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26私の気持ちはだだ洩れる
私はヴィルが出て行くとヴィルの買って来たラムサンドを頬張った。
ああ…美味しい。いつ食べてもこれはもう最高の一品。
でも、ヴィルったらこんなものを買いに街まで?あっ、そうか。警ら隊に薬物の事を知らせにいったのか。
彼はこの学園で出回っている薬物を調べに来たんだから。あの子たち今日私に見られたのが運のつきよ。
でもやっぱりアマリが加担してるのかな?信じれない。でも、アマリが持って来たティーホイップの中におかしな薬が入っていたとしか考えれないし…
アマリ誰かに脅されてるとか?
だって彼女が私を陥れるはずがないじゃない。
きっと何か理由があるのよ。仕方のない理由が…
私はこんなになってもアマリを信じていたかった。
お腹いっぱいになって行くうちに私はまた甘い疼きを覚え始めた。
やだ。もう!この身体信じれないから…また下半身が疼き始める。
ったく。
ふわふわと熱を帯びた身体はあのドンにかき回された感触を思い出してとろりと蜜を垂らした。
もぉ!あいつがしたからじゃないわよ。今は薬で神経が高ぶってるから。
「どうしよう…」
「どうした?何かあったのか?」
「えっ?…ヴィルいつの間に…」
「すぐに戻るって言っただろう?大丈夫か?どこか痛いのか?言ってみろ。ほら、早く」
彼は優しく私を抱き寄せる。
その熱さえも今の私には辛かった。ヴィルの香りなんて感じたこともなかったのに、汗と男の香りが鼻腔をくすぐり脳内がオーバーに反応する。
陶酔するような甘美なめまいがして私は思わずヴィルのしがみついた。
「大丈夫だ。あいつら全員警ら隊に引き渡した。アマリも一緒だ。あいつバイオレットに水晶を飲ませたって言った。だから身体が疼くんだろう?なぁ、バイオレット本当のことを言うんだ。何も恥ずかしい事じゃない。最初にここであったようなことだ。なぁ、あの時だって何でもなかっただろう?」
何でもなかったって…?ヴィルにはあれはその程度の事なの?確かにあの時はそう考えようと思った。でも今は…
一瞬そんな考えが浮かぶが考え事は長続きしなかった。
私の視線は揺れて思わず口元がほころぶ。
何も楽しい事なんかないのに、なんだか気分が高ぶって‥そうだ。ワインを飲んだ時みたいに。いや、もっともっとふわふわしてて…
「ヴィル?どうしよう。疼くの。あそこが熱くて仕方なくて…だからお願い。あそこ。どうにかして欲しいの」って言っている自分の口を押える。
私は違う!と首を振る。
だが、遅かった。
「やっぱりな。わかってたんだ。バイオレットの様子がおかしいって…安心しろ、俺は婚約者だ。お前にそんな事をしても誰も責めたり出来ない存在だからな」
ヴィルが包み込むように私を見つめるとやんわり抱き込んで口づけをしてくる。
頭の中でお告げのように声がする。その手に何もかも託しなさいと告げている。
やっぱり私は薬でおかしくなっているに違いない。
私は彼のしがみつくともう何も考えられなくなる。
今はただこの疼きを何とかしてほしいと…
でも、脳の片隅が告げる。そうじゃないの。
私は…私はあなたが好きだから。
あなたの前では素直な女の子でいたいって思うから。
あなたには本当の事を言っても安心だって思えるから。
だって私はすっかりあなたを信じてるから。
だから…
彼のシャツにしがみ付いているつもりが力さえ入らない。そんな頼りない指先でそのシャツに必死にしがみ付いて彼を引き寄せる。
「違うの。私はあなただから頼んでるの。ドンにやられそうになった時は正気に戻って何とかしようとあがいたのよ。でも、手は押さえつけられていたし…」
「安心しろバイオレット。俺、そんな事思ってもないから、俺が帰って来るまでよく頑張ったな」
私を見つめる目の前の瞳は茶色に水晶みたいに透き通っている。
彼の低温でよくとおる声が、まるで何かの楽器を奏でるみたいにやんわりと耳朶に届いて脳芯が痺れた。
彼の指が乱れた髪をそっと耳の後ろに追いやる。それだけで肌にさざ波が立つ。
私はこくんとうなずく。
それを合図にヴィルが私の身体にまとわりついていたガウンの残骸を脱がせていく。
「すぐ楽にしてやるからな」
彼は手の甲で頬を撫ぜ上げた。私はその手を掴むと甘えるように頬をすりすり撫ぜつけた。
ああ…ヴィル。大好き。私ったらいつの間にかあなたの事が大好きになったみたい。
込み上げる気持ちに思わず彼の指や手に唇を這わせる。
「…つ!バイオレット。こら。煽るんじゃない」
ヴィルは大きく息を吐きだす。
「ごめんなさい。だって…ヴィルの事好きすぎて…私…あなたが大好きだから」
「お前。わかってるのか?今そんな事言ったらどうなるのか?」
「だって…」
そう言いかけた時ヴィルに唇をかぷっと塞がれた。
いつもみたいな言い加減なキスじゃなくてもっとていねいで優しくて甘くてせつなくなるような、そうだ。これってまるで恋人同士が紡ぐようなキスだ。
私の脳内でそんな考えが巡ったが、そんな考えも瞬時に消えてすぐにとっろとっろのキスで全身が甘く痺れた。
「ばいお‥れっと。俺も好きだ。こんな気持ちになるなんて思ってもいなかった…ああ。お前の唇あまいな…」
彼が私の顔面でそんな事をつぶやく。
「な…」
言い返そうとしてまた唇を塞がれた。何度も何度もキスされていつしか彼の手はシュミーズの間から胸の蕾をいじっている。
「あん、ゃぁ…」
「もっと感じていいぞ。声気にするな」
耳元でそうささやかれるとその唇は首筋を伝って下りていく。
いつの間にかシュミーズの肩ひもをずり下ろされ胸は露わになっていて、いきなりその先に舌を這わせる。
「んっ…」
さっきから指で擦られていた先はぷっくりと勃ち上げっていて、すぐに甘い感覚が沸き上がった。彼が舌を離すとひんやりした感触の後にくすぶる焔が被さる。
「…はぁ、ん。もっと…」
身体の熱が私をおかしくさせて吐息は喘ぐように彼を求める。
「ああ、もっとだ。ここは?」
彼の指が何もつけていない秘所に伸びた。
いきなり割れ目に指を這わされて腰が跳ねた。
「あっ、やぁ…」
「ほんとに?こんなにびちょびちょなのに?」
ぴちゃぴちゃ音を立てながら指を揺すられてすんなり指を中にくわえ込んで行くのを感じる。
「だ、だめ…あっ、あっ、ヴィル…もぉ…」
「やめる?無理だろ?いいから任せて。ほら、ばいおれっと、力抜いてみろ」
そう言われて私はくたりと力を抜いた。
もう、そんな事を考える余裕などなかった。身体じゅうがその快感を求めていて、彼の指に合わせるように腰が揺れていて。
「そう、うまいぞ。もっともっとよくしてやるから。俺に全部見せて…」
彼が脚の間に入って来て私の秘所を割り開いて見ている。
そんなみだらな光景にさえ羞恥を覚える事もなく、薬でハイになったらしい私はただ気持ちいい感覚にだけ取りつかれたみたいに身体を揺すっていた。
彼の顔が股の間に埋もれて行ったと思ったらいきなり割れ目に生暖かい感触がやって来て私が垂らしているであろう蜜をじゅるりと音を立てて吸い上げられた。
「…はぁ……」
指がそっと割れ目を広げたらしく、敏感な粒にひやっと空気が触れたと思ったらそれを舌先がレロレロ舐め始めた。
指はすぐに中の襞を掻きまわして舌は酷く感じるところを舐め上げて。
「んっ…はぁ、ちょ、まっ…あっ、あっ……や、んんっ……」
激しく甘く痺れる感覚。感じたことのない快感に声が止まらない。
そのうち襞の中に指が増やさればらばら動かされめやくちゃ気持ちいい所を探り当てられた。
「あ、んぅ…だ、あっ……なか…き…もちいっ」
「ここ?ああ…ぎゅうってなってる。どう?これは?」
あっ、もうそんなこと聞かないで。
ヴィルはそう言ったと思ったら粒をくちゅりと吸い上げた。
「ぁ、あっ、んっ…やぁ…あぁっあぁ……ぁぁ」
ピクンと身体が跳ね、ヒクヒク全身が震えて行く。
「ヴィル…あっ、お、かしいの。からだ、が…」
私は腕を伸ばしてヴィルを求める。その手をぎゅっと掴まれ指と指を絡め合わせて繋ぐ。
「いい子だ。バイオレット。こんなに感じて…」
彼が肌の上を這いあがって来てキスをしながらもまた指はしっかりなかに出し入れされる。
「あ、ひゃ、もっ、ヴィル、あぁっ、あぁぁ……あっ……」
私はこらえきれず彼にしがみ付く。脳芯が焼ききれそうなほどの愉悦が押し寄せて身体がピンと張りつめる。
快感の嵐に押し流されると私はぐったり力を抜いた。
「凄い。バイオレットのなかぎゅうぎゅう締め付けてる。熱くて襞がうごめいていやらしいな」
「やぁ、ヴィルったら…」
そうしているうちにヴィルが私から離れた。
私はヴィルを引き寄せた。
「いや。ヴィルのが欲しいの」
私は突然そう言った。なぜってわからない。ドンのあの滾りを思い出した?でも、男の人の欲求ってこんなんじゃ満足できないはずで…
ううん、そんな事じゃない。私の身体は彼をもっともっと欲しいって要求しているんだもの。
何しろ今日の私はハイになっていていつもの私ではないのだから。
思っている事。欲しいと思ったものを口にするらしいから。
ったく。始末に負えないって言うのはこういう事だろうか?
「ったく。信じられないから」
ヴィルが言った。
すがめるような視線で見つめられてもただ彼が欲しいって思う。
ったく。信じれない。
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