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第5話 休日は貴方の家に
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数日後の休日。私は朝から貴方の家にやってきました。
別に何かをやりたいような用事は無かったのですが、何もやる事が無いから来てはいけないということはないですよね? 私達は付き合っているのですから。
さて、いよいよ貴方からもらったこの合鍵を使う時です。いざとなるとドキドキしてしまいますね。
しかし、いくら合鍵を持っているからといっても、やはり黙って人の家に入るのは良くないと思うので(気にしすぎなのでしょうか)、私は緊張を抑える意味も込めて一応ピンポンを鳴らします。一回だけです。
するとそのたった一回だけで貴方が出てきたので私はびっくりしてしまいました。
「うわあ! 一回だけで出てきた!?」
「いや、コーヒー牛乳を買いに行こうと思ったところで。おはよう、静香さん」
「おはようございます。コーヒー牛乳なら買ってきましたよ」
「おお、サンキュ。助かった」
私も貴方の家の冷蔵庫を見ていて減ってきているなとは思っていたのです。
それで買い物に寄ったついでに買ってきたのですが、グッドタイミングだったようですね。でも、一緒に買い物に行く口実を失ったのは失敗だったかもしれません。
貴方は滅多な事では家から出ない性格なので、外に行く機会は貴重です。これからはそうした事にも気を配らないといけませんね。
買ってきた物を冷蔵庫に入れて部屋に行くと貴方は今日もテレビでゲームをしていました。私はこうした物はしないので良く分かりません。
傍に座ってじっと見つめ、しばらくしてから訊ねます。
「面白いですか?」
「まあまあかな。時間は潰せるよ」
「そうなんですか」
「やってみる?」
「はい」
あまり興味はありませんでしたが、貴方の趣味を理解するのも彼女として必要な事でしょう。
答えると貴方はコントローラーを床に置いて立ち上がり、プレイしていたそのゲームではなく、別の携帯ゲームを出してきました。
「これが俺のおすすめ」
「おすすめ!?」
そうと聞いては黙っていられません。何せ貴方のおすすめなのですから。
私はその携帯ゲームを手に取り、始め方が分からなかったので貴方に電源を入れてもらい、鼻息を荒くしながら始めます。
自然の豊かな島を眺めるのどかなタイトル画面が表示されます。
「これはどういう内容なんでしょうか?」
「うん、よく知らないけど人気らしいよ」
「よく知らないけど人気なんですか!?」
「うん、人気だっていうから買ったんだけどよく分からなくて」
「よく分からないのに貴方のおすすめ!?」
「うん、売れてるし、みんなが面白いって言ってるから」
「うーーーん…………」
これは私にその人気の秘密を見つけろという事なんでしょうか。いいでしょう。
ここで私がこのゲームの面白さの秘密を見つけ出して貴方の役に立ってみせましょう。私は張り切ってゲームを始めます。
どうぶつ達の暮らす島で私は生活をしていきます。
「どう? 面白い?」
「待ってください。今進めているところです」
「でも、もう夜だけど」
「え……?」
冗談でなく夜になっていました。私が来たのって朝でしたよね? プレイもそれほどしたように思えないのに、何が起こったのかさっぱり分かりません。
呆然とする私に貴方が話しかけてきます。
「随分と集中してたけど面白かったのかな?」
「多分、面白かったのだと思います」
「どれぐらい?」
「まあ、普通に?」
「そっか。晩御飯できたから食べていくといいよ」
「はい……いただきます」
うう、説明できません。私にはまだ早かったようです。
結局、私はその日はゲームだけやって晩御飯を食べて帰ることにしました。
こうして私達の生活はまだまだ続いていくのでした。
別に何かをやりたいような用事は無かったのですが、何もやる事が無いから来てはいけないということはないですよね? 私達は付き合っているのですから。
さて、いよいよ貴方からもらったこの合鍵を使う時です。いざとなるとドキドキしてしまいますね。
しかし、いくら合鍵を持っているからといっても、やはり黙って人の家に入るのは良くないと思うので(気にしすぎなのでしょうか)、私は緊張を抑える意味も込めて一応ピンポンを鳴らします。一回だけです。
するとそのたった一回だけで貴方が出てきたので私はびっくりしてしまいました。
「うわあ! 一回だけで出てきた!?」
「いや、コーヒー牛乳を買いに行こうと思ったところで。おはよう、静香さん」
「おはようございます。コーヒー牛乳なら買ってきましたよ」
「おお、サンキュ。助かった」
私も貴方の家の冷蔵庫を見ていて減ってきているなとは思っていたのです。
それで買い物に寄ったついでに買ってきたのですが、グッドタイミングだったようですね。でも、一緒に買い物に行く口実を失ったのは失敗だったかもしれません。
貴方は滅多な事では家から出ない性格なので、外に行く機会は貴重です。これからはそうした事にも気を配らないといけませんね。
買ってきた物を冷蔵庫に入れて部屋に行くと貴方は今日もテレビでゲームをしていました。私はこうした物はしないので良く分かりません。
傍に座ってじっと見つめ、しばらくしてから訊ねます。
「面白いですか?」
「まあまあかな。時間は潰せるよ」
「そうなんですか」
「やってみる?」
「はい」
あまり興味はありませんでしたが、貴方の趣味を理解するのも彼女として必要な事でしょう。
答えると貴方はコントローラーを床に置いて立ち上がり、プレイしていたそのゲームではなく、別の携帯ゲームを出してきました。
「これが俺のおすすめ」
「おすすめ!?」
そうと聞いては黙っていられません。何せ貴方のおすすめなのですから。
私はその携帯ゲームを手に取り、始め方が分からなかったので貴方に電源を入れてもらい、鼻息を荒くしながら始めます。
自然の豊かな島を眺めるのどかなタイトル画面が表示されます。
「これはどういう内容なんでしょうか?」
「うん、よく知らないけど人気らしいよ」
「よく知らないけど人気なんですか!?」
「うん、人気だっていうから買ったんだけどよく分からなくて」
「よく分からないのに貴方のおすすめ!?」
「うん、売れてるし、みんなが面白いって言ってるから」
「うーーーん…………」
これは私にその人気の秘密を見つけろという事なんでしょうか。いいでしょう。
ここで私がこのゲームの面白さの秘密を見つけ出して貴方の役に立ってみせましょう。私は張り切ってゲームを始めます。
どうぶつ達の暮らす島で私は生活をしていきます。
「どう? 面白い?」
「待ってください。今進めているところです」
「でも、もう夜だけど」
「え……?」
冗談でなく夜になっていました。私が来たのって朝でしたよね? プレイもそれほどしたように思えないのに、何が起こったのかさっぱり分かりません。
呆然とする私に貴方が話しかけてきます。
「随分と集中してたけど面白かったのかな?」
「多分、面白かったのだと思います」
「どれぐらい?」
「まあ、普通に?」
「そっか。晩御飯できたから食べていくといいよ」
「はい……いただきます」
うう、説明できません。私にはまだ早かったようです。
結局、私はその日はゲームだけやって晩御飯を食べて帰ることにしました。
こうして私達の生活はまだまだ続いていくのでした。
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