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第8話
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第8話 きおく 2
「二人とも、大学の進学が決まったからと言っていつまでもダラダラと休憩室でイチャイチャするな。もう高校生は帰る時間だぞ」
壁に掛かっている時計の針は、確かにそろそろ帰らなければいけない所を指しています。
「いやいやいや。そんなイチャイチャしていませんよぉ」
「それよりも、そんな泥だらけの格好で、飲食店に来ないでください。食中毒の原因になるモノは消毒します」
陽菜は、アルコールスプレーを店長に向けて発射しています。
「陽菜。アルコールを店長にかけても綺麗にならないわよ」
(陽菜は仲良くなるとこうやって、必要以上に絡むのよね)
そう思いながらわたしもスプレーを手に取り、店長に向けてアルコールを発射しはじめました。
「結衣。違うわ。綺麗にするためじゃなくて、店長を消してしまおうと思ったの」 陽菜は口角を上げニヒルな笑顔をしています。
「おい陽菜。俺は、雑菌やウィルスか?」
コラって感じで店長は腕を上げますが、口角を上げています。
「え?
店長って、ばい菌ですよね? 違いましたかぁ?」
私は、すっとぼけた顔。
「ばいばいき~ん って俺は、ばいきん○んか?」
顔があんパンの主人公のアニメのキャラクターのマネをする店長 ―さぶい
「「え?違うの」」
ノリツッコミの店長に対して、わたしと陽菜の突っ込みがあわさりました。
「うふふふふ」 「えへへへ」
顔を見合わせ、笑う私達に、
店長は、段ボールから、ある物をだしながら
「せっかく、有機栽培で作った果物や野菜を配ろうと思っていたが、いらないみたいだな」
店長は顔を斜めにして口を尖らせました。
そんな大人の男性らしくない態度をとる店長を見てわたしは
(子供か!)と心の中で突っ込みをいれました。
そんなふくれ面の店長をみてわたしは低い声で
「ねぇ店長。
アルコールで濡れている服に火を近づけてもいいかな?」
「結衣。お前・・・ 俺がそんなに嫌いか?
火だるまになってしまうわ!」
わたしは点火棒(キッチンでガスレンジの種火をつける道具。チャッ○マン)を左に持ち、スチール棒を刀のように構え、ニヤリと闇の笑顔を作り、ゆっくりと一歩一歩店長に近づいていきました。
「私は、魔導剣士になる!
スチール棒にアルコールをたっぷり付けて、点火棒で火をつけて、スチール棒で店長を斬る!」
「うわわわ。普段は天然なのに、いざとなったら武道派の結衣が怖い。古武道の師範の孫で、その芸で大学を決めた女子高生に斬られる~」
そんな私を見て、店長は、慌てて更衣室に避難していきました。
そして十分後
更衣室で着替えた店長が、田舎で行ってきたことを話していました。
私達は店長の手にある季節はずれの葡萄と旬の林檎に視線を固めていました。
店長は親戚の方と一緒に、祖父母の土地を借りて、野菜や果物など栽培し、木を切り倒して、ログハウスを建てたり、石鹸などを作っているそうです。
「じゃ。時間も遅くなってきたし、親戚も待たせているので、俺の車で送ってやるよ」
店長は、休憩室のドアを開けながら私達に声をかけました。
「車の中が泥だらけじゃないなら送ってもらってあげます」
真顔で私がふざけて言いました。
続いて陽菜が、
「今日は荷物が沢山あるので助かります。
車のシートが綺麗なら送ってもらっていいですよ」
とちょっと上から目線で言い放します。
店長はアメリカ人のよう両手をひろげて
「お前ら本当に送ってもらう人の態度じゃないわ。
車泥だらけかもしれんけど」
「「じゃ。いいです」」
私と陽菜は声がハモってしまいました。
「いやいや、もう遅い時間だから送っていくよ」
「誰かが一生懸命、有機栽培の野菜と果物の話とか、海水に電気を通すとなんとかと何時までも説明していたから遅くなったのよ」
皮肉一番私は、店長を指さしました。
「ああ。すまん。だから送って行くって言っているじゃないか」
「わかりました。そこまで言うのなら送ってもらいます。
車は、お店の駐車場ですか?」
「いいや。従業員駐車場だ。
車をここに移動してくるからちょっと待っていてくれ」
店長はお店から出た後すぐに説明し、車に向かおうとしました。
「店長。ちょっと待ってください。
どうせ、信号のある交差点の先なので、私達も駐車しているところまで行きますよ」
私の言葉に続き陽菜も
「そうです。店長。
果物と野菜をもらったうえに、そこまで、させるわけにはいきません。
一緒に車まで行きましょう」
「おお。そうだな。陽菜は、以外と常識知っているようだな」
「ええ。泥だらけの服で、飲食店に入らないだけの常識は、私も結衣にもあります」
「『泥だらけ、泥だらけ』って、うっさいわ」
といいながらも、店長は笑っています。
(店長はもしかしたら、虐められるのが好きで、そして陽菜のこと好きなのかしら?)
私達は、彼女無しの店長を揶揄いながら歩き出しました。そして信号待ちをしていると、横断歩道の先に手を振る人がいました。
私達は、信号が青に変わったので、手を振る店長の親戚の方に向かって一歩一歩と踏み出しました。
反対側で信号待ちしていた人も、口角を上げて手を振りこちらに、軽い足取りで向かっています。
あと少しで、出会う瞬間!
右から、クラクションを鳴らしながら、ヘッドランプが上向きになっている暴走トラックに気づいたのです。
「二人とも、大学の進学が決まったからと言っていつまでもダラダラと休憩室でイチャイチャするな。もう高校生は帰る時間だぞ」
壁に掛かっている時計の針は、確かにそろそろ帰らなければいけない所を指しています。
「いやいやいや。そんなイチャイチャしていませんよぉ」
「それよりも、そんな泥だらけの格好で、飲食店に来ないでください。食中毒の原因になるモノは消毒します」
陽菜は、アルコールスプレーを店長に向けて発射しています。
「陽菜。アルコールを店長にかけても綺麗にならないわよ」
(陽菜は仲良くなるとこうやって、必要以上に絡むのよね)
そう思いながらわたしもスプレーを手に取り、店長に向けてアルコールを発射しはじめました。
「結衣。違うわ。綺麗にするためじゃなくて、店長を消してしまおうと思ったの」 陽菜は口角を上げニヒルな笑顔をしています。
「おい陽菜。俺は、雑菌やウィルスか?」
コラって感じで店長は腕を上げますが、口角を上げています。
「え?
店長って、ばい菌ですよね? 違いましたかぁ?」
私は、すっとぼけた顔。
「ばいばいき~ん って俺は、ばいきん○んか?」
顔があんパンの主人公のアニメのキャラクターのマネをする店長 ―さぶい
「「え?違うの」」
ノリツッコミの店長に対して、わたしと陽菜の突っ込みがあわさりました。
「うふふふふ」 「えへへへ」
顔を見合わせ、笑う私達に、
店長は、段ボールから、ある物をだしながら
「せっかく、有機栽培で作った果物や野菜を配ろうと思っていたが、いらないみたいだな」
店長は顔を斜めにして口を尖らせました。
そんな大人の男性らしくない態度をとる店長を見てわたしは
(子供か!)と心の中で突っ込みをいれました。
そんなふくれ面の店長をみてわたしは低い声で
「ねぇ店長。
アルコールで濡れている服に火を近づけてもいいかな?」
「結衣。お前・・・ 俺がそんなに嫌いか?
火だるまになってしまうわ!」
わたしは点火棒(キッチンでガスレンジの種火をつける道具。チャッ○マン)を左に持ち、スチール棒を刀のように構え、ニヤリと闇の笑顔を作り、ゆっくりと一歩一歩店長に近づいていきました。
「私は、魔導剣士になる!
スチール棒にアルコールをたっぷり付けて、点火棒で火をつけて、スチール棒で店長を斬る!」
「うわわわ。普段は天然なのに、いざとなったら武道派の結衣が怖い。古武道の師範の孫で、その芸で大学を決めた女子高生に斬られる~」
そんな私を見て、店長は、慌てて更衣室に避難していきました。
そして十分後
更衣室で着替えた店長が、田舎で行ってきたことを話していました。
私達は店長の手にある季節はずれの葡萄と旬の林檎に視線を固めていました。
店長は親戚の方と一緒に、祖父母の土地を借りて、野菜や果物など栽培し、木を切り倒して、ログハウスを建てたり、石鹸などを作っているそうです。
「じゃ。時間も遅くなってきたし、親戚も待たせているので、俺の車で送ってやるよ」
店長は、休憩室のドアを開けながら私達に声をかけました。
「車の中が泥だらけじゃないなら送ってもらってあげます」
真顔で私がふざけて言いました。
続いて陽菜が、
「今日は荷物が沢山あるので助かります。
車のシートが綺麗なら送ってもらっていいですよ」
とちょっと上から目線で言い放します。
店長はアメリカ人のよう両手をひろげて
「お前ら本当に送ってもらう人の態度じゃないわ。
車泥だらけかもしれんけど」
「「じゃ。いいです」」
私と陽菜は声がハモってしまいました。
「いやいや、もう遅い時間だから送っていくよ」
「誰かが一生懸命、有機栽培の野菜と果物の話とか、海水に電気を通すとなんとかと何時までも説明していたから遅くなったのよ」
皮肉一番私は、店長を指さしました。
「ああ。すまん。だから送って行くって言っているじゃないか」
「わかりました。そこまで言うのなら送ってもらいます。
車は、お店の駐車場ですか?」
「いいや。従業員駐車場だ。
車をここに移動してくるからちょっと待っていてくれ」
店長はお店から出た後すぐに説明し、車に向かおうとしました。
「店長。ちょっと待ってください。
どうせ、信号のある交差点の先なので、私達も駐車しているところまで行きますよ」
私の言葉に続き陽菜も
「そうです。店長。
果物と野菜をもらったうえに、そこまで、させるわけにはいきません。
一緒に車まで行きましょう」
「おお。そうだな。陽菜は、以外と常識知っているようだな」
「ええ。泥だらけの服で、飲食店に入らないだけの常識は、私も結衣にもあります」
「『泥だらけ、泥だらけ』って、うっさいわ」
といいながらも、店長は笑っています。
(店長はもしかしたら、虐められるのが好きで、そして陽菜のこと好きなのかしら?)
私達は、彼女無しの店長を揶揄いながら歩き出しました。そして信号待ちをしていると、横断歩道の先に手を振る人がいました。
私達は、信号が青に変わったので、手を振る店長の親戚の方に向かって一歩一歩と踏み出しました。
反対側で信号待ちしていた人も、口角を上げて手を振りこちらに、軽い足取りで向かっています。
あと少しで、出会う瞬間!
右から、クラクションを鳴らしながら、ヘッドランプが上向きになっている暴走トラックに気づいたのです。
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