続・陰陽神(いよかん)とポンの不思議な冒険

マシュー

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第二十一話

白虎降臨

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ソウコウは柱に両手を当てると何やら念仏のように唱え始めた。

「ネーウーシートーラーウー、ターツーミーウーマーヒーツージー、サールートーリーイーヌーイー、ネーウーシートーラーウー、ターツーミーウーマーヒーツージー、サールートーリーイーヌーイー、ネーウーシートーラー~~ァ。」

ソウコウは念仏を唱え終わると、今度は柱に付けていた両手を離し、大きく腕を広げると勢いよく顔の前でパンッ!と手叩くと「白虎降臨‼︎」と叫んだ。

その瞬間、柱が全体が、ピカーーッ‼︎と青白い光りに包まれ、眩しいほどに輝き始めた。

「うわー!眩しくて目が開けられないにゃ!」
りりは両手で目を覆った。

「なんかこの感じ前にもあったような。」
そう言いながらポンも両手で目を覆った。

「あっ!そうだにゃ!鳳凰様の時と似てるにゃ!」

「あっ!それだ!あの時と似てる!」

すると、上から下へと、まるで氷の膜が溶けていく様に、徐々に柱の光は消えていった。それと同時に地面には冷たくて白いスモークが広がり漂っている。

「しかし一体何が起きたんだにゃ?!」
りりは突然の出来事に混乱している。

「すごーい!この白い煙おもしろーい!」
対してポンは、この状況を楽しんでいる。

すると、白い煙の中からゆっくりと、何か大きな物体が姿を現した。

「にゃー‼︎ 出たにゃー‼︎」
喜んでいるのか驚いているのか分からないリアクションで、りりはその物体に指を指した。

そこに現れたのは、『伊予ノ国の守護神・四神獣・陰陽神の白虎』だった。



「お久しぶりぶりです、白虎様。」
ソウコウは白虎の前に片膝を付き頭を下げた。

「あぁ、久しぶりだなソウコウよ。良いから頭を上げよ。」

「ありがとうございます。」

「お前が俺を直接呼んだ理由は分かっている。」

「はい、急を要していまして。」

「何の因果か。丁度先日、アイツが『生き地獄』から脱走したそうだ。」

「そうなんですか?!でもそう簡単には『生き地獄』は抜けられないのでは?」

「そうなんだがな。どうやってあの門を開けたのかは定かではないが、千手様が仰るには、前に金長との戦いの後、狛犬らが『地獄の門』を『天国の門』と間違えた事が原因ではないかということだ。」

「なるほど。しかしタマモが出てきているのならむしろ好都合。」

「あぁ、その通りだ。」


するとリリがソウコウの後ろからひょっこり顔を出してきた。
「あ、あの~、白虎様ぁ。オイラの事覚えていますかにゃ?」

「ん?お前は。誰だったかな?」


「ズコーッ!」
りりはソウコウの後ろからズッコケた。

「そ、そうだにゃ。あの時もオイラが一方的に見ていただけですもんにゃ。覚えてるワケ・・・。」

「冗談だよ。あの時、金長との戦いの時に応援してくれていたよな。」

「えっ?!覚えててくれたんですかにゃ~~‼︎嬉しすぎるにゃ~~‼︎」

「りりは白虎様の事が大好きだからねぇ。良かったね!」

「お前の想いはちゃんと届いているよ。ありがとうな。だからこそ俺も力になりたいと思ったのだよ。さぁ悪狐タマモについて俺が知っている事を全て話そう。そして、これはマツヤマ家、そしてヨーコにも関わる話だ。」

「僕たちにも関係がある話?まさか!」
ジョーは目を見開き口を押さえた。

「私にも関係がある話って何だろう?まさか!」
ヨーコも目を見開き口を押さえた。

「あぁそうだ、もっと言うと、俺もこの話に関係している。だから尚更他人事ではないのだ。良いか?心して聞くんだぞ。これが真実だ。」

白虎は、悪狐タマモについて詳しく話し始めた・・・。




~白虎編終わり紅虎編に続く~













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