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第一章 魔王様の贈物
第十二話 機動力
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「あー、美味しかった」
俺達はスーパーの食材を使ってご飯を作った。というより作ったのはほぼ凛で、俺とカスミはほとんど何もしてないんだけどな。この分なら食材が無くなることは早々なさそうではある。だけど、この状況でこのままここに居続けて本当に良いのかと言われれば、一抹の不安が残る。
「ということで、ここを拠点にしてどんどん勢力を高めていこうぜ!」
「何がということでなのよ……」
「面白そうッスね! まずはどこから行きます?」
「この近くになんか大きめの店とか、重要そうな場所とかあるか?」
「重要そうな場所って何よ?」
「例えば……動物園とか、畑とか?」
「無茶苦茶な組み合わせね……」
「まあ、用途が全然違うからな。俺のネクロマンサーとしての力を高めるために動物園に行くか、食料を作るために畑に行くか」
「検索したら、近くだと畑があるッス……けど、だいぶ遠いッスね」
「どれくらいかかりそうなんだ?」
「歩いて行くとなると、現実的に考えても一日以上かかりそうッス」
マジかよ……機動力が欲しいな……。
「そう考えると、自動車屋とか自転車屋にも行きたいな」
「えーっと、それなら自転車屋がここから二時間くらい歩いた所にあるっぽいッスよ?」
「よし、行くか」
待ってても仕方ない、とりあえず動かないとな。
俺達は用意を始めた。とりあえず動きやすいように靴とかを変えた。前の靴は山に行ったせいでボロボロになってたしな。
そして、一応食料も少しだけ持って行くことにした。何が起こるかわからないしな。食料とかを入れるために、リュックサックも探したが、オシャレな小さいカバンしかなかった。まあとりあえずそんなに大量に荷物があるわけじゃないしいいんだけどね。
「よし、準備出来たよな?」
「完璧よ」
「準備万端ッス!」
「それじゃあ、出発進行!」
と意気揚々に外に出たのは良かったんだが……。
道路に木などがなぎ倒されていて、道無き道を歩き続けるハメになってしまった。木などの障害物を避けながら歩いて行くのは予想以上に厳しかった。
「疲れたわ……」
「あと、どれくらい、なんだ?」
「えーっと、まだ半分行ってないくらいッスかね?」
「なんでそんなに元気なのよ……」
「え? わかんないッス、剣士だからじゃないッスか? 魔法使いは体力無いッスねー?」
「は? まだまだ、余裕よ!」
「待って、俺が余裕じゃない……休憩しないか?」
「いいッスよ」
「ま、まあどうしてもって言うならね!」
凛は肩で息をしながら、見栄を貼っていた。凛よ、多分カスミも気付いてると思うし、意味無いと思うぞ……。
俺達は、道路の隅に腰を下ろして、休憩していた。まさか道路の真ん中を堂々と突っ切れる日が来るとは思ってなかったな。カスミはよっぽど暇なのか、木を切って修行をしていた。俺達は眺めていることしか出来なかった。
「凄いなカスミ、いったいどれだけ無尽蔵のスタミナがあるんだ……」
「え? いや、たしかにいつもより楽ッスけど、こんなに早くから休憩するほど疲れないッスよ?」
なるほど、基本スペック高いな。俺がいつも通りなら、ここまでの半分くらいまでしか来れてない気がする。ネクロマンサーになってから少しだけ身体が動くようになってる気がするんだよな、これでも。
「凛は魔法使いになって体力落ちたとか逆に体力あがったとかあるか?」
「え? いや、考えたことなかったわね。多分何もなってないんじゃないかしら」
なるほど、身体能力が上がることはあっても、身体能力が悪くなることはないのか。まあ、わからないけど。
「もうそろそろ歩き出すか」
「わかったわ」
「行くッス!」
俺達は、その後も歩き続けた。そして、途中である重大な事実に気付いてしまった。自転車手に入れても障害物多すぎてあんまり意味が無いということだ。
いや、たしかに少しは楽になると思うし、障害物がないような所まで行ければだいぶ行動力は上がると思うよ!? でも、こんなに障害物ばっかりで、ショッピングモールに帰るとなると、ちょっと厳しいな……食料持ってきて良かったな。
とりあえず二人の、特に凛の心を折らないために話すのは止めておこう。
そしてようやく、終わりの地が見えた。まあ折り返し地点とも言えるんだけれども。
「着いた、着いたわ!」
「着いたッスね」
「やっとかー、中に入って良さそうな自転車探すか」
道路の側にも自転車は大量に陳列されていたはずだが、その自転車は、重なって倒れていてパンクしていそうなのも多かった。まあそこから選んでもいいんだが、中のやつのほうがまだ被害は少なそうだった。
そして俺達は、自分の色にあった自転車を選んだ。結構色んな色の自転車があるんだな。
それにしても、凄い被害だよな。いったい何があったらこんなことになるんだよってくらいだ。まあ、大震災とかならもっとやばいんだろうけど。家が潰れているのまではほとんど見ないしね。たまにあるけど。
まあそれほど魔王様の力は強大だということだろう。今は二時間以上歩いてもモンスターに遭遇しないくらい少ないけど、更にモンスターを呼んでくるかもしれないし、どこかで群れているのかもしれない。しかも、またゾンビが襲ってくるかもしれない。と言うより、今はとにかくショッピングモールまで帰らないといけない。前途多難すぎるだろ……。
俺達はスーパーの食材を使ってご飯を作った。というより作ったのはほぼ凛で、俺とカスミはほとんど何もしてないんだけどな。この分なら食材が無くなることは早々なさそうではある。だけど、この状況でこのままここに居続けて本当に良いのかと言われれば、一抹の不安が残る。
「ということで、ここを拠点にしてどんどん勢力を高めていこうぜ!」
「何がということでなのよ……」
「面白そうッスね! まずはどこから行きます?」
「この近くになんか大きめの店とか、重要そうな場所とかあるか?」
「重要そうな場所って何よ?」
「例えば……動物園とか、畑とか?」
「無茶苦茶な組み合わせね……」
「まあ、用途が全然違うからな。俺のネクロマンサーとしての力を高めるために動物園に行くか、食料を作るために畑に行くか」
「検索したら、近くだと畑があるッス……けど、だいぶ遠いッスね」
「どれくらいかかりそうなんだ?」
「歩いて行くとなると、現実的に考えても一日以上かかりそうッス」
マジかよ……機動力が欲しいな……。
「そう考えると、自動車屋とか自転車屋にも行きたいな」
「えーっと、それなら自転車屋がここから二時間くらい歩いた所にあるっぽいッスよ?」
「よし、行くか」
待ってても仕方ない、とりあえず動かないとな。
俺達は用意を始めた。とりあえず動きやすいように靴とかを変えた。前の靴は山に行ったせいでボロボロになってたしな。
そして、一応食料も少しだけ持って行くことにした。何が起こるかわからないしな。食料とかを入れるために、リュックサックも探したが、オシャレな小さいカバンしかなかった。まあとりあえずそんなに大量に荷物があるわけじゃないしいいんだけどね。
「よし、準備出来たよな?」
「完璧よ」
「準備万端ッス!」
「それじゃあ、出発進行!」
と意気揚々に外に出たのは良かったんだが……。
道路に木などがなぎ倒されていて、道無き道を歩き続けるハメになってしまった。木などの障害物を避けながら歩いて行くのは予想以上に厳しかった。
「疲れたわ……」
「あと、どれくらい、なんだ?」
「えーっと、まだ半分行ってないくらいッスかね?」
「なんでそんなに元気なのよ……」
「え? わかんないッス、剣士だからじゃないッスか? 魔法使いは体力無いッスねー?」
「は? まだまだ、余裕よ!」
「待って、俺が余裕じゃない……休憩しないか?」
「いいッスよ」
「ま、まあどうしてもって言うならね!」
凛は肩で息をしながら、見栄を貼っていた。凛よ、多分カスミも気付いてると思うし、意味無いと思うぞ……。
俺達は、道路の隅に腰を下ろして、休憩していた。まさか道路の真ん中を堂々と突っ切れる日が来るとは思ってなかったな。カスミはよっぽど暇なのか、木を切って修行をしていた。俺達は眺めていることしか出来なかった。
「凄いなカスミ、いったいどれだけ無尽蔵のスタミナがあるんだ……」
「え? いや、たしかにいつもより楽ッスけど、こんなに早くから休憩するほど疲れないッスよ?」
なるほど、基本スペック高いな。俺がいつも通りなら、ここまでの半分くらいまでしか来れてない気がする。ネクロマンサーになってから少しだけ身体が動くようになってる気がするんだよな、これでも。
「凛は魔法使いになって体力落ちたとか逆に体力あがったとかあるか?」
「え? いや、考えたことなかったわね。多分何もなってないんじゃないかしら」
なるほど、身体能力が上がることはあっても、身体能力が悪くなることはないのか。まあ、わからないけど。
「もうそろそろ歩き出すか」
「わかったわ」
「行くッス!」
俺達は、その後も歩き続けた。そして、途中である重大な事実に気付いてしまった。自転車手に入れても障害物多すぎてあんまり意味が無いということだ。
いや、たしかに少しは楽になると思うし、障害物がないような所まで行ければだいぶ行動力は上がると思うよ!? でも、こんなに障害物ばっかりで、ショッピングモールに帰るとなると、ちょっと厳しいな……食料持ってきて良かったな。
とりあえず二人の、特に凛の心を折らないために話すのは止めておこう。
そしてようやく、終わりの地が見えた。まあ折り返し地点とも言えるんだけれども。
「着いた、着いたわ!」
「着いたッスね」
「やっとかー、中に入って良さそうな自転車探すか」
道路の側にも自転車は大量に陳列されていたはずだが、その自転車は、重なって倒れていてパンクしていそうなのも多かった。まあそこから選んでもいいんだが、中のやつのほうがまだ被害は少なそうだった。
そして俺達は、自分の色にあった自転車を選んだ。結構色んな色の自転車があるんだな。
それにしても、凄い被害だよな。いったい何があったらこんなことになるんだよってくらいだ。まあ、大震災とかならもっとやばいんだろうけど。家が潰れているのまではほとんど見ないしね。たまにあるけど。
まあそれほど魔王様の力は強大だということだろう。今は二時間以上歩いてもモンスターに遭遇しないくらい少ないけど、更にモンスターを呼んでくるかもしれないし、どこかで群れているのかもしれない。しかも、またゾンビが襲ってくるかもしれない。と言うより、今はとにかくショッピングモールまで帰らないといけない。前途多難すぎるだろ……。
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