さそりの心臓、君の幸い

三千鴉

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プロローグ

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 ──最愛が死ぬ日は、いつも星の綺麗な夜だった。


 どの時代でも、必ず俺を見つけて愛してくれた最愛の人。
 ルキと愛しく名を呼べば、何十倍もの愛を込めて俺の名前を呼んで抱きしめてくれた。

 なのにお前は、俺を庇って死んでしまう。
 光景が瞳にこびりついてしまったくらい、何度も、何度も、繰り返し。
 たとえば、あの日ルキに呼び出された講義室で。鮮血に沈み行くルキを、いつまでも忘れることが出来ないんだ。
 

 それは、決して呪いじゃない。
 ルキ自身の意思で、意図も簡単にその命を投げうってしまうんだ。


 この星空に、ルキが死んだ数多の星空を重ねてしまうくらい、今は憎い。
 だから俺は、仮面をかぶる。
 それでもと叫ぶ心を殺して、演じることを選んだのだ。


 ……さあ、偽物の星空を見上げよう。
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