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26.友人の非常事態
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その後は、幸さんは普通に高校に通うようになり、俺たちにも日常が始まった。
仕事そのものは忙しくはないが、全く無い訳でもない。
とにかく外交にも使うと言ことで、俺たちは大使とその家族をクルーザーに招待してクルージングを楽しんだ。
そこで、大使から一つの要望が入る。
コックをどうにかできないかということだ。
当面は東京湾内をナイトクルージングか何かでごまかすことも可能なのだが、将来的にはどうしても内輪でコックを用意してほしいとのことだ。
どうしても秘匿しておかないといけないよう話を船上でおこなうのに、情報が洩れるのを防ぐために乗員だけで外部の人を一時的にでも入れたくはないそうだ。
俺たちはそれこそ、毎日のように盗聴器の確認をしているが、人から漏れるのも防ぐ必要がある。
そんなことを言われたので、とりあえず殿下にもアプリコットさんを通して相談しておいた。
葵さんにでも料理を作ってもらうとかの案もあったけど、葵さんって料理が苦手だった。
これには驚いた。
正直俺は葵さんのこと完璧超人だと思っていたけど、料理に弱点があったとは、幸さんの方が料理は上手らしい。
今はメイドさんや、アプリコットさんにも料理に挑戦してもらったけど、お客様に出せるレベルではない。
仕方なく当分は、出来合いをお出しして間に合わせて行くことになった。
幸いなことに宴席だけだと冷凍食品でもごまかせそうだ。
何せ最近の日本の冷凍食品は侮れない。
おいしいものもたくさんあるのだ。
宴席でのオードブルくらいならばかえって冷凍の方が融通が利く分だけ喜ばれたりもするが、正直上流階級の方に対してはちょっとという気持ちもある。
乗船前に、一応は冷凍食品でのオードブルになることを了承してもらうことで、どうにかしのいでいく。
そんな感じで何度かのクルージングの仕事をこなしてひと月近くが過ぎた。
幸さんも学校では浮いた存在になりがちだったようだが、最近になって話をする友人もできたようだ。
相手もクラスで浮きがちな女性らしい。
そのあたりはどこで調べ来るのかわからないが、さすが情報部出身と言いたいアプリコットさんが調べて俺の報告してくれる。
まあ、幸さんの安全も俺たちに課せられた使命の一つではあるから、何も言うつもりはないが、幸さんが浮いている原因というのがどうも俺にあるらしい。
さすがに高校一年生で経験のある女生徒の方がはるかに少ないとは思う。
が、それだけならば幸さんのように浮いたりはしないだろう。
問題はその相手が俺だというのが根底にあるらしい。
コイバナができるような相手では確かに無いわ。
何せ王族から下賜されたのが葵さんと幸さんで、同じ男に母娘で抱かれているなんてクラスメイトに言えるはずがない。
そんな秘密があるためか、どうしてもクラスで浮きがちなのだそうだ。
美人であることも関係するようで、男子生徒からも特別な視線を浴びているのが気に入らない女性もいるらしくて、同じように浮いていた美人の女生徒と仲良くなったらしい。
その女性も暗い感じのする美人で、他の女生徒から浮きがちだったようで、同じ境遇にある者同士話をする関係になってきたと、俺は聞いている。
そんな平穏な生活が一月近く続いた。
俺のリストラから始まったとんでも生活も、確かに生活自身は普通とは口が裂けても言えないが、それでも日常というものがある。
今俺たちは、言葉を探して言うのならただれた日常の生活を続けていた。
このまま平穏に時が過ぎていくのもいいかなと考えていると、考えがフラグにでもなったのかといいたいくらいに日常が壊された。
その第一報はGWに入り幸さんの通う高校は十日ばかりの連休に入るのだが、その連休の初日に幸さんは電話で高校の友人から呼び出された。
出ていく時にも幸さんはかなりあわただしく出て行ったが、家を出てから30分とかからずに俺に電話を入れてきた。
最初は英語で何かまくし立ててきたので、全く理解できなかったが、多分傍に居る友人だろうか、その女性の声がしたらと思ったら、日本語で『助けてください』と言ってきた。
よくよく話を聞くと、彼女の友人の母親が家で倒れ、苦しそうにしているという。
それならば俺ならすぐに救急車と考えるが、どうもその友人というのが訳アリのようで、救急車を呼べないという。
とにかく俺が現場に向かうと、少女二人がかなり困った顔をして立ちすくんでいる。
俺は、幸さんの友人の女性に、とにかく母親のところに連れて行ってくれとお願いをして、彼女の自宅に向かう。
そこは相当年代物の公営住宅で、今では空き室もあっちこっちに出ているようなところだった。
部屋に入ると、きれいに掃除はされているが、物は無く一目で困窮しているとわかる。
健保や国保に加盟していないのだろう。
俺は電話でアプリコットに病院の手配と救急車を呼んでもらった。
友人の女性が、「お金がないから困ると」言っていたけど、「俺が持つから問題ないと」と答えて、病院に連れて行った。
仕事そのものは忙しくはないが、全く無い訳でもない。
とにかく外交にも使うと言ことで、俺たちは大使とその家族をクルーザーに招待してクルージングを楽しんだ。
そこで、大使から一つの要望が入る。
コックをどうにかできないかということだ。
当面は東京湾内をナイトクルージングか何かでごまかすことも可能なのだが、将来的にはどうしても内輪でコックを用意してほしいとのことだ。
どうしても秘匿しておかないといけないよう話を船上でおこなうのに、情報が洩れるのを防ぐために乗員だけで外部の人を一時的にでも入れたくはないそうだ。
俺たちはそれこそ、毎日のように盗聴器の確認をしているが、人から漏れるのも防ぐ必要がある。
そんなことを言われたので、とりあえず殿下にもアプリコットさんを通して相談しておいた。
葵さんにでも料理を作ってもらうとかの案もあったけど、葵さんって料理が苦手だった。
これには驚いた。
正直俺は葵さんのこと完璧超人だと思っていたけど、料理に弱点があったとは、幸さんの方が料理は上手らしい。
今はメイドさんや、アプリコットさんにも料理に挑戦してもらったけど、お客様に出せるレベルではない。
仕方なく当分は、出来合いをお出しして間に合わせて行くことになった。
幸いなことに宴席だけだと冷凍食品でもごまかせそうだ。
何せ最近の日本の冷凍食品は侮れない。
おいしいものもたくさんあるのだ。
宴席でのオードブルくらいならばかえって冷凍の方が融通が利く分だけ喜ばれたりもするが、正直上流階級の方に対してはちょっとという気持ちもある。
乗船前に、一応は冷凍食品でのオードブルになることを了承してもらうことで、どうにかしのいでいく。
そんな感じで何度かのクルージングの仕事をこなしてひと月近くが過ぎた。
幸さんも学校では浮いた存在になりがちだったようだが、最近になって話をする友人もできたようだ。
相手もクラスで浮きがちな女性らしい。
そのあたりはどこで調べ来るのかわからないが、さすが情報部出身と言いたいアプリコットさんが調べて俺の報告してくれる。
まあ、幸さんの安全も俺たちに課せられた使命の一つではあるから、何も言うつもりはないが、幸さんが浮いている原因というのがどうも俺にあるらしい。
さすがに高校一年生で経験のある女生徒の方がはるかに少ないとは思う。
が、それだけならば幸さんのように浮いたりはしないだろう。
問題はその相手が俺だというのが根底にあるらしい。
コイバナができるような相手では確かに無いわ。
何せ王族から下賜されたのが葵さんと幸さんで、同じ男に母娘で抱かれているなんてクラスメイトに言えるはずがない。
そんな秘密があるためか、どうしてもクラスで浮きがちなのだそうだ。
美人であることも関係するようで、男子生徒からも特別な視線を浴びているのが気に入らない女性もいるらしくて、同じように浮いていた美人の女生徒と仲良くなったらしい。
その女性も暗い感じのする美人で、他の女生徒から浮きがちだったようで、同じ境遇にある者同士話をする関係になってきたと、俺は聞いている。
そんな平穏な生活が一月近く続いた。
俺のリストラから始まったとんでも生活も、確かに生活自身は普通とは口が裂けても言えないが、それでも日常というものがある。
今俺たちは、言葉を探して言うのならただれた日常の生活を続けていた。
このまま平穏に時が過ぎていくのもいいかなと考えていると、考えがフラグにでもなったのかといいたいくらいに日常が壊された。
その第一報はGWに入り幸さんの通う高校は十日ばかりの連休に入るのだが、その連休の初日に幸さんは電話で高校の友人から呼び出された。
出ていく時にも幸さんはかなりあわただしく出て行ったが、家を出てから30分とかからずに俺に電話を入れてきた。
最初は英語で何かまくし立ててきたので、全く理解できなかったが、多分傍に居る友人だろうか、その女性の声がしたらと思ったら、日本語で『助けてください』と言ってきた。
よくよく話を聞くと、彼女の友人の母親が家で倒れ、苦しそうにしているという。
それならば俺ならすぐに救急車と考えるが、どうもその友人というのが訳アリのようで、救急車を呼べないという。
とにかく俺が現場に向かうと、少女二人がかなり困った顔をして立ちすくんでいる。
俺は、幸さんの友人の女性に、とにかく母親のところに連れて行ってくれとお願いをして、彼女の自宅に向かう。
そこは相当年代物の公営住宅で、今では空き室もあっちこっちに出ているようなところだった。
部屋に入ると、きれいに掃除はされているが、物は無く一目で困窮しているとわかる。
健保や国保に加盟していないのだろう。
俺は電話でアプリコットに病院の手配と救急車を呼んでもらった。
友人の女性が、「お金がないから困ると」言っていたけど、「俺が持つから問題ないと」と答えて、病院に連れて行った。
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