し事を知る権利がない訳では無いとも分かっている。
だが、ルーシアにはその秘密を聞く勇気がなかった。
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