シャロンはまたしても気づいていなった本物のジェリーフィッシュを見失った事に

はなまる

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 レックスはわたしの肩を抱くとゆっくり歩いた。腕の傷はまだ痛かった。

 レックスにもたれながらも、頭の奥で思い出すのは、彼のことばかりだった。

 昨日タトゥーが切り裂かれたけど、今度は前よりもっと深く結ばれたなんて言ったジェリー。とんでもないわ。二度とあなたとなんか結ばれるつもりはありませんから…シャロンは何度もそう言い聞かせながらレックスの車まで歩いた。


 「痛むのか?助手席に座れる?」

 「ええ、大丈夫よ。痛みはそのうちにおさまるって言われてるから…」レックスの車を見て驚いた。彼こんな車に乗ってるの?シボレーインパラ…またド派手な車に…

 「驚いた?車にはちょっとうるさいんだ」

 「ううん、こだわりがあるっていい事よ」これってかなり高いのよね…そんなことを考えながらもわたしはレックスが開けてくれた助手席に乗り込んだ。

 革の匂いとこれって…レックスのコロンの香りかしら?ムスクと革のにおいが混じってなんだかセクシーな雰囲気満点って感じ…知っている彼からはちょっと意外な気がした。

 でも好みは自由だし、車にお金をかける人はいくらでもいるもの。

 シャロンは心地いい革のシートに体をうずめた。




 「さあ、どこで食事したい?病院の食事ばかりにはもう飽きただろう?」

 「ええ、当分病院食はお断りだわ。そう言えばレックスもでしょう?入院してたんだもの」

 「ああ、特にお腹を切るとさすがにわがままは言えないよな」レックスが笑ったのでわたしもつられて笑った。

 「何でもいいわ。レストランで出される料理なら」

 「じゃあ、任せてくれ」彼は車を出した。



 そしてフォーシーズンズのホテルに入ろうとした。

 「レックスこんな所じゃなくていいわ」シャロンは慌てて彼を止めた。

 「心配しなくていいよ。僕のおごりだ」

 「じゃあ、なおさらよ。もうプレゼントはもらったわ。じゃあわたしのアパートメントに帰って食事にしない?簡単にサンドイッチくらいならすぐに作れるし…」

 「まあ、君がそう言うなら」レックスはホテルの前を通り過ぎるとアッパーマンハッタンの自宅に車を走らせた。途中でスーパーマーケットによって食材を買い込んだ。

 たくさん買ったので50ドルほどになった。いざお金を払うときになって彼が払うと言いわたしが払うともめた。彼はどうしても出すと言ってきかないので、半分ずつ出すことになった。

 わたしは今まで男の人にお金を払ってもらうことはあまりなかった。そのせいかレックスの申し出がうれしかった。


 これがジェリーだったら…ありえないわ!



 アパートメントの前に着くとレックスはわたしをおろして荷物を運んでくれた。何回か4階にある自宅まで階段を往復する羽目になったが彼は喜んでそれを引き受けてくれた。



 わたしはまたレックスとジェリーを比較していた。ジェリーは頼めば荷物を運んでくれた。でもレックスはわたしが頼む前から当たり前のように荷物を運び始めた。

 これもレックスの勝ち!



 荷物を運び来むとレックスがキッチンにやって来た。

 わたしは少し恥ずかしかった。こんなタイルの掛けたおんぼろのキッチンに高級スーツを着た彼を座らせるのは、ジェリーならいつもジーンズとシャツなのでどんなに汚れていたって気なんか使わないのに…

 

 レックスがいきなりわたしを引き寄せてキスした。キスは激しくなりレックスはわたしのワンピースの上から胸をつかんだ。

 わたしはキスにうっとりなっていたが、胸をつかまれるといきなり気持ちがそがれた。

 レックスのキスから逃れるように唇を離した。

 「ごめんなさいレックス。わたし、その…いきなりは…無理よ」

 「ごめんシャロン、こんなせかすつもりはなかったんだ。おとなしくする。約束するから」レックスは微笑んで誤った。

 その穏やかな表情にわたしは安心した。彼は礼儀正しくて安心できる人よ。そんな彼だからこそわたしは付き合おうって決めたんじゃない。

 今はまだ彼と体を重ねることは考えたくなかった。



 またしてもジェリーの事が頭に湧いてきた。あいつは違った。わたしを奪ったのはバーのトイレだった。それなのにあんな奴に夢中になってしまったなんて…

 神様は時々信じれないようないたずらをするのかもしれない。

 

 それからわたしはレックスと一緒にサンドイッチを作って食べた。それから部屋の掃除を手伝ってもらい、彼が夕食を作ると言ってキッチンに立った。

 彼はてきぱきと野菜を刻んでボールで肉をませ合わせ、オーブンにそれを入れて、おいしそうなミートローフが出来上がった。

 それはすごくおいしくて2~3日でも食べれそうだった。


 レックスの祖母がイギリス人で、両親はボストンで会社を経営しているらしい。他にアイリーンって言う妹がいることも教えてくれた。

 だからこんなにリッチなのかも…



 彼は夕食を済ませるとミートローフをきちんとタッパーに入れて明日食べれるようにしてくれた。そしておやすみのキスをして…

 明日は仕事なので夕食に間に合うように顔を出すからと言って帰って行った。

 もう誠実を絵に描いたように…





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