プレアデスの伝説 姫たちの建国物語

のらしろ

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第五章 プレアデス領国

第92話 船団の所属

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 俺は、巡視艇の操船をケリーに任せて、ドローンを飛ばす準備を始める。
 偵察用の少し大きなドローンを選んで、後部デッキに持っていった。
 そこから、ドローンの操縦前点検をその場で済ませて、簡易操縦装置を使い、目的の帆船に向けドローンを飛ばした。

 その後もう一度艦橋に戻り、ドローン操作盤となってしまった、艦橋にあるドローン監視装置を使い、帆船にある程度の高さを保って向かわせた。

「守様……」

「ああ、もう少しで相手の様子が画面上で見ることができそうだ」

 俺がケリーと話していると、レーダー担当の騎士が声をかけてきた。

「守様。
 画面上で国旗が判別できます。
 私達のいたハートポンド商業連合の旗と、ネザート家の家紋が見えます。
 フラン様のご実家の船のようですが」

 レーダー操作盤の隣りにあるドローン監視盤もレーダー担当者は見ていたようで、ドローンから送られてくる画像も監視していた。
 いや、監視というか興味本位で覗いていたのだろうが、誰よりも早く俺の知りたい情報を伝えてきた。

「ありがとう。
 で、ケリー。
 いまの報告だが……」

「ええ、あの船団はフラン様の家がお持ちの船のようです」

「軍隊というわけではないのだな」

「陸上でないので、決まった形での海軍は私達の国にはありませんでした。
 必要に応じで各家が持ち船を出して事に当てっておりましたので、あの船にも武装は当然積んであります」

 ケリーの話では、少なくともフランの母国であるハートポンド商業連合国には海軍がない、いや、俺も知っている話だが、必要に応じて海軍の働きを海賊や貿易商家にさせていたようだ。
 大学校で、歴史の授業で習ったことがあるが、大航海時代でのヨーロッパの各国が取っていた形だ。

 何せ海軍というやつは、とにかく金がかかる。
 もともと軍隊というのは金食い虫だが、とりわけ海軍はものすごい。
 治安維持だけに海軍の維持などできないが、それでも欲しい時はある。
 外国からの侵略を防ぐとか、逆に侵略していくような場合だが、そのために日頃は別に形で商売をさせておき、必要に応じて招集して使う仕組みだったな。

 多分、フランの国でも同様なんどあろう。
 帝国とか言ったやつらは知らんが、今こちらに向かってきているのはそういった連中になるにで、一応海軍として扱ったほうが無難だ。

 俺は無線機でフランを呼び出して、状況を知らせた。
 無線にはすぐにフランが出てくれた。
 よほど気になるのだろう。

「守様。
 なにかありましたか。
 相手の所属が判ったとか」

「ああ、ケリーたちが言うには、フランの実家の船が三隻の船団でこちらに向かっている。
 マストに掲げられた旗で確認が取れた」

「そうですか。
 では、以前助けた者たちから私の情報が伝わったのでしょうね」

「悪いが、この地の代表として連中に会わないといけなくなりそうなので、ダーナと一緒にむこうの浜で準備しておいてくれないか」

 今、向こうの浜とフランには伝えたが、俺の意図は伝わったかな。
 まあ、俺達が活動している浜と呼べる場所は、フランが今いる浜以外にはあそこしか無いが。

「私を連れ戻そうとされれば私は排除しますが、それでもよろしいでしょうか」

 フランには、俺の伝えた向こうの浜について何ら言及がなかったので、問題は無さそうなのだが、フランから帰ってきた言動は少々物騒だ。
 フランは植民都市に戻るつもりはないと言っている。
 しかし、実家を排除って少々乱暴のような気がするが、まあフランの性格も最近は大体わかってきているので『さもありなん』と言ったところか。

「ああ、だからダーナと一緒に行動してほしい。
 必要ならば俺も一緒に出迎えるが、正直相手が武装船でもあるようだし、俺はこの巡視艇で待機していたい」

 フランも俺と同じ考えのようで、一先ず相手の出方がわかるまでは俺に合わせるつもりは無さそうだ。
 まあ、俺もすぐには会いたくもないしな。

 もし、フランの親でも出てきたら俺はあの挨拶をしないとまずそうだし、そうなると他の嫁?のこともあるからどう説明すれば良いのか俺は知らない。
 もともと複数の嫁を娶ることなんぞ日本ではできないし、それを想定したドラマも無かったしな。

 でも、いずれは筋を通さないとまずいよな。
 頂くものを頂いてしまっている以上、どこかで考えないとまずい。
 フランの方は最後に無線で交わした話では、すぐに出迎えのための兵士も用意して向こうの浜に向かうと言っていた。

 しかし、『向こう』だの『こっち』だのと、そろそろもう一つ村を作るのでやたらと不便になってきている。
 名前を付けていく必要がありそうだ。
 尤も、これから作る村は天使村とでも付けておけば良いが、今俺達が拠点をおいている浜や、今『向こうの浜』と呼んでいる浜については真剣に考えないとまずそうだ。
 でないとまたとんでもない名前をつけられる予感がしてならない。
 
「守様。
 この後のことですが」

 俺がくだらないことを考えているとケリーが、次の指示を聞いてきた。

「我々の中で、使い勝手の良い武装力がこの船である以上、相手の出方がわかるまでこの船で待機かな」

「フラン様については」

「ああ、あっちの方はダーナと一緒に外交を頼んだ。
 無線を聞いたからわかると思うが、フランは植民都市に戻るつもりはないようだ」

「ええ、それは存じております。
 我々も、守様に助けていただきましたときから守様と一緒にいると覚悟を決めておりますので」

 ケリーの言い分ではフランの護衛騎士たちも植民都市に戻る気はサラサラ無いと言っている。

「だとする、この距離を取りながら船団に付いてまいります」

 本当に慣れてきたのか、俺と同じ考えのようで彼女らの成長を感じている。

「ああ、できるだけ見つからないように距離を維持してな。
 まあ、見つかっても問題はないが」

「大丈夫なのですか」

「ああ、既に以前助けた時に見られている以上、隠しても意味はないだろう。
 ただ、あの船の乗船している全員が知っているわけでないので刺激したくないだけだ」

「そうですね。
 あのとき助けた人たちが、好き好んでこちらに来るとも思えませんし、いるとしても案内程度の人数でしょうから、船長か航海士程度の数人でしょうしね」

 フランの予想は俺と同じで、あの船団にいるほとんどの人間は、この世界ではまず見ることのないこの船の存在を知らないはずだ。
 一応あの船団の船長や航海士などの上層部の者についてはこの船の噂程度くらいは聞いているだろうが、そうそう想像できるようなものでもないだろう。
 それだけに下手に刺激して攻撃されるようならばこちらから反撃しないと外交的にもまずそうだし、できれば要らないトラブルは避けたい。
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