ピリ辛×ちょい甘+コク=猛愛?一夜を共にしたからっておかしくありません?

はなまる

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15これは前世で言えばセクハラじゃないです?それにリント聞いてない!

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  マクフォール管理官の唇が開く。

 「ミルフィ‥きれいだ。どうだ?婚約が破談になったと聞いたが俺と付き合ってみないか?」

 今なんて?空耳だろうか?ドルトに振られてからリントと言い、マクフォール管理官と言い見目のいい男に言い寄られるなんて?

 「ま、まさか‥冗談はやめて下さい管理官!」

 そうだよ。これって前世で言えば完璧セクハラだからね!!



 「冗談で言えるか?いい大人がそんな事‥なっ、大人の付き合いをしてみる気は‥」

 ふっと緩んだ口元。傾く上半身。目の前に被さるマクフォール管理官の顔が‥

 一瞬どうすればと動揺するが、すぐに脳内で上司との深い関係はÑGだ!

 「管理官!いい加減にして下さい。上司の権限を振りかざして横暴です!」

 私は一歩下がり管理官の接近を阻止する。

 「はっ?ミルフィ。君は自分の立場が分かってるのか?俺は伯爵で君は?」

 優しかった雰囲気からマクフォール管理官の眉が吊り上がる。

 「だとしても、それは横暴です!」

 「横暴だって?」

 管理官はばかにしたような笑いを浮かべながら私に迫って来る。

 うわっ、どうすれば?



 「おい、何してる?」

 驚いたマクフォール管理官がバランスを崩しそうになって思わず私は手を差し出してしまう。

 チッ!放っておけばよかった。

 さっと私たちの間に何かが割り込んだ。

 「げっ!リント?どうしてあなたが?こんな所あなたが入って来れるような場所じゃないのに!」

 だって政務課のさらに奥は王宮に続いているので一般の人は立ち入り禁止なのだ。



 「そうでもないんだ。一応国王に挨拶をしておくべきかと思ったから‥あっ、俺、一応ピュタール国の第二王子だから」

 えっ?今なんて?ピュタール国の第二王子って言いました?

 リントはいきなりものすごい事をしれっと言ってのけた。





 その時、ビシッと姿勢を正した管理官が前に進み出た。

 「これはそうでしたか。ピュタール国の第二王子とは。私はガズル・マクフォールと言います。ミルフィさんとは同じ職場で管理官をしています。どうぞよろしくお願いします」

 管理官。変わり身早くありません?

 「ああ、ミルフィがお世話になっておます。言っておきますが彼女は私の伴侶となるべき女性ですので今後の対応はくれぐれも気を付けて下さい」

 最期の言葉、物凄い威圧がこもってましたけど。

 「リント。いつ私が貴方の伴侶にな!うぐぐぐぐ‥」

 リントが口を塞いだので最期まで言わせてもらえなかった。




 やっと二人きりになると私はリントに尋ねた。

 「リント、私を騙してたのね?」

 「はっ?どういうことだ。俺はお前を騙してなんかないぞ」

 「だってピュタール国の王子だなんて聞いてないわよ!」

 「名乗ったはずだ。まあ、正式にはリント・アル・フォン・ヴァルデマルだけど。普通ヴァルデマルと聞けばピュタール国の竜帝の近しい者と分かるはずだろう?」

 知らなかった。

 「ふん!どれだけうぬぼれてるのよ。誰も彼もあなたがピュタール国の王子だなんてわかるとでも思ってるわけ?」

 「いや、それはそうだけど‥騙すつもりなんかなかった。ああ、でも俺がそんな立場だと分かって良かったかもな。これで正式に俺の婚約者って事でいいだろう?」

 「私、そんなの興味ないから。当分結婚する気もないし、あっ、セフレすら作る気もないので」

 「セフレ?何だそれ?」

 「男女が睦みあうだけの関係ってやつ。リントも好きでしょ?でも私は無理だからね」

 「誰がそんなつもりだと?俺はお前を生涯の伴侶にすると言ってるんだ。ったく。どうしてお前は俺の気持ちをわかろうとしないんだ?」

 「あら、わかるつもりもないから、さあ、私まだ仕事があるから。リントも帰ってお手伝いよろしく」

 私はリントを置いてさっさと庶務課に戻って行った。



 庶務課に戻るとマクフォール管理官が近付いて来た。

 「ミルフィさん、さっきは悪かった。でも、さっきも言ったけど君の力を貸して欲しい。俺の領地で病で苦しんでいるものがたくさんいてどうしても君の力が必要なんだ」

 「そう言うことなら協力します。でも、さっきのようなことはしないと誓ってもらえます?」

 「ああ、もちろんだ約束する」

 「わかりました」

 「ありがとう。じゃ、今度の休日に伯爵領にまで足を運んでもらえるか?もちろん馬車は落ちらで用意するし夕方までに帰れるので安心して欲しい。まあ、その分朝は少し早く出発する事になると思うが‥」

 「構いません。時刻がはっきりしたら教えて下さい。準備しておきますので」

 「ああ、わかった。また連絡する」

 管理官は何もなかったかのようにまた執務に戻った。





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