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第三章 血路
二
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「何を言っているのだか、よくわからんよ、叔父上」
信長はつい敬語を使うのを忘れた。
信光の語った内容を考えればそれは仕方のないことだった。
大膳との密約を取り決めたその翌日に、信光は那古野城へと赴いて、信長に事の次第のすべてを告げてしまったのだから。
「マア、待て。当然これには続きがある」
信光はその計略を謡うように語り出す。
「私は、清洲城に入る。勿論、軍勢を率いてだ。奴は私の軍勢を当てにしているのだからな。しかし、こうなれば、もう後はどうとでもなる。最もカンタンなのは、織田信友、坂井大膳の親玉二名に詰め腹を切らせ、城を平らげてしまう。それで清洲はまる儲けだ。しかし、これはお前にやろう、ノブナガ」
――よく喋るな。
信長がはじめに思ったことはそれだった。
清洲城が手に入る。そんな大事にはすこしも心動かされるところがないかのようだ。
信光の態度に釈然としないのだ。
「ずいぶん、危険をなさる」
「危険?」
その切り口は信光にとって意外なものだったらしい。
「清洲は死に体だ。村木攻めの折に私が美濃勢を呼びつけたほんとうの理由を、叔父上ならわかっておりましょう」
「差し詰め、林一派の動きに対する牽制といったところだろう。清洲衆が攻め来るやも、というのは口実だな、彼奴らにはもう城を襲う力など残ってなどいない」
坂井甚助、河尻与一、織田三位といった大膳を補佐していた清洲の家老衆は軒並み死に絶えた。そして、守護である斯波義統も既に亡く、その義統の忘れ形見である岩竜丸は信長の手中、那古野城にある。
実質も、名分も、清洲には残っていやしないのだ。逆立ちしても弾正忠家に太刀打ちできる力などはもうない。
つまり――
「つまり、清洲城は、遅かれ早かれ落ちるのです」
信長はあっさりと言った。
命数の決まっている城へわざわざ出向いて謀略で奪い取るというのは変だ。
信光の謀略を聞いた信長の心のうちに、その計略への感心よりも疑念が勝って沸いたのはそういう訳だった。
「そんな城のために、あなたはカラダを張ろうとしている。妙なことです」
「甥に身上を心配されるのは悪い気分じゃないが、危険などというのはお前らしくもない。お前はこの間、熱田の水夫たちにこう言ったはずではないか。『この渡海も戦のうち』。危なげない戦争などありやしないのではなかったか? 正面から攻めずとも城を奪える機会に恵まれたなら、それに勝ることはないだろう」
一見して道理は通っているように聞こえるから厄介だ。
信長はうつけの評に似合わず、「言葉」というものの機能をよく知っている。ほとんどは、物心ついた頃より平手との舌戦において身に着けたものだが、やがて自身がそれをある程度弄するようになると、いよいよこれは信用のならない武器だということも、同時に知ったのだ。
血が流れないのがいいと言う。当たり前だ。だが、それにはまず、自分の血が流れないことが第一だ。清洲城に、あの坂井大膳の根城に赴くというだけで一程度の覚悟は決めなければならない。それをして他人、つまりは、オレのために奉公するというのか。一癖も二癖も抱えた、この織田信光という男が?
「私が大膳なら、あなたを呼びつけておいて、殺しますがね」
無表情に物騒なことを言ってのけた。
「ほう」
「どうして大膳はあなたが味方してくれると思ったのでしょうか。そんな博打を打つくらいなら、殺してしまう方がずっと楽だ。あなたの死後、織田信光に仕えていた兵らがみんな織田信長の元へ加わるとは限らないのだからね。元より勝ちの目のない清洲衆の立場を踏まえれば、あなたを屠っただけで、それは大健闘ではないですか」
「大健闘だ。大健闘だが、大膳はお前に勝ちたいのだそうだよ。私を殺してもその悲願は達せられないだろう。しかし、私を味方に引き込めばどうか。織田信光が清洲に付いて織田信長と戦ったのなら、これの勝敗はどう決するかな」
「サア、どうですかね」
信長は伸び始めた髭を触りながらつまらなさそうに言った。
わずかにだが、答えに窮したのだ。
負ける気はしないが、勝てる自信があると言えるほどでもない。つまりは、信光の言う通りなのだ。大膳が信長打倒を叶える目があるとすれば、織田信光を引き込むこと、それだけが唯一の手段なのだろう。
「それから、大膳は私に起請文を書けとせがんできた」
「古風な奴だ」
「やれ、決して裏切らないことを誓えとね」
「アハハ。主君を手討にした男がいけしゃあしゃあと」
「イイヤ、主君を手討にした男だからこそだろうな。その起請文にしても、それが確かに織田信光によって書かれたと判明するまでは城に招き入れることはできない、とそう言ってきたよ。何をしていてもコワイのだ、いつ誰に背中を斬られるか、奴は怯え切っている。その証拠が起請文などという藁にも縋るような手段なのだよ。私を斬れば、アレはお前に攻められておしまいだからな」
この大膳評には信長も異論はなかった。
「書くのですか」
「書くとも。奴を安心させてやらねばなるまい」
「だがそうしておいて殺すのですか。七枚起請を破れば神仏の怒りを買って叔父上も死んでしまうかもしれませんよ」
「どうした、今日はお前らしくないことを続けて言うではないか」
信光は得意になって続けた。
「起請文など無意味だよ。私とて信心がないわけではないが、もし、神仏が我々を見通しておられるなら何も紙に認めた事柄のみを裁くことはあるまいよ。それでは、神仏が神仏足る所以が無いじゃないか」
「オモシロイ言い分ですが、では、何故、起請文などというものがあるのでしょう」
「ハハ。お前も神仏は怖いのか。カワイイところがあるじゃないか。起請文はある条件の下においてのみ、その効き目を持つからだ。それは、約定が公に、衆目に晒されるとき。それだけだ。これを破ると世間の信を失ってしまう。約束を平気で違える奴と知れたら、その者は年貢の徴収にも事欠いてしまうだろう。誰かが編み出したそういうカラクリの一つでしかないのだ」
「なるほど、密室での起請文に意味はない。しかし、それでは、――」
言いかけた言葉を信長は飲み込んだ。
「どうかしたのか?」
信光が此度の謀略に拘る理由に察しがついたからだ。
「イヤ、この計略は、たぶん、成功するのでしょうね」
信光は、ようやく分かってくれたか、というような安堵の息を漏らしたが、信長は床の板縁の剥げた部分を指でなぞり、次の瞬間、
「それで。あなたは何がどれだけ欲しいのだ」
キッパリと言い放った。
「ウワッハッハ」
信光の高笑いを信長はこの時に初めて聞いたかもしれない。
「どうもお前には隠しても仕様がないな。それだけはっきり問われたからには、私もはっきり言おう。この那古屋の城と、それから、尾張下四郡のうちの半分、於田井川を境にこちら側の東半分をいただきたい」
「山田、愛智の二郡、ですか」
大膳が信光に持ち掛けた提案の報酬は信友と共有する守護代の座、つまりは尾張下四郡の折半であるから、信光にとっては同じ提案を信長に持ち掛けた形になる。分け合う相手が信友か、信長かの違いしかない。
「そうだ。だが、勘違いするなよ、お前に海東、海西の二郡で満足しろと言う訳ではない。清洲城というのは、言わば足がかりだ。これを押さえれば、我らは上郡を好きに切り取ることができよう。岩倉衆などそれこそどうにでもなる手合だ」
尾張の上四郡は岩倉織田氏と呼ばれる一族が治めている……、ということになっているが、しかし、それは遥か昔の、まだ清洲織田氏と岩倉織田氏が並んで尾張守護代の双璧を成していた頃の話である。これもすでに往時の実力を失っているのだ。兵はいくらか蓄えているようだが、サシで対したならもはや弾正忠家に抵抗するような力などはもうなくしている。
ところが、――
「毒饅頭ですね、それは。叔父上」
「何を言っているのだか、よくわからんな、甥っ子よ」
「この愛智郡をくれと言われました。だが、それでは熱田の町がそっくりそのまま叔父上のものになってしまうじゃないですか」
熱田は信秀が那古野を手中に治めて以降、弾正忠家の財の中核をなした門前町である。清洲という尾張国一の都市が手に入ったとしても、熱田を手放すのでは本末転倒だ。
「何を言うかと思えば、そんなことを気にしていたのか、お前。熱田は今のままお前が治めるに決まっているではないか。言葉足らずは自明のこと故だ、許してもらいたいものだな」
弁明は泰然自若。露見することを念頭に置いた堂々たる口ぶり。
信長は叔父の眼を見る。
――果たしてこんなに背筋の伸びた人間だっただろうか。
信長の知る織田信光とは、こうした真正面からの対決を嫌い、何かと根回しの行き届いた器用で迂遠な物言いをする男という印象だったが、そういった機微が今やもう感じられない。少々の落ち度、粗雑も気にせず、とにかく物事を推し進めようとするこの豪胆さは、――叔父というよりも、むしろ、
そこから先を考えるのは、無駄な気がしてやめた。
元よりこの謀略自体を止めようという気など、信長にはなかった。
「わかりました。ただし、決行に際して一つ条件を付けさせてもらいたい」
「何でも言うがいい」
「オレの配下から一人つけさせてもらいたいのです」
「訳のないことだが、ハッ、大丈夫か。お前の配下など、大膳に一目で気取られてしまうのではないか」
そう言って信光は笑う。尤もな言い分である。
「いいや。ちょっと面構えの良いのが最近一人入ったのですよ。オイ」
信長は小姓を遣わせた。
しばらくして、壮年の武者が一人現れ、信光に頭を垂れた。
信光は信長の手勢に若武者ばかりしか見た記憶がないが、そこにこの男を含めるなら恐らくは最年長者だ。当然、譜代の家老などではありえない。見たことがない。
「お初にお目にかかります、織田信光さま。森三左衛門可成と申します」
「元はそも土岐家に仕え、……ていたのかな」
「ハイ」
「それから頼芸殿が美濃を追われてからは舅殿の弟殿であるところの、えっと、斎藤、イヤ、長井トシナガ、いや、マサナガ、……」
「長利さまにございます」
「それに仕えていたらしいのですが、その長利殿とはどうも反りが合わなかったらしく、いよいよ美濃に居づらいということで、それならと、この間の安藤殿から紹介を受けてオレが譲り受けたのです。気骨のある長槍の名人ですよ。清洲城に連れて行ってやってくださいませんか」
精悍な面構え。確かに信長が率いる悪童上がりとは一線を画すような風格があった。美濃から譲り受けたというのも満更デタラメでもなさそうだが、
――この男は果たして、本当に信長の家来なのだろうか?
信光が懸念しているのは、この森可成という男が正真正銘、道三の配下なのではないかということだ。そうなれば、扱い方が変わってくる。何をするにもこの男がいる限りは美濃を考えに入れなければならなくなる。道三の陰がチラつく。信長得意のハッタリかもしれないが、だとしたら、それはそれで演者としては信光をして警戒せしめるものがある。いずれにせよ、油断はできないが、
「よかろう。森殿にご助力いただこう」
断る理由も見当たらなかった。
条件が聞き入れられると、信長は「城を落としたら使いをください」とだけ言い残し、後事のすべてを信光に託した。
同・天文二十三年(一五五四年)四月二十日、信光は妻子、そして可成を含めた手勢と共に清洲城へ入城、南櫓というところに居を構えた。
「陰気な城だ」
入城するなり吐き捨てるように言った。
城下は尚も賑わいを見せていたが、城の内側に限ってはすっかり暗い。自分が加勢に来たのだから、もう少し希望を見出してくれていいわけだが、あまりに後ろ向きな籠城が長引きすぎたのだろう、卑屈が人間に限らず万物に沁みついているかのようだ。これだけ堅牢な城を持ちながら、信長に何一つ有効な手立てを打てずこの体たらく。つくづく清洲衆というのは呆れた連中だ。
――もうあと一年、いや二年私を頼るのが早ければな。
一夜あけて二十日、昨日とは打って変わって爽快な気分である。
この日のうちに大膳が南櫓へ挨拶に赴くことになっていた。これを早速に成敗してしまう腹心算だ。屋敷に兵を伏せて、じっと待っている。緊張と落ち着きのない交ぜになった雰囲気が快い。
兄の軍勢の一人となって今川氏豊から那古野城を奪い取った若き日を、信光は思い出す。
新たな城を、町を手に入れる。途端、今までは意識のうえに上がってこなかった欲望が新たに顔を出す。兄も、信長もこの光景に憑かれたに違いない。いや、彼らだけではないのだろう、戦国大名というのは総じてこの程度のものだ。その欲望、野望に深謀遠慮はない。ところが、その目先の欲望一つのためだけに努力し、これを達成し、そして繰り返すことだけが我々の幸せだ。そのほかに、死ぬその時までの暇を埋める術を他に知らぬ。
信光にとってはその意味こそが重要だった。
――信長と対等の力を得たとき、私の目には何が映るのだろう。私自身わかっていないのだ、尚も、甥への忠義が映っているか、それとも――
「坂井大膳。仕様のない奴だと思っていたが、ふふ、奴が私の前途を見通す卜者となるのか」
ところが、その大膳が南櫓へ来ることはついになかった。
しんと静まり返った屋敷を遠巻きに見て、大膳は考えるよりも前に身震いした。
まだ居を移して一日だというのに、こんなにも静かなことがあるだろうか。まるで、誰もいないようだ。
信光が自分を裏切るということを、大膳は当然、念頭に入れていた。だから起請文まで書かせて万全を期したつもりでいたが、どうにもからだの震えが止まらないから困った。大膳自身、起請文などがアテにならないことを最初から知悉していたのだ。しかし、それを意識の奥へと抑圧してしまわないことには、信光を信じることができなかった。
結局、大膳は一人こっそりと城を出た。第六感に従ったのだ。理屈のない衝動に従ったのはこれがこの男の人生のなかでは最初で最後のことだったかもしれない。
定刻通りに現れぬ大膳を不審に思った信光は、屋敷へ使いを出したが、既にもぬけの殻だった。自らに近しいものたちだけを連れてそっくりそのまま消えていた。
「やれ、逃げ足ばかり早い奴だ」
城内に居るのか居ないのか、それすらわからない。城の外へ出たなら恐ろしくないが、主君である信友に告げられては面倒事だ。坂井大膳も、織田信友も逃がしたとあっては、例え城が手に入ったとしても信長に要らぬ嘲笑を受けよう。
信光は吹っ切れた。手勢を率いて守護代の屋敷を囲んで討ち入ってしまう。大膳が一緒に居れば儲けものだが、あまり期待はしていない。信友に知らせているヒマがあるなら、少しでも早く逃げ出す。そういう男である。
屋敷から敵が討って出たなら、一度退く素振りを見せて四方から弓矢を浴びせてやるつもりだったが、それも杞憂に終わった。信光にとって、信友の手勢は悲しいほどに弱かった。あまりに弱いので、何だかいけないことをしているような気にすらなる。にわかに興が冷めていく。
やがて例の可成が信友を生け捕りにして信光の前に突き出した。
「だッ、大膳は何処に、ッ? ……、オイ、大膳は」
信友は口を開くなりこの有様でまともに話ができぬ。半狂乱を時間をかけて宥めてみたが、喋ることと言えば「すべて坂井大膳のやったことで、自分は預かり知らない」と責任逃れの助命嘆願を繰り返すばかり。あまりに情けないので、信光はこの男も逃がしてやろうかと思ったのだが、そこへ可成が進み出て言う。
「これ以上、生き恥を晒させるのは惨いことです」
そして、自らが介錯を務める旨を告げた。
信友は可成の長時間の説得の末に切腹した。
清洲城は弾正忠家の手に落ち、清洲織田氏はここに滅亡したのである。
清洲城の乗っ取りについて成就の報を聞いた信長は、清洲衆にも、坂井大膳にも取り立てて思うところなどなかった。
弾正忠家に敵愾心を燃やし、手練手管の研鑽にその身を窶し、権謀術数に生きた男の人生など、あまりに陰気が過ぎて信長の琴線に触れるところなどは端から一つもなかったのだ。
因縁だ、なとど思い込んでいたのは大膳だけ。
古渡城を襲い、信長に兜を撃ち抜かれたあの夜に、坂井大膳という男の運命の歯車はすっかり狂ってしまったのかもしれない。
以後、尾張国から姿を眩ました坂井大膳が織田信長の前に現れることは、もう、二度となかった。
信長はつい敬語を使うのを忘れた。
信光の語った内容を考えればそれは仕方のないことだった。
大膳との密約を取り決めたその翌日に、信光は那古野城へと赴いて、信長に事の次第のすべてを告げてしまったのだから。
「マア、待て。当然これには続きがある」
信光はその計略を謡うように語り出す。
「私は、清洲城に入る。勿論、軍勢を率いてだ。奴は私の軍勢を当てにしているのだからな。しかし、こうなれば、もう後はどうとでもなる。最もカンタンなのは、織田信友、坂井大膳の親玉二名に詰め腹を切らせ、城を平らげてしまう。それで清洲はまる儲けだ。しかし、これはお前にやろう、ノブナガ」
――よく喋るな。
信長がはじめに思ったことはそれだった。
清洲城が手に入る。そんな大事にはすこしも心動かされるところがないかのようだ。
信光の態度に釈然としないのだ。
「ずいぶん、危険をなさる」
「危険?」
その切り口は信光にとって意外なものだったらしい。
「清洲は死に体だ。村木攻めの折に私が美濃勢を呼びつけたほんとうの理由を、叔父上ならわかっておりましょう」
「差し詰め、林一派の動きに対する牽制といったところだろう。清洲衆が攻め来るやも、というのは口実だな、彼奴らにはもう城を襲う力など残ってなどいない」
坂井甚助、河尻与一、織田三位といった大膳を補佐していた清洲の家老衆は軒並み死に絶えた。そして、守護である斯波義統も既に亡く、その義統の忘れ形見である岩竜丸は信長の手中、那古野城にある。
実質も、名分も、清洲には残っていやしないのだ。逆立ちしても弾正忠家に太刀打ちできる力などはもうない。
つまり――
「つまり、清洲城は、遅かれ早かれ落ちるのです」
信長はあっさりと言った。
命数の決まっている城へわざわざ出向いて謀略で奪い取るというのは変だ。
信光の謀略を聞いた信長の心のうちに、その計略への感心よりも疑念が勝って沸いたのはそういう訳だった。
「そんな城のために、あなたはカラダを張ろうとしている。妙なことです」
「甥に身上を心配されるのは悪い気分じゃないが、危険などというのはお前らしくもない。お前はこの間、熱田の水夫たちにこう言ったはずではないか。『この渡海も戦のうち』。危なげない戦争などありやしないのではなかったか? 正面から攻めずとも城を奪える機会に恵まれたなら、それに勝ることはないだろう」
一見して道理は通っているように聞こえるから厄介だ。
信長はうつけの評に似合わず、「言葉」というものの機能をよく知っている。ほとんどは、物心ついた頃より平手との舌戦において身に着けたものだが、やがて自身がそれをある程度弄するようになると、いよいよこれは信用のならない武器だということも、同時に知ったのだ。
血が流れないのがいいと言う。当たり前だ。だが、それにはまず、自分の血が流れないことが第一だ。清洲城に、あの坂井大膳の根城に赴くというだけで一程度の覚悟は決めなければならない。それをして他人、つまりは、オレのために奉公するというのか。一癖も二癖も抱えた、この織田信光という男が?
「私が大膳なら、あなたを呼びつけておいて、殺しますがね」
無表情に物騒なことを言ってのけた。
「ほう」
「どうして大膳はあなたが味方してくれると思ったのでしょうか。そんな博打を打つくらいなら、殺してしまう方がずっと楽だ。あなたの死後、織田信光に仕えていた兵らがみんな織田信長の元へ加わるとは限らないのだからね。元より勝ちの目のない清洲衆の立場を踏まえれば、あなたを屠っただけで、それは大健闘ではないですか」
「大健闘だ。大健闘だが、大膳はお前に勝ちたいのだそうだよ。私を殺してもその悲願は達せられないだろう。しかし、私を味方に引き込めばどうか。織田信光が清洲に付いて織田信長と戦ったのなら、これの勝敗はどう決するかな」
「サア、どうですかね」
信長は伸び始めた髭を触りながらつまらなさそうに言った。
わずかにだが、答えに窮したのだ。
負ける気はしないが、勝てる自信があると言えるほどでもない。つまりは、信光の言う通りなのだ。大膳が信長打倒を叶える目があるとすれば、織田信光を引き込むこと、それだけが唯一の手段なのだろう。
「それから、大膳は私に起請文を書けとせがんできた」
「古風な奴だ」
「やれ、決して裏切らないことを誓えとね」
「アハハ。主君を手討にした男がいけしゃあしゃあと」
「イイヤ、主君を手討にした男だからこそだろうな。その起請文にしても、それが確かに織田信光によって書かれたと判明するまでは城に招き入れることはできない、とそう言ってきたよ。何をしていてもコワイのだ、いつ誰に背中を斬られるか、奴は怯え切っている。その証拠が起請文などという藁にも縋るような手段なのだよ。私を斬れば、アレはお前に攻められておしまいだからな」
この大膳評には信長も異論はなかった。
「書くのですか」
「書くとも。奴を安心させてやらねばなるまい」
「だがそうしておいて殺すのですか。七枚起請を破れば神仏の怒りを買って叔父上も死んでしまうかもしれませんよ」
「どうした、今日はお前らしくないことを続けて言うではないか」
信光は得意になって続けた。
「起請文など無意味だよ。私とて信心がないわけではないが、もし、神仏が我々を見通しておられるなら何も紙に認めた事柄のみを裁くことはあるまいよ。それでは、神仏が神仏足る所以が無いじゃないか」
「オモシロイ言い分ですが、では、何故、起請文などというものがあるのでしょう」
「ハハ。お前も神仏は怖いのか。カワイイところがあるじゃないか。起請文はある条件の下においてのみ、その効き目を持つからだ。それは、約定が公に、衆目に晒されるとき。それだけだ。これを破ると世間の信を失ってしまう。約束を平気で違える奴と知れたら、その者は年貢の徴収にも事欠いてしまうだろう。誰かが編み出したそういうカラクリの一つでしかないのだ」
「なるほど、密室での起請文に意味はない。しかし、それでは、――」
言いかけた言葉を信長は飲み込んだ。
「どうかしたのか?」
信光が此度の謀略に拘る理由に察しがついたからだ。
「イヤ、この計略は、たぶん、成功するのでしょうね」
信光は、ようやく分かってくれたか、というような安堵の息を漏らしたが、信長は床の板縁の剥げた部分を指でなぞり、次の瞬間、
「それで。あなたは何がどれだけ欲しいのだ」
キッパリと言い放った。
「ウワッハッハ」
信光の高笑いを信長はこの時に初めて聞いたかもしれない。
「どうもお前には隠しても仕様がないな。それだけはっきり問われたからには、私もはっきり言おう。この那古屋の城と、それから、尾張下四郡のうちの半分、於田井川を境にこちら側の東半分をいただきたい」
「山田、愛智の二郡、ですか」
大膳が信光に持ち掛けた提案の報酬は信友と共有する守護代の座、つまりは尾張下四郡の折半であるから、信光にとっては同じ提案を信長に持ち掛けた形になる。分け合う相手が信友か、信長かの違いしかない。
「そうだ。だが、勘違いするなよ、お前に海東、海西の二郡で満足しろと言う訳ではない。清洲城というのは、言わば足がかりだ。これを押さえれば、我らは上郡を好きに切り取ることができよう。岩倉衆などそれこそどうにでもなる手合だ」
尾張の上四郡は岩倉織田氏と呼ばれる一族が治めている……、ということになっているが、しかし、それは遥か昔の、まだ清洲織田氏と岩倉織田氏が並んで尾張守護代の双璧を成していた頃の話である。これもすでに往時の実力を失っているのだ。兵はいくらか蓄えているようだが、サシで対したならもはや弾正忠家に抵抗するような力などはもうなくしている。
ところが、――
「毒饅頭ですね、それは。叔父上」
「何を言っているのだか、よくわからんな、甥っ子よ」
「この愛智郡をくれと言われました。だが、それでは熱田の町がそっくりそのまま叔父上のものになってしまうじゃないですか」
熱田は信秀が那古野を手中に治めて以降、弾正忠家の財の中核をなした門前町である。清洲という尾張国一の都市が手に入ったとしても、熱田を手放すのでは本末転倒だ。
「何を言うかと思えば、そんなことを気にしていたのか、お前。熱田は今のままお前が治めるに決まっているではないか。言葉足らずは自明のこと故だ、許してもらいたいものだな」
弁明は泰然自若。露見することを念頭に置いた堂々たる口ぶり。
信長は叔父の眼を見る。
――果たしてこんなに背筋の伸びた人間だっただろうか。
信長の知る織田信光とは、こうした真正面からの対決を嫌い、何かと根回しの行き届いた器用で迂遠な物言いをする男という印象だったが、そういった機微が今やもう感じられない。少々の落ち度、粗雑も気にせず、とにかく物事を推し進めようとするこの豪胆さは、――叔父というよりも、むしろ、
そこから先を考えるのは、無駄な気がしてやめた。
元よりこの謀略自体を止めようという気など、信長にはなかった。
「わかりました。ただし、決行に際して一つ条件を付けさせてもらいたい」
「何でも言うがいい」
「オレの配下から一人つけさせてもらいたいのです」
「訳のないことだが、ハッ、大丈夫か。お前の配下など、大膳に一目で気取られてしまうのではないか」
そう言って信光は笑う。尤もな言い分である。
「いいや。ちょっと面構えの良いのが最近一人入ったのですよ。オイ」
信長は小姓を遣わせた。
しばらくして、壮年の武者が一人現れ、信光に頭を垂れた。
信光は信長の手勢に若武者ばかりしか見た記憶がないが、そこにこの男を含めるなら恐らくは最年長者だ。当然、譜代の家老などではありえない。見たことがない。
「お初にお目にかかります、織田信光さま。森三左衛門可成と申します」
「元はそも土岐家に仕え、……ていたのかな」
「ハイ」
「それから頼芸殿が美濃を追われてからは舅殿の弟殿であるところの、えっと、斎藤、イヤ、長井トシナガ、いや、マサナガ、……」
「長利さまにございます」
「それに仕えていたらしいのですが、その長利殿とはどうも反りが合わなかったらしく、いよいよ美濃に居づらいということで、それならと、この間の安藤殿から紹介を受けてオレが譲り受けたのです。気骨のある長槍の名人ですよ。清洲城に連れて行ってやってくださいませんか」
精悍な面構え。確かに信長が率いる悪童上がりとは一線を画すような風格があった。美濃から譲り受けたというのも満更デタラメでもなさそうだが、
――この男は果たして、本当に信長の家来なのだろうか?
信光が懸念しているのは、この森可成という男が正真正銘、道三の配下なのではないかということだ。そうなれば、扱い方が変わってくる。何をするにもこの男がいる限りは美濃を考えに入れなければならなくなる。道三の陰がチラつく。信長得意のハッタリかもしれないが、だとしたら、それはそれで演者としては信光をして警戒せしめるものがある。いずれにせよ、油断はできないが、
「よかろう。森殿にご助力いただこう」
断る理由も見当たらなかった。
条件が聞き入れられると、信長は「城を落としたら使いをください」とだけ言い残し、後事のすべてを信光に託した。
同・天文二十三年(一五五四年)四月二十日、信光は妻子、そして可成を含めた手勢と共に清洲城へ入城、南櫓というところに居を構えた。
「陰気な城だ」
入城するなり吐き捨てるように言った。
城下は尚も賑わいを見せていたが、城の内側に限ってはすっかり暗い。自分が加勢に来たのだから、もう少し希望を見出してくれていいわけだが、あまりに後ろ向きな籠城が長引きすぎたのだろう、卑屈が人間に限らず万物に沁みついているかのようだ。これだけ堅牢な城を持ちながら、信長に何一つ有効な手立てを打てずこの体たらく。つくづく清洲衆というのは呆れた連中だ。
――もうあと一年、いや二年私を頼るのが早ければな。
一夜あけて二十日、昨日とは打って変わって爽快な気分である。
この日のうちに大膳が南櫓へ挨拶に赴くことになっていた。これを早速に成敗してしまう腹心算だ。屋敷に兵を伏せて、じっと待っている。緊張と落ち着きのない交ぜになった雰囲気が快い。
兄の軍勢の一人となって今川氏豊から那古野城を奪い取った若き日を、信光は思い出す。
新たな城を、町を手に入れる。途端、今までは意識のうえに上がってこなかった欲望が新たに顔を出す。兄も、信長もこの光景に憑かれたに違いない。いや、彼らだけではないのだろう、戦国大名というのは総じてこの程度のものだ。その欲望、野望に深謀遠慮はない。ところが、その目先の欲望一つのためだけに努力し、これを達成し、そして繰り返すことだけが我々の幸せだ。そのほかに、死ぬその時までの暇を埋める術を他に知らぬ。
信光にとってはその意味こそが重要だった。
――信長と対等の力を得たとき、私の目には何が映るのだろう。私自身わかっていないのだ、尚も、甥への忠義が映っているか、それとも――
「坂井大膳。仕様のない奴だと思っていたが、ふふ、奴が私の前途を見通す卜者となるのか」
ところが、その大膳が南櫓へ来ることはついになかった。
しんと静まり返った屋敷を遠巻きに見て、大膳は考えるよりも前に身震いした。
まだ居を移して一日だというのに、こんなにも静かなことがあるだろうか。まるで、誰もいないようだ。
信光が自分を裏切るということを、大膳は当然、念頭に入れていた。だから起請文まで書かせて万全を期したつもりでいたが、どうにもからだの震えが止まらないから困った。大膳自身、起請文などがアテにならないことを最初から知悉していたのだ。しかし、それを意識の奥へと抑圧してしまわないことには、信光を信じることができなかった。
結局、大膳は一人こっそりと城を出た。第六感に従ったのだ。理屈のない衝動に従ったのはこれがこの男の人生のなかでは最初で最後のことだったかもしれない。
定刻通りに現れぬ大膳を不審に思った信光は、屋敷へ使いを出したが、既にもぬけの殻だった。自らに近しいものたちだけを連れてそっくりそのまま消えていた。
「やれ、逃げ足ばかり早い奴だ」
城内に居るのか居ないのか、それすらわからない。城の外へ出たなら恐ろしくないが、主君である信友に告げられては面倒事だ。坂井大膳も、織田信友も逃がしたとあっては、例え城が手に入ったとしても信長に要らぬ嘲笑を受けよう。
信光は吹っ切れた。手勢を率いて守護代の屋敷を囲んで討ち入ってしまう。大膳が一緒に居れば儲けものだが、あまり期待はしていない。信友に知らせているヒマがあるなら、少しでも早く逃げ出す。そういう男である。
屋敷から敵が討って出たなら、一度退く素振りを見せて四方から弓矢を浴びせてやるつもりだったが、それも杞憂に終わった。信光にとって、信友の手勢は悲しいほどに弱かった。あまりに弱いので、何だかいけないことをしているような気にすらなる。にわかに興が冷めていく。
やがて例の可成が信友を生け捕りにして信光の前に突き出した。
「だッ、大膳は何処に、ッ? ……、オイ、大膳は」
信友は口を開くなりこの有様でまともに話ができぬ。半狂乱を時間をかけて宥めてみたが、喋ることと言えば「すべて坂井大膳のやったことで、自分は預かり知らない」と責任逃れの助命嘆願を繰り返すばかり。あまりに情けないので、信光はこの男も逃がしてやろうかと思ったのだが、そこへ可成が進み出て言う。
「これ以上、生き恥を晒させるのは惨いことです」
そして、自らが介錯を務める旨を告げた。
信友は可成の長時間の説得の末に切腹した。
清洲城は弾正忠家の手に落ち、清洲織田氏はここに滅亡したのである。
清洲城の乗っ取りについて成就の報を聞いた信長は、清洲衆にも、坂井大膳にも取り立てて思うところなどなかった。
弾正忠家に敵愾心を燃やし、手練手管の研鑽にその身を窶し、権謀術数に生きた男の人生など、あまりに陰気が過ぎて信長の琴線に触れるところなどは端から一つもなかったのだ。
因縁だ、なとど思い込んでいたのは大膳だけ。
古渡城を襲い、信長に兜を撃ち抜かれたあの夜に、坂井大膳という男の運命の歯車はすっかり狂ってしまったのかもしれない。
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