大嫌いなんて言ってごめんと今さら言われても

はなまる

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28勘違い男

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 明日はいよいよ最終話投稿します。最後までよろしくです。



 それから1週間ほどフェリオは学園を休んだ。

 やっと学園に来るとまた朝からファンクラブの女の子たちにきゃぁきゃぁ騒がれた。

 それで少しは自信を取り戻したかのように昼時の学生食堂ではピアーナとキャロリーナと一緒に食事を取っていた。


 シルベスタはもちろんナイル達と一緒に食事を取る。

 今度は3人とも相手がいるので6人座れる窓際の大きなテーブルで昼食を取っていた。

 いきなりシルベスタを見つけたフェリオが椅子から立ちあがりこちらに近づいて来た。

 彼は何かを持っている。


 「やあ、シルベスタ。ちょっと話があるんだ。後で時間作ってくれないか?あっ、それからこれ」

 フェリオはシルベスタにロールロールの包みを差し出した。

 「美味しいって評判の店のなんだ。レインボーカラーのロールケーキが大人気らしい」

 フェリオは知らなかった。ロールロールがシルベスタの店だとは…

 6人の冷たい視線を浴びてフェリオは口ごもった。

 「なんだ?」

 「あの、彼女は話はないですよ。それにそれ何です?ロールロールは彼女の店なんですよ。それを作ったのも彼女です。そんな事も知らないとは…」

 ナイルが立ちあがってシルベスタを守るように彼女の前に立ち、辟易とした顔をして眼鏡を外してやれやれと言う顔でレンズを磨きまたかけた。


 「おい、何だ?そ、そんな事知ってるに決まってるだろ。いいか、それになぁ、お前に言ってるんじゃない。俺はシルベスタに話してるんだ?なぁシルベスタ…ああ、そうだ。これは両親から預かって来た。俺にプレゼントしたのに両親に渡したから気に入らなかったんだろう?君のお父さんが言うようにこれはちょっと俺にはまだ早いと思っただけでほんとはすごく気に入ってたんだ。両親が欲しいって言うからつい…」

 シルベスタは汚いものを受け取るように手にハンカチを広げてそれを受け取る。

 「じらじらしい…いいんですか?ピアーナとキャロリーナがこっちをずっと見てますけど‥これ以上ファンを失くしたらまずいんじゃないんです?」

 シルベスタは嫌味をずけずけ言う。クララやナージャ、そしてパメラの婚約が決まった事はすでに学園中が知っていた。


 フェリオは「あはっ!いけない」とピアーナとキャロリーナに手を振った。

 ピアーナとミーナはまだフェリオの実態に気づいてないのだろう。うれしそうに手を振り返した。

 「とにかく君の父上が言われたように返したから、いいね。ちゃんと父上に話しておいてくれよ。それから俺はシルベスタ今でも君の事が好きだよ。シルベスタが婚約したのだって一時の気の迷いだって思ってるんだ。早く君が本当の気持ちに気づいてくれることを願ってる。もし、婚約が間違っていたって気づいたら俺に相談してくれ、いつでも力に…」

 「バーン!」

 いきなりテーブルを叩く音がしてナイルの唇がわなわな震えている。

 「君!いくら何でも失礼じゃありませんか!目の前に婚約者がいるんです。それにシルベスタは心変わりなんかしませんよ。あなたなんかと同じにしないでもらいたい。ほんとに失礼な奴ですね。とっとと消えて下さい!」

 ナイルにしては珍しいいほど興奮している。それは無理もない話だとみんなが思った。

 「…ああ、これは悪いことをしたね。でも、いずれ真実が白日の下に晒されるはずだ」

 ナイルは怒りで口元がわなわな震えている。

 
 我慢に我慢していたシルベスタももう我慢が出来なくなった。

 椅子から立ちあがるとナイルとフェリオの間に割り込んだ。そしてフェリオと面と向かう。

 「フェリオ。悪いけどあなた相当よ。自分でわかってる?私はナイルが好きだから婚約したの。あなたの事をほんの一瞬でも好きって思った事すごく後悔してるのよ。ほんとにあなたが大っ嫌いなの。心の底から。いい?わかったら二度と私の前に顔を見せないで!」

 フェリオが「えっ?」と眉を上げる。

 「ちょっと…ああ、わかった。俺が悪かった。そうだよな。ここじゃなぁ。ごめん。じゃあ、ちゃんと返したからな」

 フェリオはすぐに急いで自分の席に戻って行った。

 その後も何もなかったように楽しそうにピアーナやキャロリーナと食事をしていた。


 そうやってフェリオは何度言ってもまだシルベスタが自分の事を好きなはずだと思い込んでいた。

 いい加減みんなフェリオの話をまともに聞く者はいなくなっていた。

 更にファンクラブの女の子達も婚約者が決まったりしてその数は減少の一途をたどっていた。

 フェリオは3年生になり人気が落ちて行く事に苛立っていたのか事もあろうに出入りしていた娼館で暴力沙汰を起こした。

 何でも、娼婦が言うことを聞かないからと殴って無理やりいうことを聞かそうとしたらしい。

 それまでもフェリオには、行き過ぎた行為があるとシルベスタとナイルが苦情を出していて、今回の暴力事件でフェリオは学園を退学になった。


 フェリオは騎士隊に入り、その後近衛隊に配属になったらしいと噂が流れた。



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