転生して何故か聖女なった私は、婚約破棄されたうえに、聖女を解任される。「え?」 婚約者様。勝手に聖女を解任して大丈夫? 後は知りませんよ

幸之丞

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エリーゼは馬車に乗り、伯爵家の館(王都の自宅)に到着しました。
そこには、エリーゼ専任メイドのアンナが目を見開きましたが、一瞬で元の表情になり、エリーゼに出迎えました。

「エリーゼ様お帰りなさいませ。
ご予定の時間より、ご帰宅時間が早くなっていますが、晩餐会に何かあったのでしょうか?」

エリーゼは、晩餐会で起きた事を詳細にアンナに伝えました。

アンナは眉間にしわを寄せ、握り拳をつくりプルプルと腕を震えながら
「お嬢、あいつをぶん殴ってくるのと、魔法で凍らせるのとどちらが良いですか?」
アンナは言葉遣いをめちゃくちゃにしながらエリーゼに尋ねました。

「まあ まあ 落ち着いて。
私はレオポルド様との婚約は無かったことにしたいと言うことは貴女も知っていましたよね?
そして、聖女の任も、この馬車の奥にいる精霊達の許可を頂いたので、ガイスト王国の聖女として祈るのは今朝で終了です」

(あ!そうだ。アンナに精霊を紹介しよう)
「さぁ。精霊の皆様、こちらに出ていらして」
エリーゼは馬車の奥で飛び回る精霊達に声をかけました。

精霊達はエリーゼの声を聞き、馬車から出てきました。

アンナは精霊達をみて一瞬固まってしまいましたが、エリーゼに肩を叩かれ意識を戻し
「エリーゼ様。とうとう精霊様達のお姿も見られるようになられたのですね・・・?」
そしてアンナは背筋をピンと伸ばして
「精霊の皆様初めまして、私はエリーゼ様に仕えます、アンナと申します。今後ともよろしくお願いします」
と精霊達に挨拶をして両腕を前でクロスして脚を折り姿勢を低くして挨拶をしました。

「「「アンナ。我らはいつもエリーゼと共にいる貴女をいつも見ていましたよ
これからよろしくね!」」」
精霊達は声を揃えアンナに答えました。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

エリーゼとアンリは、荷物の整理をしています。
エリーゼは、両親や妹と一緒に暮らすことは出来ないと考え、王都にあるこの館から、薬師ギルドに立ち寄り、領地の首領のライヒトゥームに行き、祖父母や、代官で叔父のハインツと顔を合わせ今後の事を相談しようと予定を立てているのです。

そのため、先ずはこの屋敷から旅立つ為、荷物、現金、証券などを整理しているのです。

(ああ、家を出るといっても、両親には挨拶をしてから旅立つことにしましょう。
幼い頃は、妹のカーラが病弱だったため、私は領地で、祖父母、叔父や叔母に育ててもらって、10歳になってからは、聖女になり、翌年には、商業ギルドを立ち上げたため10歳からは自分の力でお金を稼いだけれども、親は親だからここは義理を立てるためにも、挨拶ぐらいはしておこう)
エリーゼは、そのようなことを考え、今日は館で一泊することを決めたのでした。





朝まで待ったが、両親もカーラも屋敷には帰ってきませんでした。

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