引きこもり白豚令嬢の華麗なる逆襲???~美味しいご飯のためにダイエットを始めたら何やら勘違いされたようです。~

ゆずこしょう

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勘違いから始まる恋もあるのでしょうか。

曲がり角から始まる恋?

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「か、か、かに…じゃなかった…アルバート王太子殿下はなぜこんな所にいらっしゃるのですか?」


曲がり角でぶつかるシチュエーションに思わずドキッ…とすることは無く、早く会場に行かないとお兄様に怒られるだろうなと別のことばかり考えていた。


「部屋に忘れ物をしてな。一度戻ってきたらフロアを間違えただけだ。」


このフロアはベルセリウス家が宿泊していたフロアで王族の皆様には、一番上の階に泊まってもらっていたのだが、フロアを間違えるって…


思わず笑ってしまう。


「クスッ」



「あぁ、すみません。間違えようがない所で迷子っておかしくて。どうせまだカニのことでも考えていたのでは無いですか。クスクス。アルバート王太子殿下の宿泊フロアはあと二つ上のフロアですよ。」



いい大人が迷子って…上を指さしながら伝えると、アルバート王太子殿下は苦虫を噛み潰したような顔で話しかけてきた。


「お、お前に言われなくてもわかっている。お前こそフロアの一番上に自分の部屋をもてなくて残念だったな…ルミエールから聞いたぞ。コソコソ動いてたようだが丸わかりだったとな。」



本当は一番上のフロアは自分専用のフロアを作って悠々自適なスローライフを…と考えていたのに…お兄様に気づかれて泣く泣く諦めたのだ。


お兄様曰く、


『お前の魂胆は丸見えだ。お前にそんな部屋を与えてみろ。引きこもって部屋から出なくなるだろうが…』


だそうだ。



さすがお兄様…私の事をよく理解している。



しかし、なぜ一番知られたくなかったアルバート王太子殿下が知っているのか…きっとお兄様がシアに話をしてそこからアルバート王太子殿下の元へ話が言ったのだろうが…。


そこは秘密にしておいて欲しかった。



「傷口に塩を塗りたくるなんて、塩が勿体ないじゃないですか。それよりも早く忘れ物とやらを取りに行ったらどうですか。私もそろそろ会場に向かわないと、お兄様の雷が落ちそうなので…失礼致します。」



会場に向かおうとアルバート王太子殿下の前を通り過ぎようとすると「ま、待ってくれ」と声をかけられる。


なにか落し物でもしただろうか。ドレスを着るとイヤリングやネックレス、指輪など小さい小物をつけている分落としやすい。


首を傾げて「なんですか?」と聞くと、王太子殿下は私から顔を背けながら小さい声で「一緒に行かないか?」と言ってきた。


聞こえたのが奇跡だと思うくらいには小さかったと思う。まぁ、イケメンの恥ずかしがっている姿を見たら、普通だったら悶えるところなんだろうけど…


如何せん相手はカニ男だ。


カニの足を食べた位で怒る小さい男にキュンとすることはなかった。



「一緒に?あぁ、会場まで結構距離がありますもんね。道に迷ってしまいそうということですよね。」


知ってます知ってます。方向音痴の人は道を知っていても間違えたりするんですよね。地図を見てもたどり着けなかったり…。


右に曲がったはずが1つ手前の道で曲がってさらに迷子になったりとか。


それで早めに出たはずなのに着くとギリギリとか…。



「あぁ…そうなんだ…だから待っていてくれ。」


それだけ伝えるとアルバート王太子殿下は自分達の泊まるフロアへと急いで向かった。


それからしばらくして帰ってきたアルバート王太子殿下と一緒に会場へと向かった。



夜会会場に着くとたくさんの貴族達がこちらを見てくる。


王太子殿下の登場だから目立たないわけが無い…。皆近づいてくることはないが遠巻きにちらちら見ている女性たちは、獲物を見つけたメスライオンのように鋭い目付きをしている。


最近、アレクシス第二王子にも婚約者ができたと聞いたし、三大公爵家のベンジャミン様やチェスター様にも婚約者ができたらしいから、残っている大物はアルバート王太子殿下くらいなのだろう。


王族というのも大変だな…なんて、思っているとアルバート王太子殿下が声をかけてきた。


「おい、いい匂いがしないか。」





……


………。



いい匂い…私としたことがすっかり忘れていた。今回は私が料理メニューを準備したのだ。


ベルセリウス領の特産でもあるベルセ牛を使った牛肉料理やグラタン、ラザニアそれにベール豚を浸かった豚料理。中でも、チーズをふんだんに使ったマルゲリータはとてもおすすめだ。


それから今回は初めて豚を使ったベーコンの燻製を作ってみた。


以前、ガルブンクルス国のジェラルディーナ・アクアマリン子爵に連絡をとった時、作り方を教えてくれたのだ。


スパリゾート計画についても手紙で何回か相談に乗ってもらった。いつか子供たちを連れて遊びに来てくれると行っていたから会えるのが楽しみだ。


「ふんふん…本当ですね!これは料理エリアに急がねばなりません。今回の料理は私がメニューを考案したのです!!ですので美味しさは間違いありませんわ。」



私とアルバート王太子殿下は急いで料理エリアへと向かった。


「待っていなさい!料理達!!今日はチートデイよぉぉぉ!!」









その頃の二人を見た人たちは…


ーーー「えっ…アルバート王太子殿下の隣を歩いているのは誰!?初めて見たのだけど…」




ーーー「とてもお美しかったわね。アルバート王太子殿下の婚約者かしら。仲も良さそうだし入る余地はなさそうだわ…」



ーーー「なんだか二人揃ってすごい勢いで料理エリアの方へ走っていったのだけど…」




「「「「とてもお似合いの二人ね…」」」」



と、言う話が広がっていた。



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