転生して何故か聖女なった私は、婚約破棄されたうえに、聖女を解任される。「え?」 婚約者様。勝手に聖女を解任して大丈夫? 後は知りませんよ

幸之丞

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「レオポルドよ。
約束の7日が過ぎた。カーラ嬢は、エリーゼ女伯爵よりも聖女として上回っているとお主は豪語していたが、どうであった?」

「はい、陛下、今日もこの王都が平和でいるのも、カーラがエリーゼ以上に聖女の任を果たしていたからでございます」

「ほう?
お主は、カーラ嬢が立派に聖女の勤めを果たしていると言うのであるな?」

「はい、勤めを果たしている以上に立派に聖女をしていると存じます」

「レオポルドよ。お主から見て右側にいる、聖女達や神官をみてもそう思うか?」

昨日過労で倒れてしまった聖女や神官達は、1日ではとても回復することもなく、目の下には隈をつくり、げっそりとしていてとても健康状態が良いとは言えません。

それでもレオポルドは、
「それは、カーラが朝のお祈りを一人で行っても大丈夫だとわかり、聖女、神官で夜遊びをしからではないでしょうか?」
そう言い放った。

オクタウスは、ワナワナと体を震わせて顔が真っ赤になりました。

「この馬鹿者が~!
聖女達や神官達は、崩れていく結界をなんとか持たせようと、夜もまともに眠ることもなく、必死に精霊様達にお祈りをしていたのだ!
貴様は、結界が崩れ始め、国境に魔物が侵入し、それを倒すために兵隊たちが必死に魔物と戦っていたことを知らぬのかー!!!」

オクタウスは、鼓膜が破けるのではないかという程の大声で怒鳴ってレオポルドを叱りつけました。

オクタウスは、公爵夫婦を睨みつけ
「アーベンベルク公、貴様の所はどのような教育をしているのだ!
子の責任は親の責任だとわかっておるな?」
アーベンベルクとレオポルドの母アマーリエは二人とも真っ青な顔をして身を震わせています。

「陛下、でも、昨日から結界はきちっと張られているではないですか?」
レオポルドは、国王に許可も取らず、言葉を発しました。

「この馬鹿者がーーー!!!
それは、そこにいる、聖女だったエリーゼ女伯爵が、一人で精霊様達にお祈りをして結界を張りなおしたのじゃ!
けして、カーラの力で結界が修復したのでない。
むしろ貴様とカーラが聖女達の祈りを邪魔したと聞いておる!」

そのときカーラは
(ええ? みんな私の力がすごいからすぐにお祈りを辞めても良いと言ってくれたのだと思ってた・・・
そんなに駄目なら、駄目って言ってよ。
初めてなんでなにもわからないのに・・・
私はただ、レオ様と一緒にいて出来れば結婚出来ればいいと思っていただけなのに、あの男が私とお姉様を交代して聖女になったら結婚できると言っていたから聖女になっただけなのに・・・

と思い始めて謁見の間の全体を見渡した。
(あれ? あの叔父さん、私に聖女になれと言った人だ)

そして、空気を読まずカーラは手をあげた。
それを見てオクタウスは、
「カーラ嬢 何か意見があるのか?
話す事を許可しよう?」

「はい、すみません。陛下。
あの、私、本当は聖女になりたかった訳でなく、レオポルド様と結婚したかっただけだったのですが、聖女になれば、レオポルド様と結婚出来るとある人に言われたので公爵様とレオポルド様のいうがままに聖女になりました。
精霊力が全くないのに、聖女になってしまってごめんなさい」

カーラは震えながら、オクタウスと聖女と神官達に謝った。

そしてカーラは、姉のエリーゼに向かって
「お姉様。お姉様がなさっている聖女の仕事は私には、全然出来ませんでした。
今まで、お姉様に冷たく接してしまってごめんなさい」
と姉のエリーゼにも謝りました。

エリーゼは、瞳に涙を浮かべウンウンと首肯しました。

ガリオンも可愛い孫娘が仲直りしているのをみて、滝のように涙をながしています。

この感動的瞬間でしたが、父のハインリヒと母のリーズルそしてアーベンベルク公とアマーリエは、額に汗を流しながらも真っ青な顔になりました。

オクタウスは、この感動の瞬間をなぎ払うように
「カーラよ。其方に結婚を出来ると言った者はこの中にいるのかな?」
と聞きました。
カーラは
「はい。ここにいます」
とオクタウスに答えました。

「カーラよ、それは誰だ」
カーラはその人ですと言わんばかりに
人差し指をピンと伸ばしビシッとその人物を指さしました。






それは
精霊大臣のダイダーに向いていました。

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