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2、我儘聖女ヒナ2

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そしてついには暴力沙汰に発展したのだ。
ある日、ヒナに魅せられた男子生徒が朝の校長先生の挨拶に割って入り、婚約者であった女性に婚約破棄を突きつけた。
その理由としては「アンナマリーに加担し、ヒナをいじめたから」だそうだ。
私はその方と話したことがないだけでなくそもそも面識自体がなかった。
完全に男子生徒側の言いがかりである。
婚約者がなぜそんなことをいうのと話し合おうと彼に近づこうとした。すると、その男子生徒はあろうことか婚約者に向かって魔法を放ち全治二ヶ月の大怪我を負わせたのだ。
これに対し女子生徒陣はもう抗議。大勢で男子生徒を非難した。
それに男子生徒陣とヒナは仕方がなかった。向こうが怪我を負わせようとしたから正当防衛である。逆にそんな婚約者に我慢していた男子生徒の方がかわいそうであるとして必死に弁解を始めた。
あろうことについにはさまざまなところで婚約者同士の喧嘩が勃発し出したのである。
行動は大混乱。
小一時間たった頃教師陣たちが立ち上がった。
私たちは暴力を振るった男子に謝罪させ、この場を収めてくれると思った。
だがしかし、
教師陣は女子生徒たちに叱責し、「被害者である男子生徒及び、その男子生徒を庇おうとされる健気なヒナ様を罵る方々はこの学院にふさわしくありません。」として、女子生徒全員をなんと退学処分にしたのだった。

これではもう学校はやってはいけない。
そこで国際政府は一度学院を廃校とし、新たに男子学校と女学校を設立した。
少し時間がたってみるとどこの家も今回の騒動の収束に動き出した。
婚約者に暴力を振るった男子生徒は家から勘当され、今は平民となったそうだ。どこの家でも婚約破棄の動きがあったがそのほとんどが男子生徒側が謝罪をし、丸くおさまったようである。
新しい学校にヒナが訪れることはなかった。
そのおかげで事態は落ち着き?穏やかな日常を取り戻したかのように思えた。
私だけを除いて。
また、ヒナを得意のアンナマリーが悪い悪い発言が始まり今回の騒動を全て私の責任とした。
「アンナマリーが派閥を作り男子生徒と女子生徒たちを仲違いさせた」と。
国際政府はそれを否定してくれたがヒナに熱心だった教師陣と教会側が彼女を弁護し私は今回の事件の犯人とはされなかったもののその事態を招いた一因として新しく建設された学校への入学を禁止された。
家族はそのことに猛抗議してくれた。また、ヒナを強制的に教会側へと帰し、今後一切ヒナ及び教師陣の入国を禁止した。
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