105 / 112
第2章 導かれし王編
第九十八話 ドラゴンの村長
しおりを挟む
「腹も膨れたことだし、村長の家に戻るぞ」
「さっきいったばっかだしまだ戻ってきてないんじゃないか?」
「そんなこと言ってるといつの間にか戻って来てて、またどこかへ行ってるかもしれないぞ?」
「そんなにすぐに出発するの?」
「まあドラゴンは短気だからな。睡眠も人間なんかと比べるとかなり少なくて済むしな」
「マジかよ、いつもどれくらい寝てるんだ?」
「一週間に一回寝るか寝ないかだな。寝る時も五時間くらい寝たら全回復する」
「うわー、俺ドラゴンに生まれたかった」
一週間に五時間しか寝なくて済むなら、一日六時間寝る計算だと一週間で約四十時間も余分に動けるじゃねぇか。ずるい、ドラゴンずるい。
四十時間もあったら、ゲームがどれだけ進むことか。いままでは切り捨てていた他のゲームや、旨みの少なめの周回とかも出来るじゃん。うわー、ドラゴンずるい。
「なんだその目は……」
「ドラゴンずるい」
「そんなこと言ってないでさっさと乗るがいい」
「わかったよ」
俺はブリちゃんの背中に乗って先程までいたドラゴンの村長の家に向かった。もしそこに村長がいなくても、勝手に村長の家を借りて寝る気だったらしいが、村長は飯を食っている数時間の間に帰って来ていた。これで色んな人に怒られなくて済むわー、良かった良かった。
「こんばんは、村長さん」
「なんだ貴様は」
「俺様が連れてきたんだ。話があるらしい、聞いてやってくれ」
いやいや、仮にも村長にそんな口の聞き方していいのかブリちゃんよ?
(ドラゴンは高圧的な態度ではあるが、ドラゴン同士ではそれが普通になっている。だから別にいいんじゃないか?)
あっ、お久しぶりです天の声さん。
(天の声とはなんだ!?)
まあまあ、そんなことはどうでもいいじゃないですか。とにかく、これから天の声さんって呼んだらあなたのことって覚えておいてくださいね。
(ちっ、わかったよ)
破壊神も丸くなったもんだぜ。ああ、今は俺の下僕か。
(貴様……)
「おい聞いてんのか荒巻?」
「あ、ごめん何?」
「いや、自己紹介とか話とかしろよ」
「あっすいません。荒巻健治と申します」
「そんなに堅苦しくなくてもいいぞ?」
「あ、そうですか?」
「おう、堅苦しいのはめんどくさいからな」
天の声さんのせいで聞いてなかったじゃん、もー。とりあえず、思ってたよりずっと村長さんが若い。もっと老けた感じのドラゴンが出てくると思ってたよ。現役バリバリじゃん。
「ドラゴンで現役じゃない奴なんていないぞ?」
……一応心読まれないようにはしてたんだけどなー、軽々しく越えてくるとは。これなら実力も充分すぎるほどありそうだ。
「ふむ、俺の実力は少しはわかったか?」
「ええ、そこで頼みがあります」
「堅苦しさがあまり取れていないが……まあいい、言ってみろ」
「ここの領土と、俺の管轄下に置かれているアルタシアという領土の王になってもらいたいんだ」
「急なタメ語、俺は好きだぞ。ちょっと考えさせてくれ」
……沈黙が辛い。向こうさんも考えてくれているんだろうけど簡単に首を縦に振るわけにもいかない話だからな。なんにせよこっちは心覗かれていて向こうの心は全くわからないのが辛い。
「すまない、この話は持ち帰って他の奴らに問うてもいいか?」
「勿論です。アルタシアにも一度来てもらって、それからということで」
「案内頼めるか?」
「わかりました」
「では今から行こう」
えっと……眠いんですがそれは。ドラゴンはずるいんだよ本当に。人間には睡眠が必要なの!
「ああ、すまんすまん。寝床は貸してやる。明日にアルタシアとやらに案内してくれ。先に他の奴らに聞いておこう」
「よろしくお願いします」
というわけで部屋に通された。寝床として自由に使っていいよ、って言われたんだけど……これはさすがに緊張する……。
今までドラゴンの村に人間、というか他の種族が来たことなんてなかったからドラゴン用以外の部屋が無いらしい。一応今後アルタシアとかの人間にもこの村を利用してもらうつもりで、そのことは村長さんに言っておいた。だから、そのうち人間用の物も増えていくだろう。つまり今度ここに来るであろう人達は大丈夫だと思うんだが、今来た俺にはそういうわけにもいかない。
ということで、ドラゴンが寝返りを打っても問題ないでかさの部屋に通されました。ひとりぼっち怖いよー。シャルティアたんとかミツハたんとか、サリエル様と一緒に寝たいよー。
クズ発言はこの程度にして寝るか。まあ居心地は悪いけど、結局眠いから寝れちゃうんだよね。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「おはよう荒巻、村のみんなを連れてきた。全員オッケーだそうだ。一応はアルタシアのほうに連れていってもらうが、ほとんど決定と思ってくれて構わん」
寝起きにみんなで押しかけてきて重大発表するのやめて……頭ガンガンする……。
「おお、すまんすまん。みんな、帰っていいぞ」
「俺らの村長をよろしくな人間」
「頼んだぜ人間」
まあ、良かったのかな……とりあえず何も考えれないからもうちょっとだけ寝かせて……。
そして、俺は意識を手放した。
「さっきいったばっかだしまだ戻ってきてないんじゃないか?」
「そんなこと言ってるといつの間にか戻って来てて、またどこかへ行ってるかもしれないぞ?」
「そんなにすぐに出発するの?」
「まあドラゴンは短気だからな。睡眠も人間なんかと比べるとかなり少なくて済むしな」
「マジかよ、いつもどれくらい寝てるんだ?」
「一週間に一回寝るか寝ないかだな。寝る時も五時間くらい寝たら全回復する」
「うわー、俺ドラゴンに生まれたかった」
一週間に五時間しか寝なくて済むなら、一日六時間寝る計算だと一週間で約四十時間も余分に動けるじゃねぇか。ずるい、ドラゴンずるい。
四十時間もあったら、ゲームがどれだけ進むことか。いままでは切り捨てていた他のゲームや、旨みの少なめの周回とかも出来るじゃん。うわー、ドラゴンずるい。
「なんだその目は……」
「ドラゴンずるい」
「そんなこと言ってないでさっさと乗るがいい」
「わかったよ」
俺はブリちゃんの背中に乗って先程までいたドラゴンの村長の家に向かった。もしそこに村長がいなくても、勝手に村長の家を借りて寝る気だったらしいが、村長は飯を食っている数時間の間に帰って来ていた。これで色んな人に怒られなくて済むわー、良かった良かった。
「こんばんは、村長さん」
「なんだ貴様は」
「俺様が連れてきたんだ。話があるらしい、聞いてやってくれ」
いやいや、仮にも村長にそんな口の聞き方していいのかブリちゃんよ?
(ドラゴンは高圧的な態度ではあるが、ドラゴン同士ではそれが普通になっている。だから別にいいんじゃないか?)
あっ、お久しぶりです天の声さん。
(天の声とはなんだ!?)
まあまあ、そんなことはどうでもいいじゃないですか。とにかく、これから天の声さんって呼んだらあなたのことって覚えておいてくださいね。
(ちっ、わかったよ)
破壊神も丸くなったもんだぜ。ああ、今は俺の下僕か。
(貴様……)
「おい聞いてんのか荒巻?」
「あ、ごめん何?」
「いや、自己紹介とか話とかしろよ」
「あっすいません。荒巻健治と申します」
「そんなに堅苦しくなくてもいいぞ?」
「あ、そうですか?」
「おう、堅苦しいのはめんどくさいからな」
天の声さんのせいで聞いてなかったじゃん、もー。とりあえず、思ってたよりずっと村長さんが若い。もっと老けた感じのドラゴンが出てくると思ってたよ。現役バリバリじゃん。
「ドラゴンで現役じゃない奴なんていないぞ?」
……一応心読まれないようにはしてたんだけどなー、軽々しく越えてくるとは。これなら実力も充分すぎるほどありそうだ。
「ふむ、俺の実力は少しはわかったか?」
「ええ、そこで頼みがあります」
「堅苦しさがあまり取れていないが……まあいい、言ってみろ」
「ここの領土と、俺の管轄下に置かれているアルタシアという領土の王になってもらいたいんだ」
「急なタメ語、俺は好きだぞ。ちょっと考えさせてくれ」
……沈黙が辛い。向こうさんも考えてくれているんだろうけど簡単に首を縦に振るわけにもいかない話だからな。なんにせよこっちは心覗かれていて向こうの心は全くわからないのが辛い。
「すまない、この話は持ち帰って他の奴らに問うてもいいか?」
「勿論です。アルタシアにも一度来てもらって、それからということで」
「案内頼めるか?」
「わかりました」
「では今から行こう」
えっと……眠いんですがそれは。ドラゴンはずるいんだよ本当に。人間には睡眠が必要なの!
「ああ、すまんすまん。寝床は貸してやる。明日にアルタシアとやらに案内してくれ。先に他の奴らに聞いておこう」
「よろしくお願いします」
というわけで部屋に通された。寝床として自由に使っていいよ、って言われたんだけど……これはさすがに緊張する……。
今までドラゴンの村に人間、というか他の種族が来たことなんてなかったからドラゴン用以外の部屋が無いらしい。一応今後アルタシアとかの人間にもこの村を利用してもらうつもりで、そのことは村長さんに言っておいた。だから、そのうち人間用の物も増えていくだろう。つまり今度ここに来るであろう人達は大丈夫だと思うんだが、今来た俺にはそういうわけにもいかない。
ということで、ドラゴンが寝返りを打っても問題ないでかさの部屋に通されました。ひとりぼっち怖いよー。シャルティアたんとかミツハたんとか、サリエル様と一緒に寝たいよー。
クズ発言はこの程度にして寝るか。まあ居心地は悪いけど、結局眠いから寝れちゃうんだよね。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「おはよう荒巻、村のみんなを連れてきた。全員オッケーだそうだ。一応はアルタシアのほうに連れていってもらうが、ほとんど決定と思ってくれて構わん」
寝起きにみんなで押しかけてきて重大発表するのやめて……頭ガンガンする……。
「おお、すまんすまん。みんな、帰っていいぞ」
「俺らの村長をよろしくな人間」
「頼んだぜ人間」
まあ、良かったのかな……とりあえず何も考えれないからもうちょっとだけ寝かせて……。
そして、俺は意識を手放した。
0
あなたにおすすめの小説
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー
芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。
42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。
下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。
約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。
それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。
一話当たりは短いです。
通勤通学の合間などにどうぞ。
あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。
完結しました。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
前世で薬漬けだったおっさん、エルフに転生して自由を得る
がい
ファンタジー
ある日突然世界的に流行した病気。
その治療薬『メシア』の副作用により薬漬けになってしまった森野宏人(35)は、療養として母方の祖父の家で暮らしいた。
爺ちゃんと山に狩りの手伝いに行く事が楽しみになった宏人だったが、田舎のコミュニティは狭く、宏人の良くない噂が広まってしまった。
爺ちゃんとの狩りに行けなくなった宏人は、勢いでピルケースに入っているメシアを全て口に放り込み、そのまま意識を失ってしまう。
『私の名前は女神メシア。貴方には二つ選択肢がございます。』
人として輪廻の輪に戻るか、別の世界に行くか悩む宏人だったが、女神様にエルフになれると言われ、新たな人生、いや、エルフ生を楽しむ事を決める宏人。
『せっかくエルフになれたんだ!自由に冒険や旅を楽しむぞ!』
諸事情により不定期更新になります。
完結まで頑張る!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる