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挑まれる勝負
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学校に登校すれば待っているのはいつも通りの日常だ。
「何であたしだけ別のクラスなの~」
「ほなな~」
「また会いに行くから」
「うん、待ってる」
学年の違う希美とリティシアは階段で別れ、
光輝は同じクラスのリティシアと一緒に朝の生徒達で賑わう廊下を歩いていく。
「おはよう」
「おはよう」
「グッモーニング」
「グーテンターグ」
教室でクラスメイトと挨拶を交わし、それぞれの自分の席に向かう。
外国の言葉が飛び出したのはリティシアの外見が外国人っぽく見えるからだろうか。
日本語で通じるんだから日本語でいいと思う。
隣の虎男の席は空いていたが、リティシアの席は窓際の後ろの席と決められているので、彼女はまずそこに荷物を置きに行った。
「ここ、なんかスースーするん」
近くの壁が壊されて応急処置されているのはリティシアの放ってきた悪魔のせいなのだが、それを彼女に教えてやる必要はあるだろうか。
無いと光輝は思った。
過去はどうあれ今は仲良くやっているのだから。
「光輝君、おはよう」
「おはよう、凛堂さん」
郁子がやってきて声を掛けてきた。彼女の兄も一緒だった。
「やあ」
「やあ」
短く言葉とジェスチャーで挨拶を交わし合った。
男同士のことは気にせず、郁子は光輝の隣の席につく。
黙っていれば可愛い少女だ。でも、黙ったままだと意識することも無かっただろう。
寡黙な少女はまるで闇にいるかのように目立たない。
彼女が闇のハンターだと知られてからは、割と声を掛けられる機会が増えているようだった。
負けられないなと光輝は思う。
「負けられないな」
つい口に出して言ってしまう。郁子が反応して視線を向けてきた。
「なにに?」
「えっと、テストに」
「テストかああ」
とっさに口を突いたでまかせに、郁子は困ったように頭を抑えてしまった。
そんなつもりは無かった光輝は慌てて彼女に訊ねた。
「テストが苦手なの?」
「最近修業をしてたでしょ。だから」
「ああ、勉強も頑張らないとね」
ハンターと勉強の両立は大変なのだろうか。
光輝にはよく分からないが、とりあえず内心でエールを送っておいた。
郁子は闇と戦うハンターだ。
光輝とリティシアが闇の王と王女だと知っても、翔介と郁子は襲い掛かってくることをせずに、普通にクラスメイトとして仲良くやっていた。
ただやはり目は付けられていたようだ。
「光輝君、俺と勝負しないか?」
「勝負?」
体育の時間にそう翔介から挑戦されてしまった。
「ああ、バスケで俺と勝負だ!」
自慢げにボールをドリブルして回して受け止めて、余裕をアピールされる。
爽やかなイケメンは不敵に笑んでいる。
周囲の視線が集まった。
そして、彼は宣言する。
静かな眠れる野次馬達が途端に賑やかに沸き返るようなとんでもない発言を。
「君が勝てば郁子と付き合うことを許可してやろう!」
「ちょっと、兄様!」
郁子が慌てて叫ぶが時すでに遅し。
発言を耳にしたクラスメイト達はもう止められない戦いの熱気に盛り上がっていた。
「プレイボール!」
「先生まで!」
光輝は文句を言いかけるが、彼の顔を見て理解した。
この勝負はもう止められないのだ。
先生だって本当は授業をしたいが、やるしかないのだと。
光輝の予想がどれだけ当たっているかは分からないが、周囲は盛り上がっている。
『やっぱ止めるわ』
とは言えそうに無い空気だ。ならば終わらせるしかない。
勝てないまでも最善の負け方で。
光輝は戦いの場に出ながら、せいぜい譲れないことだけを発言した。
「お前が勝ってもリティシアと希美とは付き合わせないからな!」
このヘタレーと野次が飛ぶが、光輝にどうしろと言うのだろうか。
リティシアは無言でエールを送っている。
希美は自分の教室で授業を受けながら、くしゃみをしていた。
窓の外を見て、良い天気だなと思うのだった。
「何であたしだけ別のクラスなの~」
「ほなな~」
「また会いに行くから」
「うん、待ってる」
学年の違う希美とリティシアは階段で別れ、
光輝は同じクラスのリティシアと一緒に朝の生徒達で賑わう廊下を歩いていく。
「おはよう」
「おはよう」
「グッモーニング」
「グーテンターグ」
教室でクラスメイトと挨拶を交わし、それぞれの自分の席に向かう。
外国の言葉が飛び出したのはリティシアの外見が外国人っぽく見えるからだろうか。
日本語で通じるんだから日本語でいいと思う。
隣の虎男の席は空いていたが、リティシアの席は窓際の後ろの席と決められているので、彼女はまずそこに荷物を置きに行った。
「ここ、なんかスースーするん」
近くの壁が壊されて応急処置されているのはリティシアの放ってきた悪魔のせいなのだが、それを彼女に教えてやる必要はあるだろうか。
無いと光輝は思った。
過去はどうあれ今は仲良くやっているのだから。
「光輝君、おはよう」
「おはよう、凛堂さん」
郁子がやってきて声を掛けてきた。彼女の兄も一緒だった。
「やあ」
「やあ」
短く言葉とジェスチャーで挨拶を交わし合った。
男同士のことは気にせず、郁子は光輝の隣の席につく。
黙っていれば可愛い少女だ。でも、黙ったままだと意識することも無かっただろう。
寡黙な少女はまるで闇にいるかのように目立たない。
彼女が闇のハンターだと知られてからは、割と声を掛けられる機会が増えているようだった。
負けられないなと光輝は思う。
「負けられないな」
つい口に出して言ってしまう。郁子が反応して視線を向けてきた。
「なにに?」
「えっと、テストに」
「テストかああ」
とっさに口を突いたでまかせに、郁子は困ったように頭を抑えてしまった。
そんなつもりは無かった光輝は慌てて彼女に訊ねた。
「テストが苦手なの?」
「最近修業をしてたでしょ。だから」
「ああ、勉強も頑張らないとね」
ハンターと勉強の両立は大変なのだろうか。
光輝にはよく分からないが、とりあえず内心でエールを送っておいた。
郁子は闇と戦うハンターだ。
光輝とリティシアが闇の王と王女だと知っても、翔介と郁子は襲い掛かってくることをせずに、普通にクラスメイトとして仲良くやっていた。
ただやはり目は付けられていたようだ。
「光輝君、俺と勝負しないか?」
「勝負?」
体育の時間にそう翔介から挑戦されてしまった。
「ああ、バスケで俺と勝負だ!」
自慢げにボールをドリブルして回して受け止めて、余裕をアピールされる。
爽やかなイケメンは不敵に笑んでいる。
周囲の視線が集まった。
そして、彼は宣言する。
静かな眠れる野次馬達が途端に賑やかに沸き返るようなとんでもない発言を。
「君が勝てば郁子と付き合うことを許可してやろう!」
「ちょっと、兄様!」
郁子が慌てて叫ぶが時すでに遅し。
発言を耳にしたクラスメイト達はもう止められない戦いの熱気に盛り上がっていた。
「プレイボール!」
「先生まで!」
光輝は文句を言いかけるが、彼の顔を見て理解した。
この勝負はもう止められないのだ。
先生だって本当は授業をしたいが、やるしかないのだと。
光輝の予想がどれだけ当たっているかは分からないが、周囲は盛り上がっている。
『やっぱ止めるわ』
とは言えそうに無い空気だ。ならば終わらせるしかない。
勝てないまでも最善の負け方で。
光輝は戦いの場に出ながら、せいぜい譲れないことだけを発言した。
「お前が勝ってもリティシアと希美とは付き合わせないからな!」
このヘタレーと野次が飛ぶが、光輝にどうしろと言うのだろうか。
リティシアは無言でエールを送っている。
希美は自分の教室で授業を受けながら、くしゃみをしていた。
窓の外を見て、良い天気だなと思うのだった。
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