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養成所
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天使だ。天使がいた。
そんな話を今日、一緒の養成所初日を迎えたユージン君と、ガイ君から聞かされた私は、意味がよくわからなくて首を傾げた。
「本物?それとも例えで?」
「はぁ?お前なぁー、何言ってんだ?」
二人は顔を見合わせて、こいつ馬鹿なのかな?と言いたげな顔で目を瞬いた。
いや、だってさ?私の知識は暗殺とか魔物とか、武器や魔法なんかに偏っていてこの世界に天使がいるか居ないかすら、良く考えてみたら知らないんだよね。
「例えに決まってるだろ!この馬鹿」
ガン!
「あっ、ダメだよガイ君!」
「くぅー、ガイ君酷い!痛いよ」
茶に黒メッシュの入った髪の猫科の耳をしたガイ君が私の頭を殴った。
星が舞うくらいの衝撃に私は座った状態で頭を押さえて呻いていた。
「あっ、悪ぃ」
罰が悪そうな声で謝るガイ君をしょうが無いなぁと許してあげたけど「次は殴り返しちゃうからね!」とちゃんと忠告をする。
「うおっほん、あー、そろそろ挨拶をしたいのだが。良いかね?」
「はっ、はい!!すいません!」
「すんません」
「申し訳ありません!ちょっとガイ君すんません、は無いよ!」
「えっ、そうかぁ?」
私達は慌てて姿勢を正して前を向いた。
ちょっぴり元気すぎなガイ君は剣士、優しくておかん系の垂れた犬耳をしたユージン君はヒーラー、私は魔法使い。
養成所の今期メンバーは後三人。
一人は、白い蛇の獣人でどうやらお貴族様のご子息様らしいとみんなに遠巻きにされている少年、名をカルヴァン・モンカルヴォ。
白い髪に赤いルビーの様な瞳の美少年…見た目で言うなら青年だ。
見るからにお育ちが違うって言いたげなオーラが凄い。食べる物が良いからかこの中で一番ガタイがいいのが彼だ。
それから、先程ユージン君やガイ君が天使だと言って騒いでいた女の子でうさぎ獣人のミミちゃん、彼女もユージンと同じヒーラー職。
うさぎさんはみんなけっこう巨乳さんらしくて可愛い上にけしからんお胸様を持っている。
同い年らしいのに!恨めしい!
そして最後は狐の獣人のカルテイラ。
ちょっぴりつり目のこちらも美少女。
サラサラな薄い金茶色の耳は大っきいから直ぐに狐さんだとわかった。
彼女も魔法使いだけど剣も使えるから私と同じだ。
この日は顔合わせと簡単な自己紹介をして、帰る前に魔力測定だけします。と言われて別室へ移動。それからお開きになった。
明日から早速、魔法や剣術、体術の訓練が始まるらしい。
因みに、私の250って魔力量はこのなかだとかなり多い方だった。
獣人は上位種以外は魔力量が人族よりも少なめらしくて、私以外は魔力量が少ないと言う結果になった。
だから、やっぱり私は人と獣のハーフなんだろうな、と思った。
養成所の訓練や教育内容には剣術や体術以外に魔法の訓練も組み込まれてる為、魔力量が低すぎると魔法の訓練が意味を成さないとかで養成所の基準には一定の魔法を使える魔力量の基準がある。
まぁ、そんな訳で要塞都市の方ではいつも将来性のある若者達を見つけても、魔力量の定められた基準値を超えられず見送っていたらしい。
因みに、エタンは私の三倍の魔力量がある。獣人なのに、流石は先祖返り。
一般住民の魔力量は人族は20~60、獣人だと0~20。
冒険者などの魔法使いは人族で150以上、獣人だと100以上で職業として認定されるらしい。
そしてここ獣人国の冒険者ギルド養成所の魔力量の基準が70以上。
それを考えたら、今集まっているこの子達はけっこうすごいのかも?
みんな80以上で、狐さんなんか160もあった。
ガイ君は80、ミミちゃんは95だったけど、ユージンとカルヴァンなんて140だった。ユージンは冒険者ギルドで初めて魔力量を測った時にはじめて魔力が高い事に気付いたらしく、魔力量がかなり多くて驚いたらしい。
この養成所に来る子達は十二歳から十四歳までの成人期に入る前の子ども達だ。だから、みんなまだまだ成長する。身長、体重、それから魔力量も。
そう考えるとユージンやカルヴァンはとんでもない数値になりそうだな。なんて思った。
そして、今日。数日ぶりに測ってみたら私の魔力量は255ってなっていた。
あれ?ちょっぴり上がった?なんで?
成長期だからね。
なんて測定してくれた養成所の職員さんに言われて、ようやく。
あっ、そうだった!と我に返った。
そう言えば私も十二歳だった。
まだ子供だ。成長してたんだ!
と言う事を、私は夕食を宿の食堂で食べながらエタンに話た。
「クリス、髪が目に入ってるぞ?痛くないのか?」
「………うん、痛くない!ねぇ、エタン?聞いてた?ねぇ!聞いてくれてたの?」
「ん?あぁ、お前が養成所のメンバーの中で一番魔力量が多かった。ってのと、クリスが成長してたって話だったか?可愛いぞクリス。」
よしよし、と頭を撫でられるとついつい頬がニマニマしてしまう。「えへへぇ」
……って!
私はエタンにキッと目を釣り上げた。
「また子供扱いしてる!」
それを見ていた女将が「クリスちゃんはきっとエタンさんに大人の女性として扱ってもらいたいんだよ」なんて言ってニマニマと生暖かい眼差しを向けてくる。
「……そうか、だが、魔力量の話に大人の女性扱いか………どう扱えば良いんだ?………女の扱いってのは難しいもんだな」
「いや、しみじみ言わないでよ。たんに、エタンが子ども扱いして頭を撫でるから、それが、こう……あれ?でも、頭を撫でられると気持ちいいし、嫌じゃないから………うーん」
あれれ?結局、私はどうしたいんだろう?
頭を悩ませていたら女将に腹を抱えて「可愛いねぇ」なんて笑われてしまった。
「そ、それより、食べよう!なんか今日たくさん魔力流せ、流せーって言われて魔力使いすぎておかな減っちゃった!」
「ああ、魔力を使いすぎると腹が減るし繰り返していたら伸び代があれば早く増えて行くから。あぁ、だから、いきなり髪が伸びたのか」
髪には魔力が宿るとか言われている。だからかぁと私はちょっと長くなった前髪を指で摘んで「そーみたいだね。」と頷く。耳にかけられそうな程長かったかなぁ?と思ってたんだよね。
この調子で行くと来月には肩くらいの長さになってしまう。また切らなきゃなぁ。もともと私の髪は直ぐに伸びちゃうから。
ん?あれ?そっかぁー
「そーいえば!私髪伸ばしたって良いんだよね!?やったぁ!ショート飽きてたんだぁ~!短いと楽だし。今まではお風呂も駆け足だったから伸ばそうなんて微塵も思わなかったんだけど。虫が湧くとか、臭くなる!とか気にしなくっても良いんだよね?」
私が喜んでいる横で女将さんが悲壮な顔をして、そっとサラダをサービスしてくれていた。
ありがとう!とサラダをもぐもぐしてたらエタンが地底亀のお肉を切り分けてくれた。
更には抱っこで食べさせようとしてくるし。ひょいと口に入れられる地底亀……もぐもぐ。
って、いやいや、そこまではしなくていいからね?!
そんな話を今日、一緒の養成所初日を迎えたユージン君と、ガイ君から聞かされた私は、意味がよくわからなくて首を傾げた。
「本物?それとも例えで?」
「はぁ?お前なぁー、何言ってんだ?」
二人は顔を見合わせて、こいつ馬鹿なのかな?と言いたげな顔で目を瞬いた。
いや、だってさ?私の知識は暗殺とか魔物とか、武器や魔法なんかに偏っていてこの世界に天使がいるか居ないかすら、良く考えてみたら知らないんだよね。
「例えに決まってるだろ!この馬鹿」
ガン!
「あっ、ダメだよガイ君!」
「くぅー、ガイ君酷い!痛いよ」
茶に黒メッシュの入った髪の猫科の耳をしたガイ君が私の頭を殴った。
星が舞うくらいの衝撃に私は座った状態で頭を押さえて呻いていた。
「あっ、悪ぃ」
罰が悪そうな声で謝るガイ君をしょうが無いなぁと許してあげたけど「次は殴り返しちゃうからね!」とちゃんと忠告をする。
「うおっほん、あー、そろそろ挨拶をしたいのだが。良いかね?」
「はっ、はい!!すいません!」
「すんません」
「申し訳ありません!ちょっとガイ君すんません、は無いよ!」
「えっ、そうかぁ?」
私達は慌てて姿勢を正して前を向いた。
ちょっぴり元気すぎなガイ君は剣士、優しくておかん系の垂れた犬耳をしたユージン君はヒーラー、私は魔法使い。
養成所の今期メンバーは後三人。
一人は、白い蛇の獣人でどうやらお貴族様のご子息様らしいとみんなに遠巻きにされている少年、名をカルヴァン・モンカルヴォ。
白い髪に赤いルビーの様な瞳の美少年…見た目で言うなら青年だ。
見るからにお育ちが違うって言いたげなオーラが凄い。食べる物が良いからかこの中で一番ガタイがいいのが彼だ。
それから、先程ユージン君やガイ君が天使だと言って騒いでいた女の子でうさぎ獣人のミミちゃん、彼女もユージンと同じヒーラー職。
うさぎさんはみんなけっこう巨乳さんらしくて可愛い上にけしからんお胸様を持っている。
同い年らしいのに!恨めしい!
そして最後は狐の獣人のカルテイラ。
ちょっぴりつり目のこちらも美少女。
サラサラな薄い金茶色の耳は大っきいから直ぐに狐さんだとわかった。
彼女も魔法使いだけど剣も使えるから私と同じだ。
この日は顔合わせと簡単な自己紹介をして、帰る前に魔力測定だけします。と言われて別室へ移動。それからお開きになった。
明日から早速、魔法や剣術、体術の訓練が始まるらしい。
因みに、私の250って魔力量はこのなかだとかなり多い方だった。
獣人は上位種以外は魔力量が人族よりも少なめらしくて、私以外は魔力量が少ないと言う結果になった。
だから、やっぱり私は人と獣のハーフなんだろうな、と思った。
養成所の訓練や教育内容には剣術や体術以外に魔法の訓練も組み込まれてる為、魔力量が低すぎると魔法の訓練が意味を成さないとかで養成所の基準には一定の魔法を使える魔力量の基準がある。
まぁ、そんな訳で要塞都市の方ではいつも将来性のある若者達を見つけても、魔力量の定められた基準値を超えられず見送っていたらしい。
因みに、エタンは私の三倍の魔力量がある。獣人なのに、流石は先祖返り。
一般住民の魔力量は人族は20~60、獣人だと0~20。
冒険者などの魔法使いは人族で150以上、獣人だと100以上で職業として認定されるらしい。
そしてここ獣人国の冒険者ギルド養成所の魔力量の基準が70以上。
それを考えたら、今集まっているこの子達はけっこうすごいのかも?
みんな80以上で、狐さんなんか160もあった。
ガイ君は80、ミミちゃんは95だったけど、ユージンとカルヴァンなんて140だった。ユージンは冒険者ギルドで初めて魔力量を測った時にはじめて魔力が高い事に気付いたらしく、魔力量がかなり多くて驚いたらしい。
この養成所に来る子達は十二歳から十四歳までの成人期に入る前の子ども達だ。だから、みんなまだまだ成長する。身長、体重、それから魔力量も。
そう考えるとユージンやカルヴァンはとんでもない数値になりそうだな。なんて思った。
そして、今日。数日ぶりに測ってみたら私の魔力量は255ってなっていた。
あれ?ちょっぴり上がった?なんで?
成長期だからね。
なんて測定してくれた養成所の職員さんに言われて、ようやく。
あっ、そうだった!と我に返った。
そう言えば私も十二歳だった。
まだ子供だ。成長してたんだ!
と言う事を、私は夕食を宿の食堂で食べながらエタンに話た。
「クリス、髪が目に入ってるぞ?痛くないのか?」
「………うん、痛くない!ねぇ、エタン?聞いてた?ねぇ!聞いてくれてたの?」
「ん?あぁ、お前が養成所のメンバーの中で一番魔力量が多かった。ってのと、クリスが成長してたって話だったか?可愛いぞクリス。」
よしよし、と頭を撫でられるとついつい頬がニマニマしてしまう。「えへへぇ」
……って!
私はエタンにキッと目を釣り上げた。
「また子供扱いしてる!」
それを見ていた女将が「クリスちゃんはきっとエタンさんに大人の女性として扱ってもらいたいんだよ」なんて言ってニマニマと生暖かい眼差しを向けてくる。
「……そうか、だが、魔力量の話に大人の女性扱いか………どう扱えば良いんだ?………女の扱いってのは難しいもんだな」
「いや、しみじみ言わないでよ。たんに、エタンが子ども扱いして頭を撫でるから、それが、こう……あれ?でも、頭を撫でられると気持ちいいし、嫌じゃないから………うーん」
あれれ?結局、私はどうしたいんだろう?
頭を悩ませていたら女将に腹を抱えて「可愛いねぇ」なんて笑われてしまった。
「そ、それより、食べよう!なんか今日たくさん魔力流せ、流せーって言われて魔力使いすぎておかな減っちゃった!」
「ああ、魔力を使いすぎると腹が減るし繰り返していたら伸び代があれば早く増えて行くから。あぁ、だから、いきなり髪が伸びたのか」
髪には魔力が宿るとか言われている。だからかぁと私はちょっと長くなった前髪を指で摘んで「そーみたいだね。」と頷く。耳にかけられそうな程長かったかなぁ?と思ってたんだよね。
この調子で行くと来月には肩くらいの長さになってしまう。また切らなきゃなぁ。もともと私の髪は直ぐに伸びちゃうから。
ん?あれ?そっかぁー
「そーいえば!私髪伸ばしたって良いんだよね!?やったぁ!ショート飽きてたんだぁ~!短いと楽だし。今まではお風呂も駆け足だったから伸ばそうなんて微塵も思わなかったんだけど。虫が湧くとか、臭くなる!とか気にしなくっても良いんだよね?」
私が喜んでいる横で女将さんが悲壮な顔をして、そっとサラダをサービスしてくれていた。
ありがとう!とサラダをもぐもぐしてたらエタンが地底亀のお肉を切り分けてくれた。
更には抱っこで食べさせようとしてくるし。ひょいと口に入れられる地底亀……もぐもぐ。
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