23 / 33
第二十一話
白虎降臨
しおりを挟む
ソウコウは柱に両手を当てると何やら念仏のように唱え始めた。
「ネーウーシートーラーウー、ターツーミーウーマーヒーツージー、サールートーリーイーヌーイー、ネーウーシートーラーウー、ターツーミーウーマーヒーツージー、サールートーリーイーヌーイー、ネーウーシートーラー~~ァ。」
ソウコウは念仏を唱え終わると、今度は柱に付けていた両手を離し、大きく腕を広げると勢いよく顔の前でパンッ!と手叩くと「白虎降臨‼︎」と叫んだ。
その瞬間、柱が全体が、ピカーーッ‼︎と青白い光りに包まれ、眩しいほどに輝き始めた。
「うわー!眩しくて目が開けられないにゃ!」
りりは両手で目を覆った。
「なんかこの感じ前にもあったような。」
そう言いながらポンも両手で目を覆った。
「あっ!そうだにゃ!鳳凰様の時と似てるにゃ!」
「あっ!それだ!あの時と似てる!」
すると、上から下へと、まるで氷の膜が溶けていく様に、徐々に柱の光は消えていった。それと同時に地面には冷たくて白いスモークが広がり漂っている。
「しかし一体何が起きたんだにゃ?!」
りりは突然の出来事に混乱している。
「すごーい!この白い煙おもしろーい!」
対してポンは、この状況を楽しんでいる。
すると、白い煙の中からゆっくりと、何か大きな物体が姿を現した。
「にゃー‼︎ 出たにゃー‼︎」
喜んでいるのか驚いているのか分からないリアクションで、りりはその物体に指を指した。
そこに現れたのは、『伊予ノ国の守護神・四神獣・陰陽神の白虎』だった。
「お久しぶりぶりです、白虎様。」
ソウコウは白虎の前に片膝を付き頭を下げた。
「あぁ、久しぶりだなソウコウよ。良いから頭を上げよ。」
「ありがとうございます。」
「お前が俺を直接呼んだ理由は分かっている。」
「はい、急を要していまして。」
「何の因果か。丁度先日、アイツが『生き地獄』から脱走したそうだ。」
「そうなんですか?!でもそう簡単には『生き地獄』は抜けられないのでは?」
「そうなんだがな。どうやってあの門を開けたのかは定かではないが、千手様が仰るには、前に金長との戦いの後、狛犬らが『地獄の門』を『天国の門』と間違えた事が原因ではないかということだ。」
「なるほど。しかしタマモが出てきているのならむしろ好都合。」
「あぁ、その通りだ。」
するとリリがソウコウの後ろからひょっこり顔を出してきた。
「あ、あの~、白虎様ぁ。オイラの事覚えていますかにゃ?」
「ん?お前は。誰だったかな?」
「ズコーッ!」
りりはソウコウの後ろからズッコケた。
「そ、そうだにゃ。あの時もオイラが一方的に見ていただけですもんにゃ。覚えてるワケ・・・。」
「冗談だよ。あの時、金長との戦いの時に応援してくれていたよな。」
「えっ?!覚えててくれたんですかにゃ~~‼︎嬉しすぎるにゃ~~‼︎」
「りりは白虎様の事が大好きだからねぇ。良かったね!」
「お前の想いはちゃんと届いているよ。ありがとうな。だからこそ俺も力になりたいと思ったのだよ。さぁ悪狐タマモについて俺が知っている事を全て話そう。そして、これはマツヤマ家、そしてヨーコにも関わる話だ。」
「僕たちにも関係がある話?まさか!」
ジョーは目を見開き口を押さえた。
「私にも関係がある話って何だろう?まさか!」
ヨーコも目を見開き口を押さえた。
「あぁそうだ、もっと言うと、俺もこの話に関係している。だから尚更他人事ではないのだ。良いか?心して聞くんだぞ。これが真実だ。」
白虎は、悪狐タマモについて詳しく話し始めた・・・。
~白虎編終わり紅虎編に続く~
「ネーウーシートーラーウー、ターツーミーウーマーヒーツージー、サールートーリーイーヌーイー、ネーウーシートーラーウー、ターツーミーウーマーヒーツージー、サールートーリーイーヌーイー、ネーウーシートーラー~~ァ。」
ソウコウは念仏を唱え終わると、今度は柱に付けていた両手を離し、大きく腕を広げると勢いよく顔の前でパンッ!と手叩くと「白虎降臨‼︎」と叫んだ。
その瞬間、柱が全体が、ピカーーッ‼︎と青白い光りに包まれ、眩しいほどに輝き始めた。
「うわー!眩しくて目が開けられないにゃ!」
りりは両手で目を覆った。
「なんかこの感じ前にもあったような。」
そう言いながらポンも両手で目を覆った。
「あっ!そうだにゃ!鳳凰様の時と似てるにゃ!」
「あっ!それだ!あの時と似てる!」
すると、上から下へと、まるで氷の膜が溶けていく様に、徐々に柱の光は消えていった。それと同時に地面には冷たくて白いスモークが広がり漂っている。
「しかし一体何が起きたんだにゃ?!」
りりは突然の出来事に混乱している。
「すごーい!この白い煙おもしろーい!」
対してポンは、この状況を楽しんでいる。
すると、白い煙の中からゆっくりと、何か大きな物体が姿を現した。
「にゃー‼︎ 出たにゃー‼︎」
喜んでいるのか驚いているのか分からないリアクションで、りりはその物体に指を指した。
そこに現れたのは、『伊予ノ国の守護神・四神獣・陰陽神の白虎』だった。
「お久しぶりぶりです、白虎様。」
ソウコウは白虎の前に片膝を付き頭を下げた。
「あぁ、久しぶりだなソウコウよ。良いから頭を上げよ。」
「ありがとうございます。」
「お前が俺を直接呼んだ理由は分かっている。」
「はい、急を要していまして。」
「何の因果か。丁度先日、アイツが『生き地獄』から脱走したそうだ。」
「そうなんですか?!でもそう簡単には『生き地獄』は抜けられないのでは?」
「そうなんだがな。どうやってあの門を開けたのかは定かではないが、千手様が仰るには、前に金長との戦いの後、狛犬らが『地獄の門』を『天国の門』と間違えた事が原因ではないかということだ。」
「なるほど。しかしタマモが出てきているのならむしろ好都合。」
「あぁ、その通りだ。」
するとリリがソウコウの後ろからひょっこり顔を出してきた。
「あ、あの~、白虎様ぁ。オイラの事覚えていますかにゃ?」
「ん?お前は。誰だったかな?」
「ズコーッ!」
りりはソウコウの後ろからズッコケた。
「そ、そうだにゃ。あの時もオイラが一方的に見ていただけですもんにゃ。覚えてるワケ・・・。」
「冗談だよ。あの時、金長との戦いの時に応援してくれていたよな。」
「えっ?!覚えててくれたんですかにゃ~~‼︎嬉しすぎるにゃ~~‼︎」
「りりは白虎様の事が大好きだからねぇ。良かったね!」
「お前の想いはちゃんと届いているよ。ありがとうな。だからこそ俺も力になりたいと思ったのだよ。さぁ悪狐タマモについて俺が知っている事を全て話そう。そして、これはマツヤマ家、そしてヨーコにも関わる話だ。」
「僕たちにも関係がある話?まさか!」
ジョーは目を見開き口を押さえた。
「私にも関係がある話って何だろう?まさか!」
ヨーコも目を見開き口を押さえた。
「あぁそうだ、もっと言うと、俺もこの話に関係している。だから尚更他人事ではないのだ。良いか?心して聞くんだぞ。これが真実だ。」
白虎は、悪狐タマモについて詳しく話し始めた・・・。
~白虎編終わり紅虎編に続く~
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる