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第1章 記憶と兄妹
第5思そんな世界があればいい1
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「.....リグル」
現在哀檻は少女の家(廃墟)で自己紹介をしていた。
少女の名前から、此処がやはり日本ではない事を哀檻は再確認する。
「僕は、哀檻.......あ、れ、?」
哀檻.......なんだ?
僕は、誰だった.....?
「......?カナオリ・アレ.....?」
「いや、名前が思い出せない..........」
さっき、鞭で頭を打たれたせいだろうか、それとも下水道で体が動かなくなった時だろうか.....。
どちらにせよ、自分の名前が思い出せない....。
「.........状態異常......?.....はやく、ステータス見てみて.....」
ステータス?
何を言ってるんだ?この子は?
まさかこの子、この年でゲーム脳というやつなのでは?
「..........はやく」
「え、いや、なにそれ。どういうこと?」
「......口に出すだけ。『ステータスオープン』」
........。
「何も起こらないんだけど。」
「.....他人のステータスは見えない。.....いいから言う。」
少女の有無を言わせない迫力に負け、哀檻も同じ様に唱える。
「.......『ステータスオープン』」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『*** カナオリ』
男 **歳
Lv 1
クラス なし
HP 130 MP 130/130
筋力 3
体力 3
耐性 3
敏捷 3
魔力 3
魔耐 3
状態異常
なし
魔法適性
心 new
心象魔法
回帰▽
スキル
なし
称号
異世界人
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「うわっ、なんだ!?」
目の前に突然映った情報に、哀檻は驚きの声を上げる。
「はは、スライム見たときから何となく予想はしてたけど......もしかしなくても此処.....日本どころか、地球ですらない.....?」
「....何言ってるか分からない....それよりステータス.....」
「ん?あ、ああ。この状態異常って覧だよな?.....『なし』って表示されてるんだけど....?」
「...それはおかしい。何か体に異常があれば必ずそこに表示されるはず.......他におかしな所は?」
「....えっと、何か名前の一部と年齢がバグってるみたい何だけど......」
「....見えないってこと?」
哀檻が無言で頷くと、少女はまた考え込む。
自分の名前を忘れたという捉えようによっては相手を馬鹿にしていると思われてもしょうがない哀檻の言葉を、少女は真面目に考える。
二年前のあの日から、妹以外でここまで自分の事を真剣に考えようとしてくれたのは、この子くらいだろう。
親族ですら、自分達が困っている時、どこか他人事のような感じだったのだから。
「....一度全部、読み上げて....」
「...ああ。えっと、Lvが1で~」
哀檻は、上から順に自身のステータスを読み上げていくが、次第にそれを聞いている少女の顔は無表情ながらも青くなっていき、『魔耐』の覧まで読み上げた所で待ったがかかる。
「.....もう、いい。....お兄さん、弱すぎ.....それじゃあ、腕相撲で、私にも勝てない...............赤ちゃん?」
「なぁ!?....嘘だろ?さ、流石にそこまでは....」
フイと目を逸らし少女は一言
「.......お気の毒さま....」
.....。
「.........」
「.........」
気まずい時間が流れる。
「....お兄さん....今までどうやって生きてきた.....?」
現在哀檻は少女の家(廃墟)で自己紹介をしていた。
少女の名前から、此処がやはり日本ではない事を哀檻は再確認する。
「僕は、哀檻.......あ、れ、?」
哀檻.......なんだ?
僕は、誰だった.....?
「......?カナオリ・アレ.....?」
「いや、名前が思い出せない..........」
さっき、鞭で頭を打たれたせいだろうか、それとも下水道で体が動かなくなった時だろうか.....。
どちらにせよ、自分の名前が思い出せない....。
「.........状態異常......?.....はやく、ステータス見てみて.....」
ステータス?
何を言ってるんだ?この子は?
まさかこの子、この年でゲーム脳というやつなのでは?
「..........はやく」
「え、いや、なにそれ。どういうこと?」
「......口に出すだけ。『ステータスオープン』」
........。
「何も起こらないんだけど。」
「.....他人のステータスは見えない。.....いいから言う。」
少女の有無を言わせない迫力に負け、哀檻も同じ様に唱える。
「.......『ステータスオープン』」
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『*** カナオリ』
男 **歳
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筋力 3
体力 3
耐性 3
敏捷 3
魔力 3
魔耐 3
状態異常
なし
魔法適性
心 new
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回帰▽
スキル
なし
称号
異世界人
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「うわっ、なんだ!?」
目の前に突然映った情報に、哀檻は驚きの声を上げる。
「はは、スライム見たときから何となく予想はしてたけど......もしかしなくても此処.....日本どころか、地球ですらない.....?」
「....何言ってるか分からない....それよりステータス.....」
「ん?あ、ああ。この状態異常って覧だよな?.....『なし』って表示されてるんだけど....?」
「...それはおかしい。何か体に異常があれば必ずそこに表示されるはず.......他におかしな所は?」
「....えっと、何か名前の一部と年齢がバグってるみたい何だけど......」
「....見えないってこと?」
哀檻が無言で頷くと、少女はまた考え込む。
自分の名前を忘れたという捉えようによっては相手を馬鹿にしていると思われてもしょうがない哀檻の言葉を、少女は真面目に考える。
二年前のあの日から、妹以外でここまで自分の事を真剣に考えようとしてくれたのは、この子くらいだろう。
親族ですら、自分達が困っている時、どこか他人事のような感じだったのだから。
「....一度全部、読み上げて....」
「...ああ。えっと、Lvが1で~」
哀檻は、上から順に自身のステータスを読み上げていくが、次第にそれを聞いている少女の顔は無表情ながらも青くなっていき、『魔耐』の覧まで読み上げた所で待ったがかかる。
「.....もう、いい。....お兄さん、弱すぎ.....それじゃあ、腕相撲で、私にも勝てない...............赤ちゃん?」
「なぁ!?....嘘だろ?さ、流石にそこまでは....」
フイと目を逸らし少女は一言
「.......お気の毒さま....」
.....。
「.........」
「.........」
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「....お兄さん....今までどうやって生きてきた.....?」
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