転生して何故か聖女なった私は、婚約破棄されたうえに、聖女を解任される。「え?」 婚約者様。勝手に聖女を解任して大丈夫? 後は知りませんよ

幸之丞

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「あ~! 何か 嫌な感じがするね~?
この神聖な湖を舟を使って汚してさ~!」
マーラは舟に乗ってこちらへむかっている者に嫌悪を感じて眉を寄せて舟に乗っている人物を指さして言いました。

(うわ~ アレってエウゲン殿下じゃない?すっごく面倒なことになりそうだから、移動してしまおうかな?)
エリーゼは、こちらに向かい腕を振りながら大声を出している男に会うと面倒な事になると思いました。
「アンナ!面倒な事になる前にここから離れましょう」

「エリーゼ様。あの舟に乗っているのは、エウゲン殿下じゃないですか?
このまま移動してしまうと不敬と言われてしまうともっと面倒になりますよ」

(普通に考えるとその通りだよね。精霊達が嫌がっているのもあるんだけど、今日は王子と絡むと面倒になりそうなんだよね。
とりあえず会いたくないから沈没させよう。 そうしよう。)
エリーゼは言葉の暴力でなく、本当の暴力に出ることに決めました。

「フォーレ。あの舟を転覆させて!マーラでもいいよ」

フォーレは「へへへ」と笑い強風を湖面にぶつけ波を起こしました。

マーラはニヤとニヒルな笑顔を作り、現代日本の鳴門海峡のような、渦を作り、舟クルクルと回して舟に乗る3人を湖に落としました。
その後に舟が沈没しました。
ここにいる精霊達は、エリーゼを主人のように思っているために、エリーゼの指示することは絶対に服従なのです。
でも2柱は、ノリノリで精霊術を使っていました。


アンナは沈む舟をみてやってしまったか~と半分目を閉じ見ていると
王子と従者達は、普通に立っています。
水深は60㎝といったところでしょうか。アンナはむしろ、水面を大きく波をたてたことと、水の渦を出したことにびっくりしました。

 殿下は大きな声で、エリーゼを呼んでいます。

「どうして、私が服を濡らしてまでそちらに行かなければならないの?」
とエリーゼは、言いましたが、身を清めたためすでに修道服を濡らしています。

それでもエウゲンは
「エリーゼがこちらに来ないなら俺が行く、王子様の俺様が迎えに行く、大人しくまっていろ!」
と押しを強く言った。
(うわ~。エウゲン殿下も俺様? 普通、転生して婚約破棄されたら、格好いい彼が迎えに来て、二人が恋愛にウブな反応をしたあと、お互いに好きだと気づいてハッピーエンドじゃないの?
どうして私に近づいてくるのは、俺様ばかりなの?
もうレオポルドで懲りたから・・・ もう ありえない!!!)
と心で思っているエリーゼですが、
「殿下!私に何かご用ですか?
これから行かねばならない急用がございますので、ご容赦いたします」
エリーゼは、長時間にならないように保険かけました。

「エリーゼ。私と話すのに、それより大事な用事があるはずないではないか」
エウゲンは、ロイヤルファミリーであり、自分が優先されると思っています。

(昨日、イケメンだから少しは良いかな?って考えていた私、死んで欲しい。
こんなに中身が残念な人とは・・・)
「殿下申し訳ございません。昨日の一件で、祖父達と会う約束をしています。
殿下との時間も大切ですが、今後の私の身の振り方を相談しなければなりませんのでご容赦くださいませ」

「それは、問題ない、私と婚約して俺と夫婦になればいい。」

「「「「「はあ~????」」」」」

いきなりのプロポーズするエウゲンに驚き、精霊達やアンナも思わず声を出ししまいました。

そして、エウゲンを嫌っているアンナはより、王子がより嫌いになり不敬と言われてもかまわないと思い
「エウゲン殿下。
大変恐縮でございますが、エリーゼ様との婚約は、ご両親、いえ、お祖父様で辺境伯であられるガリオン様に、オクタウス陛下より王家としてラインブルグ家に申しつけるのが筋であり、常識でございます。
いくらエリーゼ様が伯爵位を叙爵されているとは言え、ご本人同士で決められる案件ではございません。
(そんな事も知らない何で馬鹿ですか?いいえ、馬鹿なのですね)
今日はこのまま失礼させていただきます」

アンナは、あきれかえってしまったが、主人のエリーゼにドライ(生活魔法)でエリーゼの服を乾かし、さっさと歩いて馬車のある自宅へむかいました。
エリーゼはパニックになり、固まってしまいましたが、アンナに導かれるままついて行きました。

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