30 / 30
第30話 エピローグ
しおりを挟む
次の日の朝、僕達は付き合い始めた宣言をした。
本来なら、こんなことをする必要は無かったのだが、高橋の虚言のせいで疑われた僕と武田の関係をはっきりさせるために宣言することにした。
それを聞いて高橋はまだブツブツと文句を言っていたが、すでにこのクラスには彼の話をまともに聞く者は誰一人としていなかった。
それまではクラスのリーダー的な彼は、それまでの僕以上に誰からも相手にされない存在になってしまった。
イジメを許さない武田の目があるため、僕がされたような積極的な物はないが、毒物を見るようにみんな、彼に近づかなくなっていた。
そんな彼の姿を見て僕は、単純にザマーミロという気分にはなれなかった。
暴走したとは言え、彼は彼なりの正義で動いたのだろう。その底にある下心が彼の目を曇らせたのだとしても。
だからと言って、同情する気にもなれなかった。
結果、僕もクラスのみんなと同じように彼に関わろうとしなかった。それは、僕からすると今回の事が起こる前の状況に戻っただけだと言えばそれだけなのだが。
そして、黒柳は恋の魔女として活躍して、たった半年で黒柳の占いはすごく当たると校内で評判になり、その美貌と相まって、学校中で知らぬ人がいない存在になった。特に女子には大人気だった。
そして、僕と武田は屋上で次のデートの予定を立てようとしていた。
「それで、今度の日曜日なんだけど、練習がオフになったから、どこか行こうよ」
「いいね。日曜日なら天気も良いみたいだし。どこに行く?」
「そうね。久しぶりに、初めてデートした動植物園なんてどう?」
「いいわね」
暇な僕と違って、恋人同士になったからといって、陸上で忙しい彼女と頻繁にデートなど出来ない。
電話やメールは毎日のようにやりとりをしているし、同じクラスなのだから学校に来れば会って話もする。
それでも、デートをするということは特別なのだ。
そう、僕達のデートは特別なのだ。
「月子にメールしたら、その日OKだって」
「良かった。つーちゃんも最近忙しそうだもんな」
そう、僕達のデートは三人で行く。
誰かが言った。
初恋は実らないものだと。
僕達の初恋も実らなかった。
けれども、こんな初恋の終わり方もあっても良いのではないだろうか。
恋の魔女の初恋が――
本来なら、こんなことをする必要は無かったのだが、高橋の虚言のせいで疑われた僕と武田の関係をはっきりさせるために宣言することにした。
それを聞いて高橋はまだブツブツと文句を言っていたが、すでにこのクラスには彼の話をまともに聞く者は誰一人としていなかった。
それまではクラスのリーダー的な彼は、それまでの僕以上に誰からも相手にされない存在になってしまった。
イジメを許さない武田の目があるため、僕がされたような積極的な物はないが、毒物を見るようにみんな、彼に近づかなくなっていた。
そんな彼の姿を見て僕は、単純にザマーミロという気分にはなれなかった。
暴走したとは言え、彼は彼なりの正義で動いたのだろう。その底にある下心が彼の目を曇らせたのだとしても。
だからと言って、同情する気にもなれなかった。
結果、僕もクラスのみんなと同じように彼に関わろうとしなかった。それは、僕からすると今回の事が起こる前の状況に戻っただけだと言えばそれだけなのだが。
そして、黒柳は恋の魔女として活躍して、たった半年で黒柳の占いはすごく当たると校内で評判になり、その美貌と相まって、学校中で知らぬ人がいない存在になった。特に女子には大人気だった。
そして、僕と武田は屋上で次のデートの予定を立てようとしていた。
「それで、今度の日曜日なんだけど、練習がオフになったから、どこか行こうよ」
「いいね。日曜日なら天気も良いみたいだし。どこに行く?」
「そうね。久しぶりに、初めてデートした動植物園なんてどう?」
「いいわね」
暇な僕と違って、恋人同士になったからといって、陸上で忙しい彼女と頻繁にデートなど出来ない。
電話やメールは毎日のようにやりとりをしているし、同じクラスなのだから学校に来れば会って話もする。
それでも、デートをするということは特別なのだ。
そう、僕達のデートは特別なのだ。
「月子にメールしたら、その日OKだって」
「良かった。つーちゃんも最近忙しそうだもんな」
そう、僕達のデートは三人で行く。
誰かが言った。
初恋は実らないものだと。
僕達の初恋も実らなかった。
けれども、こんな初恋の終わり方もあっても良いのではないだろうか。
恋の魔女の初恋が――
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
美味しいコーヒーの愉しみ方 Acidity and Bitterness
碧井夢夏
ライト文芸
<第五回ライト文芸大賞 最終選考・奨励賞>
住宅街とオフィスビルが共存するとある下町にある定食屋「まなべ」。
看板娘の利津(りつ)は毎日忙しくお店を手伝っている。
最近隣にできたコーヒーショップ「The Coffee Stand Natsu」。
どうやら、店長は有名なクリエイティブ・ディレクターで、脱サラして始めたお店らしく……?
神の舌を持つ定食屋の娘×クリエイティブ界の神と呼ばれた男 2人の出会いはやがて下町を変えていく――?
定食屋とコーヒーショップ、時々美容室、を中心に繰り広げられる出会いと挫折の物語。
過激表現はありませんが、重めの過去が出ることがあります。
『 ゆりかご 』
設楽理沙
ライト文芸
- - - - - 非公開予定でしたがもうしばらく公開します。- - - -
◉2025.7.2~……本文を少し見直ししています。
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
――――
「静かな夜のあとに」― 大人の再生を描く愛の物語
『静寂の夜を越えて、彼女はもう一度、愛を信じた――』
過去の痛み(不倫・別離)を“夜”として象徴し、
そのあとに芽吹く新しい愛を暗示。
[大人の再生と静かな愛]
“嵐のような過去を静かに受け入れて、その先にある光を見つめる”
読後に“しっとりとした再生”を感じていただければ――――。
――――
・・・・・・・・・・
芹 あさみ 36歳 専業主婦 娘: ゆみ 中学2年生 13才
芹 裕輔 39歳 会社経営 息子: 拓哉 小学2年生 8才
早乙女京平 28歳 会社員
(家庭の事情があり、ホストクラブでアルバイト)
浅野エリカ 35歳 看護師
浅野マイケル 40歳 会社員
❧イラストはAI生成画像自作
椿の国の後宮のはなし
犬噛 クロ
キャラ文芸
架空の国の後宮物語。
若き皇帝と、彼に囚われた娘の話です。
有力政治家の娘・羽村 雪樹(はねむら せつじゅ)は「男子」だと性別を間違われたまま、自国の皇帝・蓮と固い絆で結ばれていた。
しかしとうとう少女であることを気づかれてしまった雪樹は、蓮に乱暴された挙句、後宮に幽閉されてしまう。
幼なじみとして慕っていた青年からの裏切りに、雪樹は混乱し、蓮に憎しみを抱き、そして……?
あまり暗くなり過ぎない後宮物語。
雪樹と蓮、ふたりの関係がどう変化していくのか見守っていただければ嬉しいです。
※2017年完結作品をタイトルとカテゴリを変更+全面改稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる