引きこもり白豚令嬢の華麗なる逆襲???~美味しいご飯のためにダイエットを始めたら何やら勘違いされたようです。~

ゆずこしょう

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勘違いから始まる恋もあるのでしょうか。

報告します!!

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「お前たち…今何時かわかっているのか?」


いつも以上に低い声で話すお兄様…これはかなり怒っているのが分かる。いつもだったら頭鷲掴みされて正座の刑になっていたところだ。


ここが夜会会場で助かった。


お兄様の声を聞いた瞬間、隣にいたアルバート王太子殿下もまずいと思ったのだろう。同じタイミングでパッと立ち上がった。


「それで…?お前たちは何をしていたんだ。」

テーブルの上に置いてある、料理を見ながら話すお兄様。シアばかりも今回ばかりはお兄様の味方のようで何も言わず黙ってこちらを見ている。


「い、いや…その…つ、ついな…出来心というか…な、シルフィーナ。」


始めてアルバート王太子殿下に名前を呼ばれた気がするが、今はそれどころではない。まずは目の前にいるお兄様を何とかしなければ…


「そ、そうなのです。つ、つい出来心で…その、匂いにつられておいしそうだから食べたいなーとか挨拶のことをすっかり忘れていたなんてことは全くないのです!ね…?アルバート王太子殿下。」


アルバート王太子殿下は首がもげるのではないかというスピードで首を縦に振る。


「そうだ!決して挨拶のことを忘れていたわけではないぞ。」


私たちの言葉を聞いてお兄様は大きなため息をついてから、顎を動かして壇上に向かうよう促す。何とかこの場を乗り切れたことに安堵していると、私たちの後ろを歩くお兄様から、爆弾が落とされた。



「忘れているとはいい度胸だな。シルフィーナ、アルバート。この後どうなるか、覚えておけよ。」



どうやら私たち以外に聞こえてはいないらしく、周りの人たちは夜会が始まるのを今か今かと待ち構えている。シアはそんなお兄様の言葉を聞いて「クスクス」と笑っていた。


お兄様に背中を押されて壇上に登ると、皆が拍手で迎えてくれる。まさかこんなに歓迎ムードとは痩せた甲斐があったというものだ。全てはご飯のためだったけど…


まずはじめに、アルバート王太子殿下が挨拶をする。


「今日は集まってくれて感謝する。今日集まってもらったのは報告があったからだ。」


アルバート王太子殿下が報告があることを伝えると、「きゃあああああ!!」という声が会場中に響き渡った。



報告と言ってもこの国にも汽車を作ることになったと言う話をするだけだったのだが…皆それをずっと待っていたと言うことだろうか。



スパ施設を作ったあと、一つだけ大きな問題が会った。王都からそこまで離れた地域ではないベルセリウス領だが、他の領地から来るとなると行き来だけでかなり時間がかかってしまうと言うことだ。


そこで目をつけたのがガルブンクルス国の汽車だった。ガルブンクルス国では数年前に汽車が開通していて、今ではどの領地も1日かからず移動が可能なのだそうだ。


私は汽車を作ったジェラルディーナ様に連絡をとった。やはり、ジェラルディーナ様は私と同じように転生者だったらしい。


まさかこんな近くに!?とも思ったけど、輪廻転生という言葉があるわけだから転生している人がいても不思議では無いのかも…と思ったりしている。


ジェラルディーナ様と連絡を取り合うようになってから、以前よりもガルブンクルス国と交流が増えている。


最近はお漬物のレシピや、梅干しのレシピを教えてもらうことが出来たし、地酒や焼酎、ビール、ウイスキーなどを送ってくれた。久しぶりに飲んだ梅酒は美味しかった。


そんな、汽車の話を今か今かと目をキラキラさせながら待っているシア…「ついに、ついに来たのね!!」と言っているし、相当楽しみにしてくれていたみたいでなんだか嬉しくなってくる。


「皆も心待ちにしてくれていたようで非常に嬉しく思う。」






……


………



「ついに…我がアルムグレーン国でも汽車が開通にすることになった。」


アルバート王太子殿下が報告した瞬間、先程まで賑やかだった会場が瞬く間にシーンとなった。







……



………



…………




「「「「「はぁぁぁぁぁあああ!?!?」」」」」






……


………



さっきまではどちらかと言うと高揚している感じが話の節々から伝わってきていたのに、真逆の反応に呆然とする。


アルバート王太子殿下もこんな反応になるとは思っていなかったようだ。


「「え!?どういうこと??」」


皆の反応にどうしていいか分からずにいると、レイネシアがズカズカとこちらに向かって歩いてきた。


「ちょっと、アルバートお兄様!なんでそんなにヘタレなんですか!?」


えっ!?ヘタレ?


むしろ堂々と汽車の報告をしていたと思うんだけど…。どの辺がヘタレなのか分からずいると、シアの怒りの矛先が私に向く。


「シルもシルよ!!どうしてそんなにのんびりしているのよ!ここはアルバートお兄様のお尻を叩かなければ行けないとこよ?」


「え、えっと…」


私がシアの言葉にタジタジになっていると、お兄様が話に入ってきた。


「はぁ…。お前たちまだ分からないのか?」



お兄様は面倒くさそうな顔をしながら、シアの頭を撫でて落ち着かせた。こういう姿を見ると本当に婚約者なんだなと思い知る。


私が首を傾げていると、アルバート王太子殿下が代わりに答えた。


「あぁ。何がどうなっているんだ?」



アルバート王太子殿下の言葉に同意するよう頷くと、目の前に大きな鏡を用意される。


「自分たちの格好をみて、なにか思い浮かぶことは?」


なにか思い浮かぶこと…


「赤い…ですね…」


「あぁ、赤いな。」


「そうだ…二人とも赤いな…それから?」


諭すように聞くお兄様に、勿体ぶらずに教えてくれと思ったのは言うまでもない。


「それから…と聞かれましても、赤いとしか思いませんが…。」


「うむ…俺もだ…。」



これでは堂々巡りも甚だしい。このやり取りに痺れを切らしたのは私たちだけではないようで、遠くで聞いていた国王陛下が話に入ってきた。



「お前たちが婚約すると聞いていたんだが…違ったのか?」







……



………



「「えっ!?婚約!?!?」」
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