4 / 15
プロローグ2
しおりを挟む何処からともなく酷い音が飛び交う
あぁ、ホントにこれは面倒だ。
一日のうちで明るいと言われる昼という時間帯のこと。でも明るいはずが薄暗く、砂塵が舞う外の風景
「シグ!チンタラするなよ!
この砂塵は、相手のメーガルだ!くそぅ、目眩しか?それとも攻撃……?」
隣の同じレジスタンスに所属しているサカハがそう教えてくれる。
「そうか。分かった」
「……お前ってホントブレないよなぁ」
まぁ、そこがいいんだけどさと言われる。
そうか?まぁ、サカハが言うから多分あっているんだろう。
砂塵は……どうするべきかな。
あ、そういえば前に砂に水を落としたらジメッてしたな。これ使えるか?
「なぁ、サカハ?」
「なんだあっ?」
「霧で砂塵に勝てる、か?」
はぁっ、とわざと大きな溜息を零して俺をみつめるサカハは、よく見ればなんだか笑っている?
「…………ホント、お前ってブレないなぁっ!
どうせ今思いついた事だろ?」
「うん」
サカハはいつも凄い。今も俺の気持ちが分かるようでいつも当ててくれる。
「しゃあねぇーな……シグの好奇心にかけてやるよ!!いざとなったら、相手のメーガルをメーガの量で打ち消せばいいしなぁっ!
『……我が求めんは水のメーガルなりて、我のメーガを用いて霧を生み出したまえ』!!」
ゴワッとサカハを中心に濃霧が現れた。
その光景をぼやりとしながら見ているだろう俺は、メーガの量で勝ったらしいサカハにお疲れ、とだけ一言伝えた。
*
「よし!防衛はなんとか耐え切ったみたいだな。なんでも、あの霧のおかげで帝国軍は統率を乱してそこにつけこんだらしいな!
よくやったぞ、サカハ、シグ」
受付にいるレジスタンスの幹部である男が、そう言って笑った。そうか、良かった。と俺も嬉しくなった
「俺のメーガルが勝っただけだから、あんま褒めんなって」
サカハは胸を張って笑ってる。褒めるなと言っておいて、どこか褒めて欲しそうだった。少なくとも、俺にはそう見えた。俺が言わなくちゃ、サカハが頑張ったんだって
「……俺は、殆ど何もしてなかったよ。
ずっとサカハの側にいるだけだった」
「嘘つけよ!
パニクってた俺を何時もの冷静さで助けてくれただろ?
謙遜すんなって!このこの~」
痛い、でもそこまででもない。脇腹を突っつかれるとまだ残ってる傷が痛むからいやなんだけどなぁ……まぁ、いいのか?
「お前たち、喜ぶのは良いが報告書きちんとまとめて提出するんだ。いいな?」
男は苦笑いとやらをして、紙を数枚渡した。サカハは、それを見て顔が一気に強張って一歩後ずさった。
「げっ……
し、シグ!お前の出番だぞ!報告書とか何書けば良いのか分かんねぇんだよ……!」
「文字、かくの難しいけど……頑張るよ」
頼む、と言われたからにはサカハは苦手なのだろうか?なんでもできそうなのに、なんだか意外だ。
「ありがとなっ!
流石、俺の自慢のアイボーだぜ!」
サカハはそう言ってバシバシ僕の背中を叩く。アイボーとは、なんだろうか?でも、言われて嫌な気はしない
「うん、こちらこそ
……後で報告書に書いた文字、ちゃんと書けているか見てくれるか?」
「良いぜー!見るだけなら、そんなの朝飯前だ!」
「ありがとう」
報告書の紙を持って、天幕へと戻った。
今日は疲れた。
しかし、天幕に戻ったらもう次の日付になっていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる