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番外編2
デジレの恋11
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私は制止の声を上げたのだが、馬車が止まることはなかった。
御者は、完全に母に買収されているようだ。
私の命令も丸々無視してくれている。
「止めなさいってば!」
馬車はそのままどんどん森の奥へと進んでいく。
木々が生い茂り、日の光を遮って徐々に陰の部分が増していった。
(仕方ないわね、御者が言うことを聞いてくれないのなら……ここから飛び降りましょうか)
窓から外の様子を窺う。
(うん、地面は平らだわ。頑張れば着地できるかも)
私は御者に気付かれないよう、静かに入り口を開けた。
推移する景色に目をやりつつ、勢いをつけて地面に飛び降りる。
「えいっ!」
バサリ、と花柄のスカートが舞った。
何とか着地に成功する。地面に両手をついた、無様な格好だ。
しかし、私はそんなことを気にせず、両手でスカートをたくし上げて一目散に走り出した。
我が家へと向かって。
「お嬢様!」
気付いた御者が馬車を止めた。
慌てて地面に降り、私の方へと駆け寄ってくる。
「や、ヤバいわ!」
見つかってしまった。
彼から逃げなければ、男爵家へ連れて行かれてしまう!
私は必死に走ったけれど、ワッサワッサとしたドレスを身に纏った令嬢が、身軽な格好の御者から逃げられる筈もなかった。
あっさりと、手首を捕らえられる。
「は、離しなさい。私は家へ戻るのよ!」
「申し訳ありませんが、それはできかねます」
なんだ、やっぱり耳が聞こえていたのね!
馬車の中では敢えて、私の言葉を全部無視していたのね!
路上で御者と問答を繰り返していると、不意に背後から蹄の音が複数響いてきた。
軽快なその音は、私達のすぐ側で止まる。
「えっ……あ、あなたは」
振り返った先にいたのは、意外な人物だった。
「あー、見つけた。まだこんな所を彷徨いていたのか。お陰でここまで来る羽目になっちまった」
「ブリス……?」
私の婚約の相手……ウジェ男爵家の次男のブリスが立っている。
(もしかして、迎えにきてくれたの?)
傍らには、彼と同じ年頃の男性が数人並んでいた。
従者だろうか、友人だろうか。
「おい、ブリス。本当に良いんだな、好きにして」
「えっ……? どういうこと?」
ブリスは、疑問符を浮かべた私に対して、冷たい視線を向ける。
事態が飲み込めず、私は混乱した。
「ああ、俺が欲しいのはこいつの家柄だけだからな。こいつ自身に用はないが、殺すなよ。死体になったら元も子も無いからな」
「殺さねえよ、勿体ねえ。貴族のお嬢さんだぜ?」
嫌な予感がする。
隣を覗き見ると、御者も想定外の事態におろおろしていた。
いずれにせよ、この男達は、ちょっと素行の良くなさそうな輩みたいだ。
下卑た笑みを浮かべてこちらを見ている様子は、気分の良いものではない。
「ブリス、何のつもりなの?」
「ウチの家が欲しいのは、結婚したという事実だけだからな。俺はお前なんて不要だし……こいつらが欲しいと言うからやることにしたんだ。妻なんだから、夫の命令には逆らうなよ?」
「なっ……! あなた、何を考えているの?」
信じられない。
こんな馬鹿な行動をとって、あとでどうなるか予想しないのだろうか……彼は。
いや、全部考えた上でこの行動をとっているのかもしれない。
ジェイド子爵家という家柄や、父や次兄には価値があっても、私自身には何もない。
もう、母によって私の戸籍すらも、変更されているのかもしれないのだ。
先ほど、ブリスは私のことを「妻」と言っていたもの。
男爵家に身柄が移ってしまっているのなら、ここで足掻いても無駄である。
結婚に必要な書類を偽造するのは違法行為だけれど、あの母ならやりかねない。
「あいつらのあとは、せいぜい親父に可愛がってもらえ。未だに若い妻を欲しがっているみたいだしな」
その言葉にぞっとした。彼の父親には、もう妻がいるというのに。
以前会ったちょっと悪趣味な服を着た女性。
彼女がいるにも関わらず、男爵はまだ若い妻を欲しているという。
それが、実の息子の嫁であっても、関係ないのだろうか。
男達がこちらに詰め寄ってくる。
慌てて後ろに下がり、彼等から距離をとった。
(逃げなきゃ!)
頭の中では警笛が鳴っている。
しかし、恐怖で体が思う様に動かない。
自分自身の思考も相まって、逃げることを戸惑わせた。
彼等は馬を持っているのに、逃げ切れるわけがない。
馬車を使ったとしても、乗り込むまでに捕まるだろう。
こちらには御者がいるけれど、彼は母に忠実なようだから、私を守ってくれるとは限らない。
恐怖でがちがちに固まった鉛のような足を、意思の力だけで無理に持ち上げて方向転換する。
私は全力で走り出した。
自分の息の音がやけに大きく聞こえる。
彼等を巻くことなど不可能だと分かっているが、それでも今の私には誰かに助けを求めることしかできないのだ。
「ヒャッハー! お嬢様が逃げるぜ~♪」
「どこへ行くのかな~♪」
男達が嗤いながら、私のあとを追ってきた。
しかし、すぐに追いつくことはない。馬から下りて、徒歩で追ってきているようだ。
一定の距離を保ちながら、少しずつその差を詰めてくる。
わざとゆっくり走って、私が逃げ惑うのを楽しんでいる風に感じられた。
「悪趣味な……」
それでも、逃げるしかない。
誰かが偶然通りがかってくれることを願って。
だんだんと足が上がらなくなってきた。息も切れ切れになっている。
元々、それほど体力のある方ではないのだ。
「あれぇ? そろそろ終わりかなぁ~?」
「疲れちゃったかな~?」
(もう駄目、これ以上走れない!)
私はあっけなく膝をついた。
動けない、息をするだけで精一杯だ。
後ろを追ってきた男達に捕まる瞬間、目の奥に浮かんできた姿は彼のものだった。
「エリク……私」
こんなことなら、本当の気持ちを伝えるべきだった。
自分の愚かさ加減には、呆れるばかりである。
責任に突き動かされて、自分の感情に蓋をしてとった行動の結果がこれだ。
もはや、乾いた笑いしか出て来ない。
地位も家も何もかも無視して純粋に好意を伝え続けてくれていたエリクに、良い返事を返せなかったことが心残りだった。
後悔そても、今更どうにもならないけれど。
男の一人が私のドレスの襟に手を掛けようと、腕を伸ばす。
しかし、その手が私に届く前に、男はうめき声を上げて地面に倒れ臥した。
(えっ……? 私は、何もしていないわよ?)
どうして、この人は倒れているのだろう。
仲間の男達も、何が起きたのか分からずに、ただ困惑している。
「うっ!」
「がぁっ!」
「ぐはぁっ!」
誰もいない森の中で、順を追って男達がひっくり返っていく。
その光景は、なんともいえず不気味だった。
(ああ……今度は、なんなのよ)
私は恐怖で身を竦める。
(もう嫌だ……怖い!)
両手で頭を覆って目を閉じた私に、頭上から明るい声が掛けられた。
聞き覚えのある声だ。
「こんな所にいらしたのですね、探しました」
見上げると、巨大化した羽ペンに腰掛けたエリクが宙に浮いている。
城勤めをしている魔法使いは、皆この様な移動手段を使うのだと聞いたことがあった。
それにしても、空から降りてくるなんて……。
「大丈夫でしたか? 何処も怪我はしていませんか?」
このような状況下でも真っ先に私を気遣うエリクの声に、胸の奥が締め付けられた。
私は彼に対して、酷い言葉を吐いたのに。
「……どうして、あなたがここにいるの?」
「勿論、デジレを迎えに来ました。遅くなってしまい申し訳ありません」
「迎えって?」
彼はそれには答えず、私の手をとって立たせてくれた。
ドレスについた土まで払ってくれる。
「あ、あの、助けてくれたのよね? ありがとう」
「いいえ、お礼は要りませんよ。寧ろ、こちらがお詫びしなければならないのに」
「どうして? あなたが謝ることなんて……」
「実は副長官がヘマをした所為で、アデライド様に計画がバレてしまい……今回デジレを巻き込む形になってしまいました」
私は、瞬きしながら彼を見た。
(副長官って……父のことよね?)
私の父は、城の魔法棟という部署で働いており、魔法使いの中では上から二番目の地位にいる。
しかし、それよりも気になるのは……
「……計画?」
「はい、元々は事前にデジレを保護して男爵家を血祭りに……いいえ、断罪するという計画だったのですが」
ち、血祭り……?
(私の聞き間違いよね)
優しいエリクがそんなことを言うはずがない。
「エリク、あとは俺の方から説明するよ」
また頭上から、声が降ってきた。
「お、お兄様?」
見上げると、羽ペンに座った次兄が空から舞い降りるところであった。
計画って……もしかして、彼も噛んでいるの?
御者は、完全に母に買収されているようだ。
私の命令も丸々無視してくれている。
「止めなさいってば!」
馬車はそのままどんどん森の奥へと進んでいく。
木々が生い茂り、日の光を遮って徐々に陰の部分が増していった。
(仕方ないわね、御者が言うことを聞いてくれないのなら……ここから飛び降りましょうか)
窓から外の様子を窺う。
(うん、地面は平らだわ。頑張れば着地できるかも)
私は御者に気付かれないよう、静かに入り口を開けた。
推移する景色に目をやりつつ、勢いをつけて地面に飛び降りる。
「えいっ!」
バサリ、と花柄のスカートが舞った。
何とか着地に成功する。地面に両手をついた、無様な格好だ。
しかし、私はそんなことを気にせず、両手でスカートをたくし上げて一目散に走り出した。
我が家へと向かって。
「お嬢様!」
気付いた御者が馬車を止めた。
慌てて地面に降り、私の方へと駆け寄ってくる。
「や、ヤバいわ!」
見つかってしまった。
彼から逃げなければ、男爵家へ連れて行かれてしまう!
私は必死に走ったけれど、ワッサワッサとしたドレスを身に纏った令嬢が、身軽な格好の御者から逃げられる筈もなかった。
あっさりと、手首を捕らえられる。
「は、離しなさい。私は家へ戻るのよ!」
「申し訳ありませんが、それはできかねます」
なんだ、やっぱり耳が聞こえていたのね!
馬車の中では敢えて、私の言葉を全部無視していたのね!
路上で御者と問答を繰り返していると、不意に背後から蹄の音が複数響いてきた。
軽快なその音は、私達のすぐ側で止まる。
「えっ……あ、あなたは」
振り返った先にいたのは、意外な人物だった。
「あー、見つけた。まだこんな所を彷徨いていたのか。お陰でここまで来る羽目になっちまった」
「ブリス……?」
私の婚約の相手……ウジェ男爵家の次男のブリスが立っている。
(もしかして、迎えにきてくれたの?)
傍らには、彼と同じ年頃の男性が数人並んでいた。
従者だろうか、友人だろうか。
「おい、ブリス。本当に良いんだな、好きにして」
「えっ……? どういうこと?」
ブリスは、疑問符を浮かべた私に対して、冷たい視線を向ける。
事態が飲み込めず、私は混乱した。
「ああ、俺が欲しいのはこいつの家柄だけだからな。こいつ自身に用はないが、殺すなよ。死体になったら元も子も無いからな」
「殺さねえよ、勿体ねえ。貴族のお嬢さんだぜ?」
嫌な予感がする。
隣を覗き見ると、御者も想定外の事態におろおろしていた。
いずれにせよ、この男達は、ちょっと素行の良くなさそうな輩みたいだ。
下卑た笑みを浮かべてこちらを見ている様子は、気分の良いものではない。
「ブリス、何のつもりなの?」
「ウチの家が欲しいのは、結婚したという事実だけだからな。俺はお前なんて不要だし……こいつらが欲しいと言うからやることにしたんだ。妻なんだから、夫の命令には逆らうなよ?」
「なっ……! あなた、何を考えているの?」
信じられない。
こんな馬鹿な行動をとって、あとでどうなるか予想しないのだろうか……彼は。
いや、全部考えた上でこの行動をとっているのかもしれない。
ジェイド子爵家という家柄や、父や次兄には価値があっても、私自身には何もない。
もう、母によって私の戸籍すらも、変更されているのかもしれないのだ。
先ほど、ブリスは私のことを「妻」と言っていたもの。
男爵家に身柄が移ってしまっているのなら、ここで足掻いても無駄である。
結婚に必要な書類を偽造するのは違法行為だけれど、あの母ならやりかねない。
「あいつらのあとは、せいぜい親父に可愛がってもらえ。未だに若い妻を欲しがっているみたいだしな」
その言葉にぞっとした。彼の父親には、もう妻がいるというのに。
以前会ったちょっと悪趣味な服を着た女性。
彼女がいるにも関わらず、男爵はまだ若い妻を欲しているという。
それが、実の息子の嫁であっても、関係ないのだろうか。
男達がこちらに詰め寄ってくる。
慌てて後ろに下がり、彼等から距離をとった。
(逃げなきゃ!)
頭の中では警笛が鳴っている。
しかし、恐怖で体が思う様に動かない。
自分自身の思考も相まって、逃げることを戸惑わせた。
彼等は馬を持っているのに、逃げ切れるわけがない。
馬車を使ったとしても、乗り込むまでに捕まるだろう。
こちらには御者がいるけれど、彼は母に忠実なようだから、私を守ってくれるとは限らない。
恐怖でがちがちに固まった鉛のような足を、意思の力だけで無理に持ち上げて方向転換する。
私は全力で走り出した。
自分の息の音がやけに大きく聞こえる。
彼等を巻くことなど不可能だと分かっているが、それでも今の私には誰かに助けを求めることしかできないのだ。
「ヒャッハー! お嬢様が逃げるぜ~♪」
「どこへ行くのかな~♪」
男達が嗤いながら、私のあとを追ってきた。
しかし、すぐに追いつくことはない。馬から下りて、徒歩で追ってきているようだ。
一定の距離を保ちながら、少しずつその差を詰めてくる。
わざとゆっくり走って、私が逃げ惑うのを楽しんでいる風に感じられた。
「悪趣味な……」
それでも、逃げるしかない。
誰かが偶然通りがかってくれることを願って。
だんだんと足が上がらなくなってきた。息も切れ切れになっている。
元々、それほど体力のある方ではないのだ。
「あれぇ? そろそろ終わりかなぁ~?」
「疲れちゃったかな~?」
(もう駄目、これ以上走れない!)
私はあっけなく膝をついた。
動けない、息をするだけで精一杯だ。
後ろを追ってきた男達に捕まる瞬間、目の奥に浮かんできた姿は彼のものだった。
「エリク……私」
こんなことなら、本当の気持ちを伝えるべきだった。
自分の愚かさ加減には、呆れるばかりである。
責任に突き動かされて、自分の感情に蓋をしてとった行動の結果がこれだ。
もはや、乾いた笑いしか出て来ない。
地位も家も何もかも無視して純粋に好意を伝え続けてくれていたエリクに、良い返事を返せなかったことが心残りだった。
後悔そても、今更どうにもならないけれど。
男の一人が私のドレスの襟に手を掛けようと、腕を伸ばす。
しかし、その手が私に届く前に、男はうめき声を上げて地面に倒れ臥した。
(えっ……? 私は、何もしていないわよ?)
どうして、この人は倒れているのだろう。
仲間の男達も、何が起きたのか分からずに、ただ困惑している。
「うっ!」
「がぁっ!」
「ぐはぁっ!」
誰もいない森の中で、順を追って男達がひっくり返っていく。
その光景は、なんともいえず不気味だった。
(ああ……今度は、なんなのよ)
私は恐怖で身を竦める。
(もう嫌だ……怖い!)
両手で頭を覆って目を閉じた私に、頭上から明るい声が掛けられた。
聞き覚えのある声だ。
「こんな所にいらしたのですね、探しました」
見上げると、巨大化した羽ペンに腰掛けたエリクが宙に浮いている。
城勤めをしている魔法使いは、皆この様な移動手段を使うのだと聞いたことがあった。
それにしても、空から降りてくるなんて……。
「大丈夫でしたか? 何処も怪我はしていませんか?」
このような状況下でも真っ先に私を気遣うエリクの声に、胸の奥が締め付けられた。
私は彼に対して、酷い言葉を吐いたのに。
「……どうして、あなたがここにいるの?」
「勿論、デジレを迎えに来ました。遅くなってしまい申し訳ありません」
「迎えって?」
彼はそれには答えず、私の手をとって立たせてくれた。
ドレスについた土まで払ってくれる。
「あ、あの、助けてくれたのよね? ありがとう」
「いいえ、お礼は要りませんよ。寧ろ、こちらがお詫びしなければならないのに」
「どうして? あなたが謝ることなんて……」
「実は副長官がヘマをした所為で、アデライド様に計画がバレてしまい……今回デジレを巻き込む形になってしまいました」
私は、瞬きしながら彼を見た。
(副長官って……父のことよね?)
私の父は、城の魔法棟という部署で働いており、魔法使いの中では上から二番目の地位にいる。
しかし、それよりも気になるのは……
「……計画?」
「はい、元々は事前にデジレを保護して男爵家を血祭りに……いいえ、断罪するという計画だったのですが」
ち、血祭り……?
(私の聞き間違いよね)
優しいエリクがそんなことを言うはずがない。
「エリク、あとは俺の方から説明するよ」
また頭上から、声が降ってきた。
「お、お兄様?」
見上げると、羽ペンに座った次兄が空から舞い降りるところであった。
計画って……もしかして、彼も噛んでいるの?
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