23 / 30
第23話 僕と黒柳の説明
しおりを挟む
次の日、学校に向かおうと家を出たところで声をかけられた。
「おはよう、菊池君」
そこにはパリッとしたセーラ服を着た黒柳が待ち受けていた。爽やかな朝日に照らされて、笑顔で出迎えてくれたが、僕が学校に行かないのではないかと不安になっての行動だろう。ただ、そんな事を何一つ言わずに普段通りな顔をしている彼女に気を遣っていつも通りあいさつをする事にした。
「おはよう。今日も良い天気だね」
「そうね。良い天気ね。じゃあ、学校に行きましょう」
それから、僕達は特に話をすることもなく、校門に到着した。
昨日と同じ通学路。しかし、その道のりは足が重く、黒柳が隣にいてくれなければ途中で引き返していたかも知れない。
一年間、通った学校なのに、今日はなんだか知らない学校に入るような気分で、緊張していた。
立ち止まった僕を待つように、黒柳は校門のなかで待っている。
何か言うでもなく、ただ黙ってじっと待っていた。
僕は一つ大きく息を吐くと一歩、踏み出した。
普段通りの下駄箱で上履きに履き替えて、教室に向かう。まるで昨日の事が夢だったように、普段と変わらない風景だった。
しかし、教室に入ってクラスメイトの冷たい目線に晒された時に現実に戻され、机の上の落書きを見て、昨日の事が紛れもない現実だと確認出来てしまった。
僕が鞄を置き、椅子に座ると、こそこそと話す声が聞こえてくる。
それを無視して、教室を見ると高橋達はまだ来ていなかった。高橋達が首謀者と言うことは分かっている。彼らがいないところで何を言ってもしょうがないだろう。そんな事を考えていると当人がご機嫌で教室に入ってきた。
ぺったんこの鞄を肩越しに担いで、入ってくると同時に朝のあいさつをする。自分の席に荷物を置くとまっすぐ僕のところに来た。
「よう、卑怯者。良くこられたな。俺なら恥ずかしくて自殺するけどな。女子を脅して自分の言いなりにさせるなんて事をしたらな」
彼から昨日の話題を振ってきた。絶好のチャンスだった。ここ説明しなければチャンスは訪れないかもしれない。それ以前に僕の心が持たない。僕は立ち上がって教室を見回して言った。
「その件なんだけど、みんなも聞いて欲しい。誤解なんだ」
「何が誤解なんだよ。図星を突かれたから昨日は逃げたんだろうが! 一晩でどんな言い訳を考えてきたんだ? みんなに言ってみろよ。聞いてやるぜ」
「この前、カラオケ大会で僕と武田さんがペアになっただろう――」
僕は武田と動植物園に行くことになった経緯を一部始終話した。その中には武田が屋上で悩んでいたことは詳しく話をせず、ただ、悩みを聞いたとだけ説明した。そして、彼女の告白についても黙っていた。
色々と簡略化はしたが、全て事実を話した。
その話を聞いた高橋は笑い始めた。
僕はそんな彼の態度に少しいらだちを覚えながら言った。
「なんで笑っているんだよ。これで誤解だって分かっただろう」
「なんで笑ってるかって? ふざけるな!」
そう言って高橋は、落書きだらけの机を蹴っ飛ばした。机は派手な音を立てて倒れ、中に入っていた教科書やノートが茶色い木の床に散乱した。
高橋はそうして、俺の胸ぐらを掴んだ。
「たまたま学校のアイドルの悩みを聞いた? それまで、なんの接点もなかったのに? 相原って昔からの親友がいるって言うのに? 武田はお前なんかに悩みを打ち明けたって言うのか? 冗談にもほどがある」
「そうよ、なんで英里はわたしじゃなくて、あんたなんかに言うのよ。適当なことを言わないで」
高橋の言葉に、いつも武田一緒に居る背の低い女の子が文句を言ってきた。その子は動植物園に行ったときに、彼女の話によく出てきた相原愛だった。小学校から武田と一緒らしく、昔から身体の小さかった彼女は小学生の時に男の子にからかわれて、それを武田が庇ってからの付き合いらしい。いわゆる幼馴染みという奴だ。
「わたしはいつも、英里に悩みを聞いてもらっていたのよ。だから、彼女に悩みがあるなら、絶対にわたしにが相談するはずよ」
「俺もそう思うぞ。みんなも思うだろう」
高橋の言葉に周りのみんなも賛同の声を上げる。
普通に考えれば、仲の良い友人に悩みを打ち明けるのが普通だろう。けれど、彼女はそうはしなかった。それはなぜだろうか。タイミングの問題だったのかもしれない。悩んでいたときに、たまたま僕がそこにいただけだろうか。
その問いに答えたのは、それまでじっと聞いていた黒柳だった。
「それは、あなたが彼女の事を昔から知っているからこそ、相談できなかったんじゃないの?」
「どういうことよ。転校してきて一年も経っていない黒柳さんに、英里の何が分かるのよ」
「じゃあ、相原さんは英里ちゃんの事をどれだけ知ってるの? どんな女の子だと思ってる?」
黒柳は一歩も引かずに、ふわふわのウェーブのかかった肩下までのばした髪の女子に尋ねた。相原は突然の質問に驚いたような顔をした。
そして、何を当たり前な事をいっているのかといった風に答えた。
「英里は王子様なの。みんなに優しくて、勉強もスポーツも何でも出来て、弱音なんて吐かないの。そうよ。英里が弱音なんて吐かないのよ。わたし、一度も英里が弱音を吐いた事なんて見たことがない。だから、こんな奴相手に悩みを打ち明けるっておかしいのよ。ねえ、誰か英里が弱音や愚痴を言ったのを見たことがある?」
彼女のことを一番知っているというプライドがあるのだろう。相原はみんなに問いかけた。このクラスには彼女以外にも武田と同じ中学校から来ている人もいる。その誰もが、武田に悩みを聞いて貰った事はあっても、逆はなかった。
「ほら、やっぱり高橋君の言うように、こいつのでっち上げよ」
今やクラスのリーダー格の高橋よりも、いつもはおとなしい相原の方が、興奮気味に僕を糾弾し始めた。
相原の言葉を聞いていた黒柳が、静かに口を開いた。
「だからじゃないの?」
「なにがよ!」
「みんなして、彼女を完璧と思い込んで、彼女に甘えて、期待して、彼女が弱音を吐けないように型にはめたんじゃないの? だから、彼女のことを完璧な王子様だなんてまったく思っていなかった菊池君にこそ、弱音を吐けたんじゃないの?」
実際にはあの時点で僕は武田のことを知っていたし、持っていたイメージとしては他のみんなと変わらなかった。ただ、彼女に対してそれほど興味が無かっただけだった。自分とはあまり関わりがない人間だと。その時はただ、熱中症など体調が悪くないか気になって声をかけただけだった。
悩みなど聞く気も無かった。結果として、彼女が勝手に話し始めたというのが、僕のイメージだった。
そんな黒柳の言い分に相原は噛みついた。
「そんなの、あなたの勝手な推測じゃない」
「じゃあ、本人に聞いてみたらいいじゃない。ねえ、英里ちゃん。教室に入ったらどう?」
「おはよう、菊池君」
そこにはパリッとしたセーラ服を着た黒柳が待ち受けていた。爽やかな朝日に照らされて、笑顔で出迎えてくれたが、僕が学校に行かないのではないかと不安になっての行動だろう。ただ、そんな事を何一つ言わずに普段通りな顔をしている彼女に気を遣っていつも通りあいさつをする事にした。
「おはよう。今日も良い天気だね」
「そうね。良い天気ね。じゃあ、学校に行きましょう」
それから、僕達は特に話をすることもなく、校門に到着した。
昨日と同じ通学路。しかし、その道のりは足が重く、黒柳が隣にいてくれなければ途中で引き返していたかも知れない。
一年間、通った学校なのに、今日はなんだか知らない学校に入るような気分で、緊張していた。
立ち止まった僕を待つように、黒柳は校門のなかで待っている。
何か言うでもなく、ただ黙ってじっと待っていた。
僕は一つ大きく息を吐くと一歩、踏み出した。
普段通りの下駄箱で上履きに履き替えて、教室に向かう。まるで昨日の事が夢だったように、普段と変わらない風景だった。
しかし、教室に入ってクラスメイトの冷たい目線に晒された時に現実に戻され、机の上の落書きを見て、昨日の事が紛れもない現実だと確認出来てしまった。
僕が鞄を置き、椅子に座ると、こそこそと話す声が聞こえてくる。
それを無視して、教室を見ると高橋達はまだ来ていなかった。高橋達が首謀者と言うことは分かっている。彼らがいないところで何を言ってもしょうがないだろう。そんな事を考えていると当人がご機嫌で教室に入ってきた。
ぺったんこの鞄を肩越しに担いで、入ってくると同時に朝のあいさつをする。自分の席に荷物を置くとまっすぐ僕のところに来た。
「よう、卑怯者。良くこられたな。俺なら恥ずかしくて自殺するけどな。女子を脅して自分の言いなりにさせるなんて事をしたらな」
彼から昨日の話題を振ってきた。絶好のチャンスだった。ここ説明しなければチャンスは訪れないかもしれない。それ以前に僕の心が持たない。僕は立ち上がって教室を見回して言った。
「その件なんだけど、みんなも聞いて欲しい。誤解なんだ」
「何が誤解なんだよ。図星を突かれたから昨日は逃げたんだろうが! 一晩でどんな言い訳を考えてきたんだ? みんなに言ってみろよ。聞いてやるぜ」
「この前、カラオケ大会で僕と武田さんがペアになっただろう――」
僕は武田と動植物園に行くことになった経緯を一部始終話した。その中には武田が屋上で悩んでいたことは詳しく話をせず、ただ、悩みを聞いたとだけ説明した。そして、彼女の告白についても黙っていた。
色々と簡略化はしたが、全て事実を話した。
その話を聞いた高橋は笑い始めた。
僕はそんな彼の態度に少しいらだちを覚えながら言った。
「なんで笑っているんだよ。これで誤解だって分かっただろう」
「なんで笑ってるかって? ふざけるな!」
そう言って高橋は、落書きだらけの机を蹴っ飛ばした。机は派手な音を立てて倒れ、中に入っていた教科書やノートが茶色い木の床に散乱した。
高橋はそうして、俺の胸ぐらを掴んだ。
「たまたま学校のアイドルの悩みを聞いた? それまで、なんの接点もなかったのに? 相原って昔からの親友がいるって言うのに? 武田はお前なんかに悩みを打ち明けたって言うのか? 冗談にもほどがある」
「そうよ、なんで英里はわたしじゃなくて、あんたなんかに言うのよ。適当なことを言わないで」
高橋の言葉に、いつも武田一緒に居る背の低い女の子が文句を言ってきた。その子は動植物園に行ったときに、彼女の話によく出てきた相原愛だった。小学校から武田と一緒らしく、昔から身体の小さかった彼女は小学生の時に男の子にからかわれて、それを武田が庇ってからの付き合いらしい。いわゆる幼馴染みという奴だ。
「わたしはいつも、英里に悩みを聞いてもらっていたのよ。だから、彼女に悩みがあるなら、絶対にわたしにが相談するはずよ」
「俺もそう思うぞ。みんなも思うだろう」
高橋の言葉に周りのみんなも賛同の声を上げる。
普通に考えれば、仲の良い友人に悩みを打ち明けるのが普通だろう。けれど、彼女はそうはしなかった。それはなぜだろうか。タイミングの問題だったのかもしれない。悩んでいたときに、たまたま僕がそこにいただけだろうか。
その問いに答えたのは、それまでじっと聞いていた黒柳だった。
「それは、あなたが彼女の事を昔から知っているからこそ、相談できなかったんじゃないの?」
「どういうことよ。転校してきて一年も経っていない黒柳さんに、英里の何が分かるのよ」
「じゃあ、相原さんは英里ちゃんの事をどれだけ知ってるの? どんな女の子だと思ってる?」
黒柳は一歩も引かずに、ふわふわのウェーブのかかった肩下までのばした髪の女子に尋ねた。相原は突然の質問に驚いたような顔をした。
そして、何を当たり前な事をいっているのかといった風に答えた。
「英里は王子様なの。みんなに優しくて、勉強もスポーツも何でも出来て、弱音なんて吐かないの。そうよ。英里が弱音なんて吐かないのよ。わたし、一度も英里が弱音を吐いた事なんて見たことがない。だから、こんな奴相手に悩みを打ち明けるっておかしいのよ。ねえ、誰か英里が弱音や愚痴を言ったのを見たことがある?」
彼女のことを一番知っているというプライドがあるのだろう。相原はみんなに問いかけた。このクラスには彼女以外にも武田と同じ中学校から来ている人もいる。その誰もが、武田に悩みを聞いて貰った事はあっても、逆はなかった。
「ほら、やっぱり高橋君の言うように、こいつのでっち上げよ」
今やクラスのリーダー格の高橋よりも、いつもはおとなしい相原の方が、興奮気味に僕を糾弾し始めた。
相原の言葉を聞いていた黒柳が、静かに口を開いた。
「だからじゃないの?」
「なにがよ!」
「みんなして、彼女を完璧と思い込んで、彼女に甘えて、期待して、彼女が弱音を吐けないように型にはめたんじゃないの? だから、彼女のことを完璧な王子様だなんてまったく思っていなかった菊池君にこそ、弱音を吐けたんじゃないの?」
実際にはあの時点で僕は武田のことを知っていたし、持っていたイメージとしては他のみんなと変わらなかった。ただ、彼女に対してそれほど興味が無かっただけだった。自分とはあまり関わりがない人間だと。その時はただ、熱中症など体調が悪くないか気になって声をかけただけだった。
悩みなど聞く気も無かった。結果として、彼女が勝手に話し始めたというのが、僕のイメージだった。
そんな黒柳の言い分に相原は噛みついた。
「そんなの、あなたの勝手な推測じゃない」
「じゃあ、本人に聞いてみたらいいじゃない。ねえ、英里ちゃん。教室に入ったらどう?」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
愛のゆくえ【完結】
春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした
ですが、告白した私にあなたは言いました
「妹にしか思えない」
私は幼馴染みと婚約しました
それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか?
☆12時30分より1時間更新
(6月1日0時30分 完結)
こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね?
……違う?
とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。
他社でも公開
【完結】探さないでください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
私は、貴方と共にした一夜を後悔した事はない。
貴方は私に尊いこの子を与えてくれた。
あの一夜を境に、私の環境は正反対に変わってしまった。
冷たく厳しい人々の中から、温かく優しい人々の中へ私は飛び込んだ。
複雑で高級な物に囲まれる暮らしから、質素で簡素な物に囲まれる暮らしへ移ろいだ。
無関心で疎遠な沢山の親族を捨てて、誰よりも私を必要としてくれる尊いこの子だけを選んだ。
風の噂で貴方が私を探しているという話を聞く。
だけど、誰も私が貴方が探している人物とは思わないはず。
今、私は幸せを感じている。
貴方が側にいなくても、私はこの子と生きていける。
だから、、、
もう、、、
私を、、、
探さないでください。
行かないで、と言ったでしょう?
松本雀
恋愛
誰よりも愛した婚約者アルノーは、華やかな令嬢エリザベートばかりを大切にした。
病に臥せったアリシアの「行かないで」――必死に願ったその声すら、届かなかった。
壊れた心を抱え、療養の為訪れた辺境の地。そこで待っていたのは、氷のように冷たい辺境伯エーヴェルト。
人を信じることをやめた令嬢アリシアと愛を知らず、誰にも心を許さなかったエーヴェルト。
スノードロップの咲く庭で、静かに寄り添い、ふたりは少しずつ、互いの孤独を溶かしあっていく。
これは、春を信じられなかったふたりが、
長い冬を越えた果てに見つけた、たったひとつの物語。
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
婚約破棄ブームに乗ってみた結果、婚約者様が本性を現しました
ラム猫
恋愛
『最新のトレンドは、婚約破棄!
フィアンセに婚約破棄を提示して、相手の反応で本心を知ってみましょう。これにより、仲が深まったと答えたカップルは大勢います!
※結果がどうなろうと、我々は責任を負いません』
……という特設ページを親友から見せられたエレアノールは、なかなか距離の縮まらない婚約者が自分のことをどう思っているのかを知るためにも、この流行に乗ってみることにした。
彼が他の女性と仲良くしているところを目撃した今、彼と婚約破棄して身を引くのが正しいのかもしれないと、そう思いながら。
しかし実際に婚約破棄を提示してみると、彼は豹変して……!?
※『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる