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戻ってきた元悪役令嬢
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しおりを挟む次の週からは、放課後リアの手伝いをしたり、時間が余った時ダート達の練習を覗いたり。
そんなこんなで体育祭を迎え、大活躍したダートの貢献もあり無事私達のクラスがご褒美をゲットした。遠くから動き回るダートをまじまじと見るのって初めてで、ダートって実は格好いいんじゃないかってドキドキした。
打ち上げとして参加したご褒美のお店のお菓子は美味しかったし、放課後練習を同じように見学していたクラスメイトの女の子達とも少し話したりして楽しかった。
そうしたら朝教室に入った時目が逸らされることもなくなって。そんなに気にしてないつもりだったけど、遠巻きにされないのって結構浮かれる。ダートはダートで練習仲間達と打ち解けて話すようになったし、これぞ青春って感じ。
「違う、オレはディアナと青春したいの!」
毎週末恒例のデート中、食事をしながらそんな話をダートにしたら上記の台詞をいただいた。
「してるじゃん?」
「練習とか手伝いのせいで時間が減った」
「もう終わったし」
確かに一緒に居る時間は少しだけ減って寂しくもあったけど、二人とも受け入れられたような感じが嬉しいんだけどな。
「次テストあるし勉強しなきゃじゃん。もっとこう…いちゃいちゃしたい」
「夜するじゃん」
「それはそれで嬉しいけど、健全ないちゃいちゃもしてぇの」
健全ないちゃいちゃって何?手繋ぐだけならいつもしてるし。
「いっぱいくっつくけどキス以上しない感じの。とりあえずこれだ、ずっとしたかったのにやってなかった!」
そう言ってダートは自分のお皿からごはんをスプーンで掬って、私の目の前に差し出した。
「……」
「はい、あーんして」
小さな町とはいえ、食堂にはそれなりの人が居る。
「そろそろこのくらい恥ずかしがんなくてよくね?これの最終目標は学園の食堂だからな」
「はぁ?!」
「はい口開けてー?恥ずかしいと思わなかったら恥ずかしくない」
「そんなわけないじゃん…せめて家で」
「えー、そんなん言ったら家でくそえろい感じでやるぞ」
あーんのエロいのって何だ、膝の上にでも乗ったあとやらされるのかな。
「そっちのがいいかな」
「……ふーん、じゃあ帰ったらする。飯食ったらかえろーぜ」
デートを切り上げてまでやりたいらしい。
店を出たあとたんまりお菓子を買って家に帰った。この大量のお菓子を延々食べさせられるのかもしれない。
帰ってきてすぐ、やっぱり膝の上に座らされてお菓子を私の口元に持ってこられた。大人しく口を開けてそのまま食べる。
「うーん、二人の時はあんま恥ずかしがんなくなったのにな」
「…恥ずかしいは恥ずかしいんだけど」
くっついてる方がいいなって気持ちの方が勝ってるだけで。
次から次にお菓子が目の前にきて、でもダートは口元を緩めてにこにこ運んでくるからやめ時が難しい。
「腹苦しい?」
何度目かのお菓子を飲み込んだあと、息を吐いたのを見たダートに問われたので頷いた。
「じゃあこれで最後な」
飴を放り込まれて、体を持ち上げられてダートと向き合う体勢でキスをされる。
甘い口の中に入ってきた舌が飴を奪って行き、にやっと笑ったダートがもう一度私の舌の上に戻してきた。
「もっかい」
「っむ」
何度も取られて戻されて、段々小さくなる飴と共に絡めとられる舌が痺れてくような気がする。激しくなっていく口付けに息があがる。
「…は、やべぇディアナの顔がちょーえろい」
「だって…健全なやつって言ってたクセに」
「健全ないちゃいちゃはさっきのでお終い。こっからはえろいやつ…うわ、唇まで甘くなってる」
上唇を食まれながら首筋を撫でられて、くすぐったい以外の感覚を覚えた体が恥ずかしい。
服の中に入ってきたダートの手がやわやわと胸を揉んで、ぎこちなさのなくなった指が胸の先を掠った瞬間に体が震えて、気付いたダートが何度も同じ動作を繰り返す。
「––––ふ」
「これ気持ちいーの?」
握った手に力を入れて、小さく頷いた。ダートの顔が見れない。
「口で同じの出来っかな…下触りたいんだけど」
「っあ」
跨っているせいで開いた足の間に手が滑り込んできて、下着越しに刺激が与えられる。
「口か手、絶対一個塞がるから二ヶ所しか触れねぇの不便な。片手で中と外もとかうまく出来ないわオレ…むずかしー」
「ふ、ちょ…っあ」
「くっそえろ…もっと声出して」
下着が下げられて、骨張った手に翻弄される。
丸めた体を咎めるように上を向かされ、まだ甘い口の中を食べ尽くすように舐められ吸われる。
「–––––––~っ!」
肩に力が入って、そのあと全身に力が入らなくなって、ダートの胸に頭を預けて浅い呼吸を繰り返す。
「イく前ディアナちょっと腰揺れてたな?半脱げの服と合わせてすーげぇヤバかったわ」
「…その、実況くさいのやめて欲しいんだけど」
我に返った途端戻ってくる羞恥がもっと酷くなるし。
「全部言った方が意思疎通出来ていいじゃん。…ディアナ、今から慣らすよ?そんな濡れてなかったから外触ってたら指止まんなくなっちゃって、全然中やってない」
「え、力入らないんだけど」
「そっちのがいいんじゃん?そんまま力抜いててよ」
ダートは私と体の位置を入れ替えて、ソファの上に膝を乗せて上から私を見下ろしてくる。
顔中に何度も落ちてきたキスがどんどん下がっていって、胸元に跡をつけられたタイミングで指が中にはいってきた。
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