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第二章 新たな道へ
第35話 かつて勇者の通った道
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「それで何をやって証明すればいいんですか?」
結菜は翼に訊ねた。
「叶恵さん、あれを用意してくれますか?」
「はい、翼様」
翼に言われて叶恵が荷物から出したのは白い紙だった。
それを生徒会室のホワイトボードをみんなの前に引っ張り出してきて貼った。
それはこの町の地図だった。
前の事件の時に地図は何度も見たので結菜にはもう見方が分かっていた。
翼は先生のようにその前に立って、マジックを手に取った。
「何をするか話す前に話しておくことがあります。みなさんはこの町にかつて伝説の勇者が走ったとされるバニシングウェイと呼ばれる道があるのをご存じでしょうか」
いきなり知らない単語が出てきて結菜は首を傾げた。
「知らないわね」
「わたしもです」
渚と叶恵も知らないのでは、誰も知っているわけがなかった。それは翼の想定のうちのようだった。
「でしょうね。なぜなら時の賢者はこの道をなぜか極秘としたからなのです。わたくしは歴史の陰に隠されたこの道を現在によみがえらせようと思っています」
「極秘にした物をよみがえらせていいの?」
質問しながらも、渚の目には好奇心があった。
「ええ、かつての賢者にどのような意図があって、この道を極秘としたのかは分かっていませんが、今となってはただの道ですもの。わたくしはむしろ逆に、この道を勇者の走った道として前々から町の内外に公表したいと思っていたのです。そこで、結菜さん」
「はい」
「あなたが自転車で走って魔王と戦ったことはすでに聞いています。そこであなたにはわたくしと一緒にこの道を自転車で走って勝負していただきたいのです」
翼はマジックを地図の上に走らせて、その道をなぞっていった。
「わたくしに勝つことが出来たら、あなたを勇者と認めましょう」
その地図を叩き、挑戦してくる。
「あれが封印道バニシングウェイ」
何が彼女の心を捉えたのか、なぞられた道を見て叶恵が驚きと興奮の声を上げる。
「なるほど。勇者の実力を見れて、道のアピールにも使えて一石二鳥というわけか」
渚は翼の考えを実に正確に読んでいた。
美久は麻希に訊ねた。
「マッキー、あの道の凄さが分かる?」
「ただの道でしょ」
そっけなく答えながらも、麻希は何かを考えていた。
翼は改めて結菜に問う。
「それでどうです? 結菜さん、わたくしの挑戦を受けますか?」
「うん、受けようとは思っているんだけど……」
結菜には考えることがあった。ぐるりと地図に書かれた道を目で辿る。ほぼ町の外周付近を一周する道だ。はっきり言ってとても長かった。
その結菜の心配を渚が代弁してくれた。頼りになる生徒会長だった。
「ねえ、翼。その道ちょっと長すぎない?」
指摘されて翼はちょっと戸惑いを見せた。彼女にも自覚はあったのだ。
「わたくしもそうは思ったのです。ですが、これがバニシングウェイなのですから仕方ないではありませんか」
バンッと地図を叩く。
翼には道を代えるつもりはないらしい。渚は提案を出した。
「それじゃあ、4人のリレー形式にするというのはどうかしら。勇者って仲間達と4人で戦うものでしょう?」
「文献では何人で走ったかの記述は無かったのですが、渚さんがそう言うならそうしましょうか」
翼はバニシングウェイを4分割する線を引いた。
「では、走る人と順番を決めましょうか」
翼と結菜は当然出るものとして、他のメンバーを選ぶ相談に入る。
「苺ちゃん、どうしよう」
「どうしようって、翼様の決定に従うしか」
姫子は苺と相談するが、どちらも積極的に手を挙げるような身の程しらずではなかった。
姫子には自信が無かったし、苺は陸上の足には自信があったが、自転車レースは未経験だった。
結菜はもう自分が出ることは決まっているから何番を走ろうかと考えるが、
「わたくしと結菜さんはもちろんアンカーを走りますから、他の三人のメンバーを決めましょう」
翼によって真っ先に決められてしまった。結菜の考えることは終わった。
最初に手を挙げたのは叶恵だった。
「わたしは翼様の補佐として三番を希望します。渚さん、一緒に自転車、どうですか?」
「わたしは出ないわよ」
「え……」
その言葉に叶恵は驚いて目を丸くした。渚は涼しい顔だった。
「渚さん、逃げるんですか? 翼様も出るとおっしゃっているのに」
食いつこうとする叶恵の言葉に、渚はやれやれとため息をついた。
「両校の生徒同士で試合するなら、どちらかの生徒会長が責任者として運営をまとめないといけないでしょう。翼が出るならわたしがやらないと」
「わたくしも渚さんがそちらを担当してくださると、安心して試合に臨めますわ」
「残念ですね。本当に」
叶恵はおとなしく、本当におとなしく見えるように席に戻った。
翼は決まったメンバーをマジックでホワイトボードに書いていく。
「叶恵さんは三番っと。そちらの黒田さんは何番にしますか?」
翼は親しい人と同じ名字ということで麻希に声を掛けた。
「一番でいいわ」
麻希の答えはそっけない。
「黒田対決はしませんの?」
「しないわ」
「では、黒田さんは一番と。こちらの一番は……」
「わたしにやらせてください!」
挙手したのは苺だった。その時にはもう苺は覚悟を決めていた。ここまで来たのだから翼のために何かをしたかったし、叶恵と同じ名字を名乗る麻希の態度が気に入らなかった。
翼は暖かい笑みをやる気のある一年生に向けた。
「苺さんなら適任ですわね。彼女は速いですわよ。これからの我が校の陸上部を背負っていただける人材として期待されているのです」
「翼様、そこまでわたしのことを」
憧れの翼に褒められて苺はうっとりとしてしまう。もうこれだけで立候補したかいがあったと思ってしまった。
「自転車と陸上では勝手が違うわよ」
そんな麻希の呟きも全く気にならなかった。
翼は次にペンを走らせる。
「では、こちらの残りの二番は姫子さんですわね」
「え?」
あまりにもあっさりと決められてしまって姫子はぽかんとしてしまった。やがて、理解が追いついてきた。
「つ、翼さん! 何を勝手に決めているんですか!」
「あら? 姫子さんは前の事件で結菜さんと一緒に走ったのでしょう? なら当然参加だと思っていましたが」
「思わないでください!」
「ちょっと、姫ちゃん」
翼に対する友達の暴言を苺は止めようとするが、姫子は止まらなかった。
「わたし無理です! こんな大役務まりません!」
言い切る姫子に対する翼の微笑みは優しかった。
「わたくしは出来ると思っていますよ。あなたの気迫は本物です。報告書にもあなたが『魔王に体当たりしていた。凄い。眼鏡を取り上げて恫喝していた。凄い。俺なら震え上がるぜ』と書かれています」
「ええーーーーー!」
姫子は思わず叫んでしまった。思い出したくない過去だった。だが、事実なので言い逃れのしようがなかった。
翼の調査班はどこまで事情を掴んでいるのだろう。そんなことを気にする余裕は全くなかった。
「姫ちゃん、何をやってたの……?」
苺はさすがに心配そうだ。
翼はさらに姫子に誘いを掛けていく。
「あなたには変わるきっかけが必要だと思うのです。それにあなたが出るとなったら彼氏もきっと応援に来てくださることでしょう。彼氏に良いところを見せるチャンスですわよ」
「わたしが悠真さんに良いところを……」
「ええ、彼氏はきっと喜んであなたを応援してくれますわ。出てくれますね?」
「はい!」
翼にまんまと乗せられて、姫子は実にやる気のあふれる返事をしていた。やってしまったと気づいたのはかなり後になってのことだった。
「翼はあの子の彼氏が見てみたいだけでしょ……」
渚は実に翼の心をよく読んでいた。
結菜は翼に訊ねた。
「叶恵さん、あれを用意してくれますか?」
「はい、翼様」
翼に言われて叶恵が荷物から出したのは白い紙だった。
それを生徒会室のホワイトボードをみんなの前に引っ張り出してきて貼った。
それはこの町の地図だった。
前の事件の時に地図は何度も見たので結菜にはもう見方が分かっていた。
翼は先生のようにその前に立って、マジックを手に取った。
「何をするか話す前に話しておくことがあります。みなさんはこの町にかつて伝説の勇者が走ったとされるバニシングウェイと呼ばれる道があるのをご存じでしょうか」
いきなり知らない単語が出てきて結菜は首を傾げた。
「知らないわね」
「わたしもです」
渚と叶恵も知らないのでは、誰も知っているわけがなかった。それは翼の想定のうちのようだった。
「でしょうね。なぜなら時の賢者はこの道をなぜか極秘としたからなのです。わたくしは歴史の陰に隠されたこの道を現在によみがえらせようと思っています」
「極秘にした物をよみがえらせていいの?」
質問しながらも、渚の目には好奇心があった。
「ええ、かつての賢者にどのような意図があって、この道を極秘としたのかは分かっていませんが、今となってはただの道ですもの。わたくしはむしろ逆に、この道を勇者の走った道として前々から町の内外に公表したいと思っていたのです。そこで、結菜さん」
「はい」
「あなたが自転車で走って魔王と戦ったことはすでに聞いています。そこであなたにはわたくしと一緒にこの道を自転車で走って勝負していただきたいのです」
翼はマジックを地図の上に走らせて、その道をなぞっていった。
「わたくしに勝つことが出来たら、あなたを勇者と認めましょう」
その地図を叩き、挑戦してくる。
「あれが封印道バニシングウェイ」
何が彼女の心を捉えたのか、なぞられた道を見て叶恵が驚きと興奮の声を上げる。
「なるほど。勇者の実力を見れて、道のアピールにも使えて一石二鳥というわけか」
渚は翼の考えを実に正確に読んでいた。
美久は麻希に訊ねた。
「マッキー、あの道の凄さが分かる?」
「ただの道でしょ」
そっけなく答えながらも、麻希は何かを考えていた。
翼は改めて結菜に問う。
「それでどうです? 結菜さん、わたくしの挑戦を受けますか?」
「うん、受けようとは思っているんだけど……」
結菜には考えることがあった。ぐるりと地図に書かれた道を目で辿る。ほぼ町の外周付近を一周する道だ。はっきり言ってとても長かった。
その結菜の心配を渚が代弁してくれた。頼りになる生徒会長だった。
「ねえ、翼。その道ちょっと長すぎない?」
指摘されて翼はちょっと戸惑いを見せた。彼女にも自覚はあったのだ。
「わたくしもそうは思ったのです。ですが、これがバニシングウェイなのですから仕方ないではありませんか」
バンッと地図を叩く。
翼には道を代えるつもりはないらしい。渚は提案を出した。
「それじゃあ、4人のリレー形式にするというのはどうかしら。勇者って仲間達と4人で戦うものでしょう?」
「文献では何人で走ったかの記述は無かったのですが、渚さんがそう言うならそうしましょうか」
翼はバニシングウェイを4分割する線を引いた。
「では、走る人と順番を決めましょうか」
翼と結菜は当然出るものとして、他のメンバーを選ぶ相談に入る。
「苺ちゃん、どうしよう」
「どうしようって、翼様の決定に従うしか」
姫子は苺と相談するが、どちらも積極的に手を挙げるような身の程しらずではなかった。
姫子には自信が無かったし、苺は陸上の足には自信があったが、自転車レースは未経験だった。
結菜はもう自分が出ることは決まっているから何番を走ろうかと考えるが、
「わたくしと結菜さんはもちろんアンカーを走りますから、他の三人のメンバーを決めましょう」
翼によって真っ先に決められてしまった。結菜の考えることは終わった。
最初に手を挙げたのは叶恵だった。
「わたしは翼様の補佐として三番を希望します。渚さん、一緒に自転車、どうですか?」
「わたしは出ないわよ」
「え……」
その言葉に叶恵は驚いて目を丸くした。渚は涼しい顔だった。
「渚さん、逃げるんですか? 翼様も出るとおっしゃっているのに」
食いつこうとする叶恵の言葉に、渚はやれやれとため息をついた。
「両校の生徒同士で試合するなら、どちらかの生徒会長が責任者として運営をまとめないといけないでしょう。翼が出るならわたしがやらないと」
「わたくしも渚さんがそちらを担当してくださると、安心して試合に臨めますわ」
「残念ですね。本当に」
叶恵はおとなしく、本当におとなしく見えるように席に戻った。
翼は決まったメンバーをマジックでホワイトボードに書いていく。
「叶恵さんは三番っと。そちらの黒田さんは何番にしますか?」
翼は親しい人と同じ名字ということで麻希に声を掛けた。
「一番でいいわ」
麻希の答えはそっけない。
「黒田対決はしませんの?」
「しないわ」
「では、黒田さんは一番と。こちらの一番は……」
「わたしにやらせてください!」
挙手したのは苺だった。その時にはもう苺は覚悟を決めていた。ここまで来たのだから翼のために何かをしたかったし、叶恵と同じ名字を名乗る麻希の態度が気に入らなかった。
翼は暖かい笑みをやる気のある一年生に向けた。
「苺さんなら適任ですわね。彼女は速いですわよ。これからの我が校の陸上部を背負っていただける人材として期待されているのです」
「翼様、そこまでわたしのことを」
憧れの翼に褒められて苺はうっとりとしてしまう。もうこれだけで立候補したかいがあったと思ってしまった。
「自転車と陸上では勝手が違うわよ」
そんな麻希の呟きも全く気にならなかった。
翼は次にペンを走らせる。
「では、こちらの残りの二番は姫子さんですわね」
「え?」
あまりにもあっさりと決められてしまって姫子はぽかんとしてしまった。やがて、理解が追いついてきた。
「つ、翼さん! 何を勝手に決めているんですか!」
「あら? 姫子さんは前の事件で結菜さんと一緒に走ったのでしょう? なら当然参加だと思っていましたが」
「思わないでください!」
「ちょっと、姫ちゃん」
翼に対する友達の暴言を苺は止めようとするが、姫子は止まらなかった。
「わたし無理です! こんな大役務まりません!」
言い切る姫子に対する翼の微笑みは優しかった。
「わたくしは出来ると思っていますよ。あなたの気迫は本物です。報告書にもあなたが『魔王に体当たりしていた。凄い。眼鏡を取り上げて恫喝していた。凄い。俺なら震え上がるぜ』と書かれています」
「ええーーーーー!」
姫子は思わず叫んでしまった。思い出したくない過去だった。だが、事実なので言い逃れのしようがなかった。
翼の調査班はどこまで事情を掴んでいるのだろう。そんなことを気にする余裕は全くなかった。
「姫ちゃん、何をやってたの……?」
苺はさすがに心配そうだ。
翼はさらに姫子に誘いを掛けていく。
「あなたには変わるきっかけが必要だと思うのです。それにあなたが出るとなったら彼氏もきっと応援に来てくださることでしょう。彼氏に良いところを見せるチャンスですわよ」
「わたしが悠真さんに良いところを……」
「ええ、彼氏はきっと喜んであなたを応援してくれますわ。出てくれますね?」
「はい!」
翼にまんまと乗せられて、姫子は実にやる気のあふれる返事をしていた。やってしまったと気づいたのはかなり後になってのことだった。
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