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14ユーゴ気づく
しおりを挟む俺はまずセリーヌの様子を知るために盗聴器を仕掛ける事にした。
そう、あくまで兄の本性を暴くためだ。
彼女を守ろうとかそんなつもりじゃない。
そして朝、セリーヌを待ち構えて近づきイヤリングを無理やり付けた。
彼女は疑いながらもそれを受け取ってくれた。
なぜかほっとしたような気がして峰の奥がくすぐったい。
いや、きっと振れたこともない女に触れたせいだ。
それにしても少し強引すぎたか?
そんな事を考えながら早速、魔道部で教室の様子を探る。
あっ、ちなみに俺はすでに卒業までのすべての課題を済ませてるので授業は免除されている。
神殿で神粋の儀式で決まった婚約者もいないので午後の授業も受ける義務もない。
そのおかげでここ最近は魔道局に入り浸って研究に没頭で来ていた。
でも、事情が変わった。
オデロの実態を暴きだしてやろうって決めたからだ。
想えば
セリーヌはすぐにあいつ(オデロ)に言いがかりをつけられていた。
何様なんだよ。自分が悪い癖に人によくあんな事が言えるな。
でもセリーヌは負けずに言い返し午後の訓練でアーネとかいう奴と組めと提案した。
いいじゃないか。そんな事情なら俺が訓練でセリーヌと組んでもいいんじゃないか?
俺は学園で魔力を披露したことはなかったが、これでも魔同局の先輩に指導してもらっている。
魔同局の奴らはみんな魔力が強い。<真実の愛>に選ばれた選りすぐりが多いからな。
そんな訳で俺は雷魔法をかなりうまく使いこなせるまでになっていた。
みんなに俺の実力を知られるのは少し抵抗があるがそれよりなによりセリーヌがこれだけ頑張ってるんだと思うと何か手伝いたいと思った。
いや、そうじゃない。
俺はオデロに痛い思いをさせたいからセリーヌに協力するだけだ。
訳の分からない感情が脳内で沸き上がるのを無理やり押し込んだ。
ランチに行ってセリーヌにそっと近づいた。
俺と組まないかって何気ない風を装って話した。
どうして知ってるのと聞かれてちょっと焦った。
まさか盗み聞きしたと言えるわけもなく。
彼女が何が好きかどうしてわかるんだ?と思いながらもサーモンのソテーをセリーヌの皿に入れる。
ベリーのタルトだって好きだったよな。
友人のマリーズとラバンの悩みに素っ気なく意見を言ってみたり四人で一緒にランチを取った。
結構楽しい。いや、すごく楽しいじゃないか。
ふっと楽しそうに笑ったセリーヌが眩しい。
午後の訓練に一緒に行って皆の様子を眺めた。
大体やることはわかった。
オデロがうるさい。それにあの女。くねくね何だあれは?おまけにセリーヌに嫌味な事ばかり言って。
おまけに俺にまで声を掛けてきやがった。くそだ。
潰すか。いや、それはだめだろう。
セリーヌを見ると唇が傷ついていた。
思わず指先でなぞってしまう。
指先がチリチリして妙に心臓がぞわぞわして俺はすぐに手を引っ込めた。
そしていよいよ俺達の出番が来た。
俺は渾身の力を込める。
オデロ見てろよ。お前になんか負けてたまるかって。
でも、予想以上に力が入って稲妻が大きく広がって行く。
まずい。もしセリーヌに怪我でもさせたら。そんな気持ちが沸き上がってそわそわしながらセリーヌを見た。
彼女は真剣な顔で一生懸命魔力を練り込んでいる。
手のひらで増幅させる光は力強く輝きを増して行く。
これならきっと行ける。
そう確信した。
セリーヌが手の繰り出し光の玉を押し出す。
みるみるうちの俺の稲妻を包み込んで行く。
美しい光の渦が二色の金色の光が絡み合い混じり合っていく。
こんな美しい光は見たことがないと思わせるほどでそれが最大まで大きくなったと思ったら見事に浄化されて稲妻が消え去った。
すごい。ただ凄いと思った。
彼女の力は何なんだ?
こんな浄化の魔力があったなんてすごい。
俺はセリーヌの魔力に圧倒された。
そしてオデロの出番。あいつはあのくねくね女と仲良くいちゃついて。
あいつの魔力がさく裂した。
俺の次でかなり意気込んだみたいだ。
そこにあの女がしょぼい魔力を放った。
おいおい、あれ大丈夫か?
そんな事を思っているうちに火が大きく燃え広がり始めた。
まずいぞ。
俺は雷魔法だからな。
水魔法の奴はどこだ?
そんな事を想っているとセリーヌが魔力を練ってそれを火にめがけて放った。
燃え上がった火はセリーヌの浄化魔法で消化された。
やっぱりすごいなセリーヌは。
えっ?うそだろセリーヌ真っ青だろ。おい、震えてるじゃないか。
おいおい、待ってくれ倒れる気か?
俺はとっさにセリーヌを抱き留めた。
良かった。間に合った。
いや、大変だ。
きっと魔力切れだ。
俺は急いですぐ隣にある魔道局にセリーヌを運び込んだ。
しっかりしろ!
俺が助けるから!
俺がお前を守るから!
俺はセリーヌを抱きながら心の中で叫んでいた。
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