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8ルドルフ、ソルティの護衛騎士になる
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リルは屋敷に帰って行った。
ルドルフは言ったとおり朝まで見張り番に立っていたらしい。夕食はメイドに頼んで準備したものを届けたがやはり気になる。
私は早朝気になって早めの散歩に出るように装い様子を見に行く。
もちろん顔を洗い家用の簡単なワンピースを着て髪もざっと整えている。
表門にもたれるようにルドルフがこっくりこっくりしている。
(もう、ほんとに一晩中ここにいたの?もう、ルドルフったら言い出したら聞かないんだから…でも、こんなに守られているって言うのもすごくうれしい)
「ルドルフ?」
小さな声で呼ぶ。ルドルフは気づかないままうとうとしているみたいだ。
「ルドルフ?」
もう一度今度はもう少し大きな声で呼んでみる。
ルドルフがはっと目を開けてきょろきょろ辺りを見回す。
そして私を見つけるとその顔がぱぁと花開くような笑顔で満たされた。
「えっ?あの…お嬢様。どうしました。何か困った事でも?」
彼は一晩中立っていて身体じゅうが硬くなっているのかぎこちない動きでこちらに走って来た。
(もぉっ、ルドルフほんとにかわいい)
思わず心の中で萌える。が慌てて首を横に振る。
「違うのルドルフ。様子を見に来ただけ。こんな所で夜を明かすなんて身体に悪いわ。さあ、中に入って」
「いえ、騎士隊ではこれくらいの事いつもの事です。見回り当番にでもなれば一晩歩き回ることもありますから、ご心配ありがとうございます」
「でも、ここにいては目立つわ。さあ、中に入って」
ルドルフは髪をわしゃわしゃ掻きまわしてそばに来た。
私は改めてルドルフを観察する。
(ルドルフって結構背が高いのね。それに騎士だけあってすごく逞しいし…そう言えばアルフォン殿下も騎士だったはず、でもこんなに体格は良くなかった。きっと他のトレーニングに忙しかったのだろう。
鍛えていたのは下半身の一部だけかぁ…)
私の中でルドルフの株がさらに上がる。
そんな事を言っているとエミリア様と会った。
「おはようございますエミリア様」「奥様おはようございます」
私とルドルフは挨拶をする。
「おはよう。ソルティ早いのね。まあ、ルドルフはまだいたの?もう仕方ないわね。こうなったらソルティの護衛をしたら?ねぇソルティ」
エミリアは呆れたようにルドルフを見たがその顔はいやそうではなかった。
ルドルフはびっしっと背筋を伸ばすとエミリア様と私の顔を見た。
私は決めた。ルドルフを雇おうって。
「はい、これから何があるかもわかりませんし、ルドルフに護衛をお願いするつもりです。そのために一度街に言って宝石を換金するつもりです。それにエミリア様さえよければ今日にでもアルフォン殿下やお父様の実情をお話したいのですが」
私は昨夜、日記を見直した。
父から受けた暴力の事やアルフォン殿下殿と付き合いの事。これらを考えると父には相当不利な行動があった。
母が亡くなってからと言うもの事あるごとに私は酷い言葉を浴びせられお前が悪いからこうするんだと身体のあちこちを叩いた。
学園に行くようになったからは目に見える場所に痣が残ると気づいたのか鞭で背中やお尻を叩くようになった。
酷く殴られた時は傷がみみず腫れになったものだ。
休日にお酒が入るとまた書斎に呼ばれ悪くもないことをねちねちと怒られ反抗すると殴られた。
アルフォン殿下の態度もひどいものだった。
騎士隊に押し掛け女とお楽しみの所に出くわしたのは一度や二度ではない。
お茶会などがあると聞いたがそんなものは最初の一度だけだった。
おまけに夜会の誘いは来るものの殿下が迎えに来たこともない。夜会の会場で落ち合って挨拶とダンスが終わればはいさようなら。それも他の令嬢たち一緒にだ。
デートには確かに数回誘われた。遅れるのは当たり前のように待ち合わせに来たと思ったらふたりきりのデートではなく友人のところに行ってまたその女性の友人といちゃつく始末。
優しい言葉をかけてもらった事もなく、ねぎらいの態度もない。
婚約者にしてやったのだからそれくらい当たり前だろうと言わんばかりの横柄な態度。
いままでは私がそれを言ったところで何も変わらないと諦めていた。
でも、今は違う。
「ええ、もちろんよ。主人とも話したんだけどジャネットはスベトラーナ家のご令嬢でしょう?スベトラーナ家と言えば第3王妃のマリー様の縁せき。彼女はミアの義理母にもなるし、私たちはジャネットに味方することになると思うの。彼女、一度結婚しているとしても子供が出来たんですもの。ソルティとの婚約は解消するしかないはずよ。今日王宮でお茶会があるの。王妃も出席されるわ。あなたも一緒にいらっしゃい。もちろんルドルフも護衛騎士として来るのよ!」
「はい、奥様。ありがとうございます。お嬢様そう言うことですので私は急いで一度帰って来ようと思うのですがよろしいでしょうか?」
ルドルフは嬉しそうに私を見た。
「ええ、ここは心配ないから行ってきて」
「はい、すぐに帰って来ますので…あっ、ついでに旦那様に辞表を出して来ますから、お嬢様待ってて下さい」
走り去るルドルフはまるで愛犬が嬉しそうに走って行くように見えた。
(私ったら完全にルドルフに振り回されてる。それにしてもルドルフってどこに住んでるんだっけ?屋敷には住んでいなかったはずよね?)
騎士隊が護衛騎士になると騎士隊から出て大体一人で王都の安いアパートなどで暮らすらしい。騎士隊の寮にはいれなくなる。
騎士練習はないし騎士隊で食事を取ることもない。まして声がかかっても出動出来ないからだ。
(まあ、ルドルフがどこに住んでるかなんて私には関係ないんだけど…でも、帰ってきたらルドルフにはお金を少し用立てたたほうがいいわよね。こうなったら一人で換金に行って来るしかないかな?)
私はそんな事を考え始めていた。
ルドルフは言ったとおり朝まで見張り番に立っていたらしい。夕食はメイドに頼んで準備したものを届けたがやはり気になる。
私は早朝気になって早めの散歩に出るように装い様子を見に行く。
もちろん顔を洗い家用の簡単なワンピースを着て髪もざっと整えている。
表門にもたれるようにルドルフがこっくりこっくりしている。
(もう、ほんとに一晩中ここにいたの?もう、ルドルフったら言い出したら聞かないんだから…でも、こんなに守られているって言うのもすごくうれしい)
「ルドルフ?」
小さな声で呼ぶ。ルドルフは気づかないままうとうとしているみたいだ。
「ルドルフ?」
もう一度今度はもう少し大きな声で呼んでみる。
ルドルフがはっと目を開けてきょろきょろ辺りを見回す。
そして私を見つけるとその顔がぱぁと花開くような笑顔で満たされた。
「えっ?あの…お嬢様。どうしました。何か困った事でも?」
彼は一晩中立っていて身体じゅうが硬くなっているのかぎこちない動きでこちらに走って来た。
(もぉっ、ルドルフほんとにかわいい)
思わず心の中で萌える。が慌てて首を横に振る。
「違うのルドルフ。様子を見に来ただけ。こんな所で夜を明かすなんて身体に悪いわ。さあ、中に入って」
「いえ、騎士隊ではこれくらいの事いつもの事です。見回り当番にでもなれば一晩歩き回ることもありますから、ご心配ありがとうございます」
「でも、ここにいては目立つわ。さあ、中に入って」
ルドルフは髪をわしゃわしゃ掻きまわしてそばに来た。
私は改めてルドルフを観察する。
(ルドルフって結構背が高いのね。それに騎士だけあってすごく逞しいし…そう言えばアルフォン殿下も騎士だったはず、でもこんなに体格は良くなかった。きっと他のトレーニングに忙しかったのだろう。
鍛えていたのは下半身の一部だけかぁ…)
私の中でルドルフの株がさらに上がる。
そんな事を言っているとエミリア様と会った。
「おはようございますエミリア様」「奥様おはようございます」
私とルドルフは挨拶をする。
「おはよう。ソルティ早いのね。まあ、ルドルフはまだいたの?もう仕方ないわね。こうなったらソルティの護衛をしたら?ねぇソルティ」
エミリアは呆れたようにルドルフを見たがその顔はいやそうではなかった。
ルドルフはびっしっと背筋を伸ばすとエミリア様と私の顔を見た。
私は決めた。ルドルフを雇おうって。
「はい、これから何があるかもわかりませんし、ルドルフに護衛をお願いするつもりです。そのために一度街に言って宝石を換金するつもりです。それにエミリア様さえよければ今日にでもアルフォン殿下やお父様の実情をお話したいのですが」
私は昨夜、日記を見直した。
父から受けた暴力の事やアルフォン殿下殿と付き合いの事。これらを考えると父には相当不利な行動があった。
母が亡くなってからと言うもの事あるごとに私は酷い言葉を浴びせられお前が悪いからこうするんだと身体のあちこちを叩いた。
学園に行くようになったからは目に見える場所に痣が残ると気づいたのか鞭で背中やお尻を叩くようになった。
酷く殴られた時は傷がみみず腫れになったものだ。
休日にお酒が入るとまた書斎に呼ばれ悪くもないことをねちねちと怒られ反抗すると殴られた。
アルフォン殿下の態度もひどいものだった。
騎士隊に押し掛け女とお楽しみの所に出くわしたのは一度や二度ではない。
お茶会などがあると聞いたがそんなものは最初の一度だけだった。
おまけに夜会の誘いは来るものの殿下が迎えに来たこともない。夜会の会場で落ち合って挨拶とダンスが終わればはいさようなら。それも他の令嬢たち一緒にだ。
デートには確かに数回誘われた。遅れるのは当たり前のように待ち合わせに来たと思ったらふたりきりのデートではなく友人のところに行ってまたその女性の友人といちゃつく始末。
優しい言葉をかけてもらった事もなく、ねぎらいの態度もない。
婚約者にしてやったのだからそれくらい当たり前だろうと言わんばかりの横柄な態度。
いままでは私がそれを言ったところで何も変わらないと諦めていた。
でも、今は違う。
「ええ、もちろんよ。主人とも話したんだけどジャネットはスベトラーナ家のご令嬢でしょう?スベトラーナ家と言えば第3王妃のマリー様の縁せき。彼女はミアの義理母にもなるし、私たちはジャネットに味方することになると思うの。彼女、一度結婚しているとしても子供が出来たんですもの。ソルティとの婚約は解消するしかないはずよ。今日王宮でお茶会があるの。王妃も出席されるわ。あなたも一緒にいらっしゃい。もちろんルドルフも護衛騎士として来るのよ!」
「はい、奥様。ありがとうございます。お嬢様そう言うことですので私は急いで一度帰って来ようと思うのですがよろしいでしょうか?」
ルドルフは嬉しそうに私を見た。
「ええ、ここは心配ないから行ってきて」
「はい、すぐに帰って来ますので…あっ、ついでに旦那様に辞表を出して来ますから、お嬢様待ってて下さい」
走り去るルドルフはまるで愛犬が嬉しそうに走って行くように見えた。
(私ったら完全にルドルフに振り回されてる。それにしてもルドルフってどこに住んでるんだっけ?屋敷には住んでいなかったはずよね?)
騎士隊が護衛騎士になると騎士隊から出て大体一人で王都の安いアパートなどで暮らすらしい。騎士隊の寮にはいれなくなる。
騎士練習はないし騎士隊で食事を取ることもない。まして声がかかっても出動出来ないからだ。
(まあ、ルドルフがどこに住んでるかなんて私には関係ないんだけど…でも、帰ってきたらルドルフにはお金を少し用立てたたほうがいいわよね。こうなったら一人で換金に行って来るしかないかな?)
私はそんな事を考え始めていた。
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✻ゆるふわ設定です。
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