転生して何故か聖女なった私は、婚約破棄されたうえに、聖女を解任される。「え?」 婚約者様。勝手に聖女を解任して大丈夫? 後は知りませんよ

幸之丞

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「カーラ嬢・・・」と呟いたダイダーは自分の顔が真っ青になるのを感じた。
(今朝私の執務室に入れなかったことと関係があるのか?
いや、カーラもその家族もそんなことが出来るはずもない・・・
よし、一か八か話をそらしてみるか・・・)

「陛下。カーラは、本人も気づいていないようですが、精霊力が低い事は決してありません」
といいながら視線をオクタウスから、レオポルドに変えました。

レオポルドは打ち合わせ通りに
「おおカーラこんなに緊張してしまって、可愛そうに」
と言いながらカーラに近づき、昨日渡されたポーションを
カーラに渡し、ゆっくりとそれを飲むように促しました。

レオポルドを疑うことを知らないカーラは
ポーションを一気に飲み干してしまった・・・

カーラは、目をパチパチとしていたが、そのほかに変化はなかった。
がしかし、

「さあ! カーラ嬢
精霊達に感謝の祈りを捧げなさい!」
ダイダーは、カーラに命令をしました。

カーラは素直に、聖女達に教えてもらったお祈りをこの場でしました。

そうするとあたりに霧が立ちました。


そこで、ヴュール達が現れました。しかし、エリーゼの見方のみにしか見えません。
「エリーゼ。アレは危険だぞ。我々にとって嫌な気が充満しておる」


謁見の間には、どこからか聞こえてくるヴェールの声に、姿が見えない者達は驚きました。

「それがしが思うに、あの飲まされていた、ポーションが怪しい。
あのポーションは、ただ精霊力をあげるのではなく、それがし達が嫌いな
コブリンやトロールを呼び出すぞ」
ルーチェが言いましたが、姿が見えない者達はガタガタと震え始めました。

ルーチェの声を聞き、エリーゼは、コブリンやトロールが現れたら、サラマンダーのヴェールの火力で一気に片をつけようと思い、ヴェールに声を掛けようとした瞬間

精霊達の言うとおり、トロールとコブリンが謁見の間に現れました。

「うわ~」 
「キャー」 
「ひえー」謁見の間が騒然となったとき

「エリーゼ様ここで、火力ですと城に火がついて火事になる可能性がございます」
とエリーゼの専任従者のハンナがエリーゼを止めました。

そしてハンナは、すばやく グッ飛んで前に出て

シャキーン!

とそのトロールとコブリンを切って殺しました。

その一連の行動を見てオクタウスは
「カーラじ  」と言いかけたとき

「陛下、今のは私の妹のカーラの責任ではありません。
レオポルドの飲ませたあの飲み物が原因と思います。
レオポルドとダイダーを拘束してください!」

オクタウスは、一瞬考えたが、エリーゼの言うとおり
「レオポルドとダイダーを拘束しろ!」
オクタウスの命令にそこにいた、警備の者がやっと動き出し、二人を拘束ました。

拘束されたダイダーをみて、エリーゼは

「ねぇ。ダイダー 貴方、精霊塔の最上階にある魔方陣はご存じよね。
あの魔方陣は、こちらにいらっしゃるアダリーシア先輩とカーティス団長と私で組み立てましたのよ。
その理由は今回のように聖女達の誰かが欠けたり、誰かの思惑で聖女に魔の手が伸びたときなど結界が維持されなくなったとき、緊急で新しい結界を張って時間を稼ぎ、アダリーシア先輩と私が駆けつけ、その結界を維持させるというシステムを作ったの。
その、魔方陣は、出力源として赤い魔石が必要なのだけど・・・」

エリーゼは、ダイダーの方からオクタウスの方を向き

「陛下、もしかしたら、大臣のダイダーの執務室に赤い魔石があるかもしれません。
彼の執務室を探って頂くように、騎士の皆様に言っていただけますか?」

「うむ。誰でも良い。文官も一人付き合鍵を持って騎士3名くらいで探りに行け」

王の命令に騎士が3名と鍵を預かる文官が、ダイダーの執務室に向かいました。

そのとき
バッタ と音がしました。
その音を探ってそちらの方向をみると、カーラが真っ白な顔をして倒れていました。
その手には丸い魔石を掴んでいました。
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