10 / 18
第10話
しおりを挟む
翌日、いつも通り登校してきた俺は教室に入るなりクラスメイト達に囲まれていた。何があったのか分からず困惑していると、その中の一人が声をかけてきた。
「なあ、昨日お前が助けた女の子って誰なんだ?」
いきなりそんなことを聞かれても答えることなどできなかったので黙っていると、別の奴がさらに話しかけてきた。
「もしかして彼氏とかいるの?」
それに対しても黙ったままでいると、痺れを切らしたのか舌打ちをした後でどこかへ行ってしまった。それからしばらくすると担任がやって来て授業が始まったのだが、その間ずっと昨日のことを考えていた。
(まさか、あいつがあんな格好をするとは思わなかったな)
そんなことを考えながらため息を吐いていると、不意に声をかけられた。顔を上げるとそこにいたのは担任の女性教師だった。彼女は心配そうな表情でこちらを見ていたのでどうしたのかと聞くと、体調が悪いのかと聞かれたので大丈夫だと答えた。すると、安心したのか微笑んだ後でこう言った。
「あまり無理をしないようにね」
そう言って去っていく背中を見ながら、心の中で呟いた。
(あんたのせいなんだけどな……)
その言葉は誰にも聞かれることはなかった。
その日の放課後、俺はいつものように校舎裏に来ていた。というのも、今朝の出来事について聞きたいことがあったので呼び出したのである。程なくしてやって来た彼女に挨拶を交わしてから本題に入った。
「聞きたい事があるんですけどいいですか?」
そう前置きしてから話し始めると、最初は戸惑っていたが徐々に落ち着きを取り戻していった。その様子を確認してから改めて質問をした。
その内容とは、どうしてあんな格好をしていたのかという事だった。普通なら恥ずかしくてできないと思うし、ましてや相手が相手だけに尚更だと感じていた。だが、返ってきた答えは意外なものだった。
「実は、前から興味があったのよ」
恥ずかしそうに俯きながら話す姿を見て思わずドキッとした。よく見ると顔も赤くなっており、耳まで真っ赤になっていたのを見ているうちに段々と興奮してくるのを感じた俺は我慢できなくなって抱きしめようとしたのだが、寸でのところで止められた。
不思議に思って首を傾げると、彼女は悲しそうな表情で見つめてきた後で言った。
「ごめんなさい、私には好きな人がいるからあなたとは付き合えないわ」
そう言われてショックを受けたが、すぐに立ち直って尋ねた。
「それってどんな人なんですか?」
すると、彼女は一瞬だけ躊躇うような素振りを見せた後で答えた。
「その人は優しくて素敵な人で私なんかには勿体ないくらいの人だよ」
それを聞いてますます気になってしまったが、これ以上聞いても無駄だと思い諦めることにした。
その後、別れの挨拶をしてその場を後にしたのだが、去り際に彼女が何か言っていたような気がしたがよく聞こえなかったので聞き返すことができなかった……
それから数日の間、何事もなく過ごしていたある日の事だった。
学校帰りに街を歩いていると突然後ろから声をかけられた。振り返ってみるとそこにいたのは例の女性だった。
予想外の出来事に驚いていると、彼女は微笑みながら話しかけてきた。
「こんにちは」
「あ、どうも……」
戸惑いながらも挨拶を返すと、彼女は笑顔で頷きながら言った。
「今から時間あるかな?」
「え? まあ、特に予定はないですけど……」
それを聞いた彼女は嬉しそうに笑うと俺の腕を掴んで歩き出した。突然の事に戸惑っていると、彼女は笑みを浮かべて言った。
「それじゃあ行きましょうか」
こうして、俺は彼女に連れられて行くことになったのだが、一体どこへ連れて行かれるのか見当もつかなかった。
ただ、一つだけ言えることはこれから楽しいことが起きるかもしれないということだった……
「なあ、昨日お前が助けた女の子って誰なんだ?」
いきなりそんなことを聞かれても答えることなどできなかったので黙っていると、別の奴がさらに話しかけてきた。
「もしかして彼氏とかいるの?」
それに対しても黙ったままでいると、痺れを切らしたのか舌打ちをした後でどこかへ行ってしまった。それからしばらくすると担任がやって来て授業が始まったのだが、その間ずっと昨日のことを考えていた。
(まさか、あいつがあんな格好をするとは思わなかったな)
そんなことを考えながらため息を吐いていると、不意に声をかけられた。顔を上げるとそこにいたのは担任の女性教師だった。彼女は心配そうな表情でこちらを見ていたのでどうしたのかと聞くと、体調が悪いのかと聞かれたので大丈夫だと答えた。すると、安心したのか微笑んだ後でこう言った。
「あまり無理をしないようにね」
そう言って去っていく背中を見ながら、心の中で呟いた。
(あんたのせいなんだけどな……)
その言葉は誰にも聞かれることはなかった。
その日の放課後、俺はいつものように校舎裏に来ていた。というのも、今朝の出来事について聞きたいことがあったので呼び出したのである。程なくしてやって来た彼女に挨拶を交わしてから本題に入った。
「聞きたい事があるんですけどいいですか?」
そう前置きしてから話し始めると、最初は戸惑っていたが徐々に落ち着きを取り戻していった。その様子を確認してから改めて質問をした。
その内容とは、どうしてあんな格好をしていたのかという事だった。普通なら恥ずかしくてできないと思うし、ましてや相手が相手だけに尚更だと感じていた。だが、返ってきた答えは意外なものだった。
「実は、前から興味があったのよ」
恥ずかしそうに俯きながら話す姿を見て思わずドキッとした。よく見ると顔も赤くなっており、耳まで真っ赤になっていたのを見ているうちに段々と興奮してくるのを感じた俺は我慢できなくなって抱きしめようとしたのだが、寸でのところで止められた。
不思議に思って首を傾げると、彼女は悲しそうな表情で見つめてきた後で言った。
「ごめんなさい、私には好きな人がいるからあなたとは付き合えないわ」
そう言われてショックを受けたが、すぐに立ち直って尋ねた。
「それってどんな人なんですか?」
すると、彼女は一瞬だけ躊躇うような素振りを見せた後で答えた。
「その人は優しくて素敵な人で私なんかには勿体ないくらいの人だよ」
それを聞いてますます気になってしまったが、これ以上聞いても無駄だと思い諦めることにした。
その後、別れの挨拶をしてその場を後にしたのだが、去り際に彼女が何か言っていたような気がしたがよく聞こえなかったので聞き返すことができなかった……
それから数日の間、何事もなく過ごしていたある日の事だった。
学校帰りに街を歩いていると突然後ろから声をかけられた。振り返ってみるとそこにいたのは例の女性だった。
予想外の出来事に驚いていると、彼女は微笑みながら話しかけてきた。
「こんにちは」
「あ、どうも……」
戸惑いながらも挨拶を返すと、彼女は笑顔で頷きながら言った。
「今から時間あるかな?」
「え? まあ、特に予定はないですけど……」
それを聞いた彼女は嬉しそうに笑うと俺の腕を掴んで歩き出した。突然の事に戸惑っていると、彼女は笑みを浮かべて言った。
「それじゃあ行きましょうか」
こうして、俺は彼女に連れられて行くことになったのだが、一体どこへ連れて行かれるのか見当もつかなかった。
ただ、一つだけ言えることはこれから楽しいことが起きるかもしれないということだった……
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる