15 / 33
ダイエット。
俺がカニ男ならお前はタコ女だ。
しおりを挟む
***
ルミエール視点。
「お、おい!なんだか料理エリアの方が騒がしいぞ!二人の男女が大きな声で揉めているみたいだ!!」
シルと別れてしばらく経った頃…
俺は幼馴染で王太子の側近でもあるベンジャミン、チェスターと一緒に話をしていた。
そんな時誰かが大きな声で料理エリアで揉め事が起きている事を伝えて走っていった。
夜会という貴族の集まりで、どうしてこうも問題を起こすのか。いい大人なんだからもう少し静かにできないものかと考えていると、フと妹が目に浮かんだ。
「料理エリアで男女の揉め事!?って…」
まさかその女はシルフィーナじゃないだろうか。ベンジャミンやチェスターも前回のことを思い出したようで、三人で慌てて料理エリアに向かった。
沢山の野次馬が見ている中…
二人の言い合いが聞こえる。しかもかなり大人気ない言い合いだ。
そしてその二人を見た時…大きな溜め息と共に怒りが込み上げた。
何故なら目の前にいたのは…この国の王太子アルバートと妹のシルフィーナだったからだ。
俺はズカズカと二人の前に近づいていき頭を小突いた。
「ん…?お前ら…何をしているんだ?」
普段笑わない俺が笑顔で近づいてきたことで何かを悟ったのだろう。
今にも逃げ出しそうなシルの頭を鷲掴みにして何をしていたか聞くと涙目になりながら話し始めた。
「お、お、お兄様…わた、わた、私はただご飯を食べていただけです。ねっ?カニ男。」
カニ男って…アルのことか!?そもそもアルバートを好きになったからダイエットを頑張っていたと思っていたんだが…顔を知らずに好きになっていたというのか?
「そ、そ、そうだ…俺も何もしていない。」
シルの言葉に大きく頷くカニ男基、王太子殿下。
そういえばアルも昔から食べるのが好きだったな。恐らく美味しそうな匂いにつられて料理エリアにでも来たのだろう。
言ってしまえば似たもの同士というわけか…。
「へぇ~…そうですか。では…この騒ぎは一体なんなんですかね。教えてくださいますか?アルバート王太子殿下…?」
周りを見るように促すとアルバート王太子殿下は今の現状にやっと気づいたようだ。
しかし、この二人にはそれ以上に気になった言葉があったらしい…。
「えっ!?貴方…アルバート王太子殿下だったの!?」
「って…お前ルミエールの妹なのか!?ルミエールには一人しか妹がいなかったはずだが…!?」
まさか、アルまで俺の妹に気づいていないということか!?こいつら…本当に好きあっているのか!?分からなくなった俺はアルに妹が一人しかいないことを伝えると、シルを二度見していた。
***
アルバート視点。
夜会の会場に着くなり美味そうな匂いが会場中に充満していた。
夜会の会場の料理エリア…
常に用意はされているのだが利用するものはほとんどいない…。
美味しそうな匂いがしていても皆腹をぐぅぐぅと鳴らしながら我慢している。
そんな時…以前の夜会のことを思い出した。
ルミエールの妹。シルフィーナ…。皆が見ている中、周りの目など気にせず食べ続けるシルフィーナは惚れ惚れするほどだった。
会場で倒れた時は驚いたものだが…後でルミエールの話を聞いたところ倒れた理由は料理では無いらしい…。
何故か知らないが昔から「デブ」と言われると倒れてしまうのだそうだ。しかも「デブ」と言われた後のことはほとんど覚えていない。
本人は「デブ」という言葉が原因で倒れてることすら知らず、朝起きたら何事も無かったかのようにいつも通りの日常を過ごしていたらしい。
しかし豚という言葉はよくてなぜ「デブ」という言葉がダメなのか…
不思議でならないが…。
俺は美味しそうな匂いのする方へと向かう。もしかしたらシルフィーナが食べている姿をまた見れるのではないか…という淡い期待と、シルフィーナが食べている姿をみて、自分も我慢をするのは辞めようと思ったからだ。
料理エリアに着くなり、俺は皿の中に食べたいものをのせた。
エビフライやカニ…それにカニクリームコロッケ。あとは魚のフライにタコの唐揚げ…。あとはおにぎりと…。
とりあえず両手の皿一杯に料理を乗せると、空いている席に座った。
シルフィーナがまだ来ていないのは残念だが…これから来るだろうと期待して料理を食べ始める。
まずはエビフライから…たくさんのタルタルを乗せてかぶりつく。
ジューシーでプリプリな身は口の中でホロホロと無くなっていく。そしてエビの匂いが食欲を掻き立てる。俺は今まで何故夜会での料理に手をつけなかったのか…後悔した。そしてその分の元を取り戻そうと、食べれるだけ食べていると…
一人の女性が近づいてきた。
紺色のドレスに引き締まった身体。顔も整っていて、レイネシアとはまた違う綺麗さがあった。少しタレ目だからか儚い印象を受ける。
あんな女性いただろうか…
そう思っていると、ウィリアムが近づいていった。
というか、何故ウィリアムがここにいるのか…誰が入れたのかは知らないが、とりあえず女性がどう行動するのか見ていると、こちらに向かって「助けなさいよ!!」と言ってくる始末。
俺の事知らないのか?そう思っていると、ウィリアムの腕を振り払ってこちらに近づいてくる。
そして料理を手に取るとそのまま俺の隣に座って食べ始めた。
料理を食べ始めると先程まで怒っていたのが嘘のように目をきらきらさせながら美味しそうに食べていく…
両頬をいっぱいに膨らませて食べる姿はシルフィーナを連想させるが…
どう考えても似ても似つかない…むしろ似てると言ったらこの女性に失礼に当たるだろう…
そう思った俺は名前を聞いた。
「夜会で料理を食べるなんて珍しいな。大体の女達は食べようともしないだろう。名前はなんて言うんだ?」
王太子殿下である俺が名前を聞いているのだ。すぐに名前を教えてくれると思っていたらまさかの言葉が返ってきた。
「貴方こそ珍しいわね…夜会で食事をする人なんて私以外にはじめてみたわ。名前を聞くなら先に名乗るのが筋ってものでしょ。」
まさか…本当に俺を知らないというのか…!?
確かシルフィーナもレイネシアのことを知らなかったと言っていたな。夜の中には王族のことを知らないやつも居るんだと思うとおかしくなってしまって更に言い返す。
「ふん。俺の名を知らないとはな…お前は珍獣かなにかか?俺の事を知らないやつの方が珍しいくらいだぞ。」
「珍獣という言葉には同意するわ。殆ど貴族主催のイベントに参加することは無いし…今回だってお父様に言われて仕方なく参加しただけだもの…で?貴方の名前はなんて言うの?」
まさか珍獣と言われて怒りもせずに同意する奴がいるか!?
本当に面白いやつだと思っていると、俺が食べてきたカニを勝手に食べ始める。本当にこの女…図々しい奴だな。
「おま、そ、それは俺のだぞ!!」
「うるさいわね。カニ男。一本くらい食べたって良いじゃない。それとも何?そんなに貴方は男としての器が小さいわけ?あぁ。ヤダヤダ。お兄様なら喜んでカニを譲ってくれるわよ!!」
カニ…
カニ男って…俺のことか!?
と、いうか…。お前に言われたくないんだが。お前のことはタコ女とでも呼んでやろうか…
しかもこいつ兄がいるのか!?兄に相当甘やかされて育ってきたんだろうか。誰も彼もがお前の兄のように甘やかしてくれるの思うなよ!!
「ふんっ。可愛くない女だな。お前の親の顔が見て見たいよ。それで?名前はなんて言うんだ。」
そう言ってやり取りをしていると…まさか本物のばけも…いや…ルミエールがやってくるとは思わなかった。
そしてまさか…目の前にいるこのタコ女が、シルフィーナだなんて…言われるまで気づかなかったのは仕方がないだろう…
だって見た目が全然違うのだから…。
ルミエール視点。
「お、おい!なんだか料理エリアの方が騒がしいぞ!二人の男女が大きな声で揉めているみたいだ!!」
シルと別れてしばらく経った頃…
俺は幼馴染で王太子の側近でもあるベンジャミン、チェスターと一緒に話をしていた。
そんな時誰かが大きな声で料理エリアで揉め事が起きている事を伝えて走っていった。
夜会という貴族の集まりで、どうしてこうも問題を起こすのか。いい大人なんだからもう少し静かにできないものかと考えていると、フと妹が目に浮かんだ。
「料理エリアで男女の揉め事!?って…」
まさかその女はシルフィーナじゃないだろうか。ベンジャミンやチェスターも前回のことを思い出したようで、三人で慌てて料理エリアに向かった。
沢山の野次馬が見ている中…
二人の言い合いが聞こえる。しかもかなり大人気ない言い合いだ。
そしてその二人を見た時…大きな溜め息と共に怒りが込み上げた。
何故なら目の前にいたのは…この国の王太子アルバートと妹のシルフィーナだったからだ。
俺はズカズカと二人の前に近づいていき頭を小突いた。
「ん…?お前ら…何をしているんだ?」
普段笑わない俺が笑顔で近づいてきたことで何かを悟ったのだろう。
今にも逃げ出しそうなシルの頭を鷲掴みにして何をしていたか聞くと涙目になりながら話し始めた。
「お、お、お兄様…わた、わた、私はただご飯を食べていただけです。ねっ?カニ男。」
カニ男って…アルのことか!?そもそもアルバートを好きになったからダイエットを頑張っていたと思っていたんだが…顔を知らずに好きになっていたというのか?
「そ、そ、そうだ…俺も何もしていない。」
シルの言葉に大きく頷くカニ男基、王太子殿下。
そういえばアルも昔から食べるのが好きだったな。恐らく美味しそうな匂いにつられて料理エリアにでも来たのだろう。
言ってしまえば似たもの同士というわけか…。
「へぇ~…そうですか。では…この騒ぎは一体なんなんですかね。教えてくださいますか?アルバート王太子殿下…?」
周りを見るように促すとアルバート王太子殿下は今の現状にやっと気づいたようだ。
しかし、この二人にはそれ以上に気になった言葉があったらしい…。
「えっ!?貴方…アルバート王太子殿下だったの!?」
「って…お前ルミエールの妹なのか!?ルミエールには一人しか妹がいなかったはずだが…!?」
まさか、アルまで俺の妹に気づいていないということか!?こいつら…本当に好きあっているのか!?分からなくなった俺はアルに妹が一人しかいないことを伝えると、シルを二度見していた。
***
アルバート視点。
夜会の会場に着くなり美味そうな匂いが会場中に充満していた。
夜会の会場の料理エリア…
常に用意はされているのだが利用するものはほとんどいない…。
美味しそうな匂いがしていても皆腹をぐぅぐぅと鳴らしながら我慢している。
そんな時…以前の夜会のことを思い出した。
ルミエールの妹。シルフィーナ…。皆が見ている中、周りの目など気にせず食べ続けるシルフィーナは惚れ惚れするほどだった。
会場で倒れた時は驚いたものだが…後でルミエールの話を聞いたところ倒れた理由は料理では無いらしい…。
何故か知らないが昔から「デブ」と言われると倒れてしまうのだそうだ。しかも「デブ」と言われた後のことはほとんど覚えていない。
本人は「デブ」という言葉が原因で倒れてることすら知らず、朝起きたら何事も無かったかのようにいつも通りの日常を過ごしていたらしい。
しかし豚という言葉はよくてなぜ「デブ」という言葉がダメなのか…
不思議でならないが…。
俺は美味しそうな匂いのする方へと向かう。もしかしたらシルフィーナが食べている姿をまた見れるのではないか…という淡い期待と、シルフィーナが食べている姿をみて、自分も我慢をするのは辞めようと思ったからだ。
料理エリアに着くなり、俺は皿の中に食べたいものをのせた。
エビフライやカニ…それにカニクリームコロッケ。あとは魚のフライにタコの唐揚げ…。あとはおにぎりと…。
とりあえず両手の皿一杯に料理を乗せると、空いている席に座った。
シルフィーナがまだ来ていないのは残念だが…これから来るだろうと期待して料理を食べ始める。
まずはエビフライから…たくさんのタルタルを乗せてかぶりつく。
ジューシーでプリプリな身は口の中でホロホロと無くなっていく。そしてエビの匂いが食欲を掻き立てる。俺は今まで何故夜会での料理に手をつけなかったのか…後悔した。そしてその分の元を取り戻そうと、食べれるだけ食べていると…
一人の女性が近づいてきた。
紺色のドレスに引き締まった身体。顔も整っていて、レイネシアとはまた違う綺麗さがあった。少しタレ目だからか儚い印象を受ける。
あんな女性いただろうか…
そう思っていると、ウィリアムが近づいていった。
というか、何故ウィリアムがここにいるのか…誰が入れたのかは知らないが、とりあえず女性がどう行動するのか見ていると、こちらに向かって「助けなさいよ!!」と言ってくる始末。
俺の事知らないのか?そう思っていると、ウィリアムの腕を振り払ってこちらに近づいてくる。
そして料理を手に取るとそのまま俺の隣に座って食べ始めた。
料理を食べ始めると先程まで怒っていたのが嘘のように目をきらきらさせながら美味しそうに食べていく…
両頬をいっぱいに膨らませて食べる姿はシルフィーナを連想させるが…
どう考えても似ても似つかない…むしろ似てると言ったらこの女性に失礼に当たるだろう…
そう思った俺は名前を聞いた。
「夜会で料理を食べるなんて珍しいな。大体の女達は食べようともしないだろう。名前はなんて言うんだ?」
王太子殿下である俺が名前を聞いているのだ。すぐに名前を教えてくれると思っていたらまさかの言葉が返ってきた。
「貴方こそ珍しいわね…夜会で食事をする人なんて私以外にはじめてみたわ。名前を聞くなら先に名乗るのが筋ってものでしょ。」
まさか…本当に俺を知らないというのか…!?
確かシルフィーナもレイネシアのことを知らなかったと言っていたな。夜の中には王族のことを知らないやつも居るんだと思うとおかしくなってしまって更に言い返す。
「ふん。俺の名を知らないとはな…お前は珍獣かなにかか?俺の事を知らないやつの方が珍しいくらいだぞ。」
「珍獣という言葉には同意するわ。殆ど貴族主催のイベントに参加することは無いし…今回だってお父様に言われて仕方なく参加しただけだもの…で?貴方の名前はなんて言うの?」
まさか珍獣と言われて怒りもせずに同意する奴がいるか!?
本当に面白いやつだと思っていると、俺が食べてきたカニを勝手に食べ始める。本当にこの女…図々しい奴だな。
「おま、そ、それは俺のだぞ!!」
「うるさいわね。カニ男。一本くらい食べたって良いじゃない。それとも何?そんなに貴方は男としての器が小さいわけ?あぁ。ヤダヤダ。お兄様なら喜んでカニを譲ってくれるわよ!!」
カニ…
カニ男って…俺のことか!?
と、いうか…。お前に言われたくないんだが。お前のことはタコ女とでも呼んでやろうか…
しかもこいつ兄がいるのか!?兄に相当甘やかされて育ってきたんだろうか。誰も彼もがお前の兄のように甘やかしてくれるの思うなよ!!
「ふんっ。可愛くない女だな。お前の親の顔が見て見たいよ。それで?名前はなんて言うんだ。」
そう言ってやり取りをしていると…まさか本物のばけも…いや…ルミエールがやってくるとは思わなかった。
そしてまさか…目の前にいるこのタコ女が、シルフィーナだなんて…言われるまで気づかなかったのは仕方がないだろう…
だって見た目が全然違うのだから…。
599
あなたにおすすめの小説
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
傷跡の聖女~武術皆無な公爵様が、私を世界で一番美しいと言ってくれます~
紅葉山参
恋愛
長きにわたる戦乱で、私は全てを捧げてきた。帝国最強と謳われた女傑、ルイジアナ。
しかし、私の身体には、その栄光の裏側にある凄惨な傷跡が残った。特に顔に残った大きな傷は、戦線の離脱を余儀なくさせ、私の心を深く閉ざした。もう誰も、私のような傷だらけの女を愛してなどくれないだろうと。
そんな私に与えられた新たな任務は、内政と魔術に優れる一方で、武術の才能だけがまるでダメなロキサーニ公爵の護衛だった。
優雅で気品のある彼は、私を見るたび、私の傷跡を恐れるどころか、まるで星屑のように尊いものだと語る。
「あなたの傷は、あなたが世界を救った証。私にとって、これほど美しいものは他にありません」
初めは信じられなかった。偽りの愛ではないかと疑い続けた。でも、公爵様の真摯な眼差し、不器用なほどの愛情、そして彼自身の秘められた孤独に触れるにつれて、私の凍てついた心は溶け始めていく。
これは、傷だらけの彼女と、武術とは無縁のあなたが織りなす、壮大な愛の物語。
真の強さと、真実の愛を見つける、異世界ロマンス。
女嫌いな辺境伯と歴史狂いの子爵令嬢の、どうしようもなくマイペースな婚姻
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「友好と借金の形に、辺境伯家に嫁いでくれ」
行き遅れの私・マリーリーフに、突然婚約話が持ち上がった。
相手は女嫌いに社交嫌いな若き辺境伯。子爵令嬢の私にはまたとない好条件ではあるけど、相手の人柄が心配……と普通は思うでしょう。
でも私はそんな事より、嫁げば他に時間を取られて大好きな歴史研究に没頭できない事の方が問題!
それでも互いの領地の友好と借金の形として仕方がなく嫁いだ先で、「家の事には何も手出し・口出しするな」と言われて……。
え、「何もしなくていい」?!
じゃあ私、今まで通り、歴史研究してていいの?!
こうして始まる結婚(ただの同居)生活が、普通なわけはなく……?
どうやらプライベートな時間はずっと剣を振っていたい旦那様と、ずっと歴史に浸っていたい私。
二人が歩み寄る日は、来るのか。
得意分野が文と武でかけ離れている二人だけど、マイペース過ぎるところは、どこか似ている?
意外とお似合いなのかもしれません。笑
婚約破棄された令嬢は“図書館勤務”を満喫中
かしおり
恋愛
「君は退屈だ」と婚約を破棄された令嬢クラリス。社交界にも、実家にも居場所を失った彼女がたどり着いたのは、静かな田舎町アシュベリーの図書館でした。
本の声が聞こえるような不思議な感覚と、真面目で控えめな彼女の魅力は、少しずつ周囲の人々の心を癒していきます。
そんな中、図書館に通う謎めいた青年・リュカとの出会いが、クラリスの世界を大きく変えていく――
身分も立場も異なるふたりの静かで知的な恋は、やがて王都をも巻き込む運命へ。
癒しと知性が紡ぐ、身分差ロマンス。図書館の窓辺から始まる、幸せな未来の物語。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
「地味で無能」と捨てられた令嬢は、冷酷な【年上イケオジ公爵】に嫁ぎました〜今更私の価値に気づいた元王太子が後悔で顔面蒼白になっても今更遅い
腐ったバナナ
恋愛
伯爵令嬢クラウディアは、婚約者のアルバート王太子と妹リリアンに「地味で無能」と断罪され、公衆の面前で婚約破棄される。
お飾りの厄介払いとして押し付けられた嫁ぎ先は、「氷壁公爵」と恐れられる年上の冷酷な辺境伯アレクシス・グレイヴナー公爵だった。
当初は冷徹だった公爵は、クラウディアの才能と、過去の傷を癒やす温もりに触れ、その愛を「二度と失わない」と固く誓う。
彼の愛は、包容力と同時に、狂気的な独占欲を伴った「大人の愛」へと昇華していく。
異世界転生公爵令嬢は、オタク知識で世界を救う。
ふわふわ
恋愛
過労死したオタク女子SE・桜井美咲は、アストラル王国の公爵令嬢エリアナとして転生。
前世知識フル装備でEDTA(重金属解毒)、ペニシリン、輸血、輪作・土壌改良、下水道整備、時計や文字の改良まで――「ラノベで読んだ」「ゲームで見た」を現実にして、疫病と貧困にあえぐ世界を丸ごとアップデートしていく。
婚約破棄→ザマァから始まり、医学革命・農業革命・衛生革命で「狂気のお嬢様」呼ばわりから一転“聖女様”に。
国家間の緊張が高まる中、平和のために隣国アリディアの第一王子レオナルド(5歳→6歳)と政略婚約→結婚へ。
無邪気で健気な“甘えん坊王子”に日々萌え悶えつつも、彼の未来の王としての成長を支え合う「清らかで温かい夫婦日常」と「社会を良くする小さな革命」を描く、爽快×癒しの異世界恋愛ザマァ物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる