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4使用人もくそです
しおりを挟むそれ以外にも嫌なのは使用人の態度だ。
アッシュ様から嫌われると思われている私への態度はあからさまでネネがいないとわざとぶつかってバケツの水をかけられたり、食事の時には目のまえでつまずいてわざとメインの肉料理をだめにしたり‥
こそこそ陰で私の悪口を言った。
”あんな人が奥様だなんて無理に決まってるわよ”
”旦那様もどうしてあんなやぼったい辺境の女なんかと?”
”いやだいやだ。あんな人に仕えるなんて”
「いっそ、私がかわりに旦那様のベッドに‥」
ある日その言葉を聞いたときはもう我慢の限界だった。
「ちょっと、黙っているからっておかしな考えはしない方がいいわ。この屋敷で旦那様と関係を持ったら絶対に後悔させてあげるから!あまり私を甘く見ない方がいいわよ。これでもあなた達の動向ぐらい把握しているのよ。わたし!あなた達を首にする権限は私が持ってるんだから!」
そうなのだ。結婚してここに来た時、アッシュ様は面倒がってこの屋敷の事は妻である私に一任したのだ。
だからこそ執事のダートンは私に色々な事を相談して最終判断を仰いでくるのだ。
だが、メイド(ミア)から帰って来た言葉は‥
「で、でも奥様が旦那様に毛嫌いされていらっしゃるのは事実じゃないですか。うっかりそんな事を言いましたが私だったら旦那様を満足させれると思うんです。良かったら私を専属の‥」
ミアは豊満な胸をぐっと突き出すように背筋をくいっと伸ばした。
ばか?
私はさっと手を振り上げてメイドの話を遮断する。
それからは怒涛の反撃。
「はっ?あなた今なんて?私に魅力がないって言いたいわけ?あの女狂いの気を引きたいと思うわけないでしょう?良く聞きなさい。私はこの屋敷で快適に過ごしたいの。あの男アッシュと同じ空気を吸う事さえ嫌なのに同じ空間で睦みあう空気まで吸わせるつもり?それにあなた。そんなに男が欲しいなら今すぐ娼館に紹介状を書くわよ。ええ、すぐにここから送り届けてあげる。ああ、心配いらないわ。あなたはよく気の付くメイドだって推薦状を書いてあげるから」
ミアの顔が真っ青になってブルブル震え始める。
ぐっと伸ばした身体は私の一言一言でどんどんしぼんで行く。
今さら?
もう、許すはずがない。
その横に突っ立っていた別のメイドに言う。
「ちょっとそこのあなた。ダートンを呼んで今すぐに!」
「は、はい、奥様!」
この一件で使用人やメイドの精査をして嫌がらせや陰口を言っていた使用人を解雇した。
もちろんミアは即刻解雇。まあ、娼館に推薦することはなかったが。
風通しの良くなった環境で私はアッシュ様さえいなければ快適な時間を過ごせるようになった。
そんな環境になじむと2年目からは私は1年の半分をベネット辺境伯領で過ごす事にした。
問題は父にどう思われるかだったが以外にも父には私がいいならと言われた。
それにバグショット兄様達は喜んでくれたのでもう遠慮することは止めた。
ベネット辺境伯には辺境騎士隊もあり私は幼いころから兄につきまとい剣も使えるし馬にも乗れた。
父も相変わらず口数が少なく私に何も言わなかった。
思えば父は私に冷たいのではなく自由にさせてくれていたのではと改めて思った。
我が領地は軍馬の飼育や放牧もしており馬車も作っている。それに毛織物もさかんで私はお転婆でもあるが母がいなかった分料理や裁縫も得意だった。
領地に帰ると馬の世話に明け暮れ、夜には甥のシモンにセーターを編んだりする。
すると兄様がやきもちを妬くので仕方なく兄様と義理姉様にお揃いのマフラーを作ったりと忙しい。
また、王都にブルトワに帰ると二番目の兄様のヒックスがマフラーの事を聞きつけていて王都に帰っても兄のセーターを作る羽目にもなった。
まあ、それはとっても幸せでうれしいけど。
決して夫の物は作ったりはしない。絶対に!
アッシュ様とは相変らず距離があり、彼は朝早くにタウンハウスを出て深夜遅くに帰るか泊りの日もあったと思う。
まあ、仕事柄泊りの日もあるらしいが。
それさえもどうでもいい。とにかく私に関わらないでくれればいいと思えるまでになった。
私の一番の目標はベネット辺境伯を潤す事になった。
少しでも早くレーヴェン公爵家からの借りを返したいと思っていた。
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