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「ううん、レックス。もう部屋は取ってあるの?」
「もちろんさ。すぐに予約を入れておいた。このホテルのアメニティが好きなんだ。フラゴナールってフランスのメーカーだよ。すごくいい香りがするんだ。君をその香りで包み込んであげたい。そして僕の…」レックスは咳払いすると歩き始めた。
「このホテルのレストランで食事するの?」
「ああ、でもせっかくだから部屋でゆっくりしないか。ふたりきりでルームサービスを取って…何しろ今日は忙しかったから」
シャロンは飛び跳ねるように背筋が伸びた。
「ええ、いいかもしれないわね。レストランってマナーとか他の人にも気を使うし…」もうわたしったら何言ってるの…そんなことを言ったらすぐにベッドに行きたいって言ってるみたいで…
いっそ今すぐレックスと交われば!
シャロンはもう半ばやけくそだった。
ジュリーへの思いが強すぎて、そんな自分が嫌だった。それを断ち切るには他の男とセックスするしかないみたいだった。
「行こうシャロン。僕がどれほどうれしいかわかるかい?」レックスは待ちきれないとシャロンの唇を奪った。
ふたりはフロントで部屋の鍵を受け取るとエレベーターで最上階に上がった。部屋はもちろんスウィートルームだった。
ジェリーはカテリーナに会うと、ラウンジで話を始めた。
「今日はMr.ボルドーに会えてすごくうれしいわ。あなたってすごくセクシーなのね。あなたってどうしてプロフィールを秘密にしてるの?こんなにハンサムなのに…もっとテレビとか出たほうが絶対にいいと思うわ。あなたなら一躍人気者になれるわ。それにわたしあなたの本は全部読んだわ。次回作はいつ頃になるの?」カテリーナはジェリーを見て目を輝かせ、嬉しそうに話をした。
「カテリーナと呼んでもいいのかな?」
「もちろんよ。じゃあわたしはバクスターって呼んでもいい?」
「もちろんだ。ところで君に見て欲しいのもがあるんだ」ジェリーはレックスとシャロンが肩を寄せ合い恋人のように寄り添っている写真を見せた。
「レックスじゃない!隣の女性は誰?」カテリーナの顔色が変わった。
「君も聞いてるんじゃないのか?ウォルトブックスの社員で彼が責任を果たすべき人物だよ。彼は彼女のベッドで責任を果たしていそうだけどね」ジェリーはカテリーナが誤解するように仕向ける。
「やっぱりそうだったのね。わたしもおかしいと思ってたのよ。彼女を家まで送るなんて、そんなの他の人の仕事なのに…許せない。わたしをばかにして!」
カテリーナは携帯電話を取り出すと、レックスに電話をした。一度は留守電メッセージになったのでカテリーナはまたリダイヤルした。
何度目かのコールでやっとレックスが電話に出た。
「カテリーナどうしたんだ?」
「レックス今どこなの?」
「どこって今お客の接待でホテルにいるんだ。もう電話を切らなきゃいけない」
「どこのホテルなの?言わないなら婚約を解消するわ。今すぐホテルの名前を言って!」
「何をそんなに怒ってるんだ?アストリアホテルだよ。君も知ってるだろう?」
「何ですって?」カテリーナは辺りを見まわした。
「ホテルのどこにいるのよ。早く言って」
「だが今は客と接客中なんだ。いくら君でも…いいから2時間後に落ち合おう。わかったねカテリーナ」レックスの電話は切れた。
カテリーナは怒りに震えていた。
すぐにフロントでレックス・コッパーの部屋を聞いた。
「わたしは彼の婚約者なのよ。すぐに教えてちょうだい!」
フロント係はすぐに部屋番号を教えた。7015室です。
カテリーナは怒りに任せてエレベーターのボタンを押した。
ジェリーは彼女について一緒に行くと言った。
「あなたには関係ない事でしょ、ついてこないでよ!」
「いや、まさかこんなことになるなんて…僕にも責任があるんだ。一緒に行く」ジェリーも驚いた。まさかこのホテルにレックスがいる。シャロンも一緒なのか?
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