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11夫に襲われる
しおりを挟む私は夜会会場をアッシュにも見送られて真っ直ぐ屋敷に帰って来た。
ネネがドレスを脱ぐのを手伝ってくれて風呂に入りすっかり寝る準備を整えてくれた。
きっと王女リベラ様と一緒で絶対に朝帰り、もしくはそのまま明日の夜まで帰って来ないつもりだろう。
まあ、私はで迎えはしなくていいと言われているので勝手にすればいい。
私は明かりを落としベッドに入ると目を閉じた。
もうすでにかなり遅い時間だった。
私はまだ寝つけずに起きていてアッシュ様が帰って来た音がした。
そう思っていたら声が近付いてきた。
「ミュリアンナ起きてるんだろう?なぁミュリアンナ」
その声は近い。
「旦那様、奥様はもうお休みですので」
廊下でネネが止めているのがわかる。
「使用人のくせに俺に命令するのか?もう下がれ。俺はミュリアンナに用があるんだ!」
彼はかなりお酒でも飲んでいるのだろうか?かなり機嫌が悪い。
「ですが奥様はもうお休みに‥」
「うるさい!」
「ドサッ!バーン‥」ネネが倒れたのだろうか?何か割れた?
私は心配になってベッドから起き上がると扉を開けた。
「何の騒ぎでしょうか?」
見るとネネが廊下に倒れていた。
私は驚いてネネに走り寄る。
「ネネ!」
そっとネネを抱き起し様子を見る。
「けがは?」
「大丈夫です。つまずいただけですから」
良かった。怪我はなさそう。
「下がれと言うのに‥「さっきからなんでしょう?もう夜も遅い時間ですけど」俺はただお前と少し酒でも飲めないかと」
アッシュ様はろれつが回らないほど酔っている。
「あの、仕事はどうされたんです?」
「今日はもう終わった。悪かった。夜会で寂しい思いをさせた。だから少し話をしようと思って」
何かおかしい。今までこんなことを言われたことはなかった。
いきなり何?
あっ、もしかして王女とよりを戻したいから離縁したいとか?
ふっとそんな考えが浮かんだ。いや、それくらいしか私に話があるはずがない。
困惑と期待で彼を見る目は眇めるような目になっているかもしれない。
でも仕方がない。だって私の事などどうでもいいと言ったしずっとそんな態度を取られてきたんだから。
構うことはない。
するとアッシュ様の態度が急変した。
「ネネすまなかったな。怪我はなかったか?もうゆっくり休め。いいな?」
えっ?妙に優しい。
「そうね。ネネも疲れたでしょう。もう休んでちょうだい」
「はい、ありがとうございます。では、旦那様も一緒に」
「俺はミュリアンナと酒でも飲みたいんだ。いいから下がれ!」
私はちょっとむっとしたがこれ以上ネネに突っかかられてもと思いネネに下がるように言った。
ネネは仕方なく行ってしまう。きっとぺスヒルを呼ぶつもりだと思い少しほっと息を吐いた。
のも束の間。いきなり彼に手を掴まれたがまだ距離はあった。
「ミュリアンナ。今まで悪かったな。さあ、おいで」
「はっ?いきなりなんですか?」
「俺達は夫婦だ。当然の事をしようと思っただけだ。今までお前を避けるべきじゃなかった。今から俺達本当の夫婦になろう。なっ、これからは仲良くやって行こう」
「えっ?はっ?でも、そんな事しないって‥あっ、ちょっと。なにするんで‥」
アッシュ様はいきなりずかずか近づくと私をすくい上げた。
私は彼に抱き上げられいわゆるお姫様抱っこをされて部屋の中に連れて行かれた。
すでにナイト着になっていて、と言ってもコットンの裾の長いものだが、それでも下は下着だけで。
「優しくする。俺を信じろ!」
「優しくする?俺を信じろ?信じれません。いいから下ろして!あなたとはこんな事しないって契約です」
私達はふたりで結婚の時秘かに契約を交わしていた。私とはそんな関係を持たない。もし他に子供が出来たら離縁すると。
「ったく。男と女はそんな事通用しないんだよ。交われば求めるようになる。いいから俺に任せろ。なっ!」
アッシュ様は私をベッドの上に放ると自分も上にかぶさって来た。
「そんな事をすれば離縁します!」
「心配するな。俺がお前を虜にしてやる。すぐに離縁なんかしたくなくなるさ」
な、なんという図々しさ!!
力強い片方の腕が私の身体の自由を奪う。
もう片方の腕はナイト着の前のボタンをいとも簡単に引きちぎる。
すぐに前をはだけられると片方の大きな手のひらで容赦なく胸をぎゅっと掴まれた。
「きゃぁ~、やめて。いや。あなたなんか嫌いよ!私に触らないで!」
私は両手を目いっぱい押し出して彼を押す。
だが、騎士をしている男の鍛えた体にかなうはずもなく。
「ごちゃごちゃいうな。女は初めての男は忘れられないんだ。いいからすぐ気持ちよくしてやる!」
「いやですその手を放して!」
更に拳で胸を叩く。
「ったく!いいから大人しくしてろ!リベラとやってる最中に邪魔が入ったんだ。俺は中途半端なところで‥クッソ!」
ひとりでぶつぶつ言うと彼の身体が私の脚の間に割り込んで来てぐっと両方の足首を掴まれて両脚を開かれた。
体をねじって暴れるがびくともしない。
もう、だめだ。私はこいつに奪われる‥
「お前な、少しは役に立てよ!すぐに終わるじっとしてろ。いいな」
「やだ。放して‥」
私は反動をつけて上半身を起こし彼の顔を拳で殴った。
「ぐぅっ!クッソ!」
彼は怒って私の頬を殴り返した。
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